Bermuda Jupiterにおいて、
PLL (Permutation of the Last Layer : 上段の隅と辺を同時に向き替えなしで移動する手順) と
ELL (Edges of Last Layer : 上段の辺のみを向き替えも含めて移動する手順) は有効に廻せる手順を見出せませんでしたが、
CLL (Corners of the Last Layer : 上段の隅を向き替えも含めて移動する手順で辺移動を発生させることもあり) はいくつか廻せる手順を見つけたので、紹介したいと思います。
回転記号として、
島内先生由来の方位を基準とした、J式333 の回転記号を用います。こちらでないと、私には分かりにくいので、どうぞご容赦を。
反時計回りでは"-"、180°回転では"2"(本当は上付き)を添えます。J式回転記号のあとに/ の後またはカッコの中に
WCA式表記を添えることにします。
同じ回転操作の組を繰り返す場合は、その回転操作をカッコで括ってカッコの外のべき乗記号の ^ のあとに回数を表記します。これも本当は上付き表記ですね。WCA表記の場合は ^ の代わりに x を用います。

となっています。分類名についても
当時の記事と同じで、一文字目は
Roux における CLL 分類 と一緒、二文字目は基本の向きを 0、反時計方向 90°回転が -, 時計方向 90°回転が +, 180°回転が 2, 隅平行(左右の隅をそれぞれ手前と奥で交換、
PLL における H の移動方向) が 1 となっています。
廻せた手順は L1, L2, S2, Pi- の 4手順だけでした。
それぞれの移動を、隅→辺 の順に分けて示すと(辺または隅に付いている横棒が上面に向きを替える面を示しています)、
L1

e t2 e2 s e s- e t2 e- / R U2 R2 F R F' R U2 R'
L2

n w- n- w t w t- w- / B L' B' L U L U' L'
S2

s- t2 s t2 s e- s- e t2 / F' U2 F U2 F R' F' R U2
Pi-

s e- s- e t2 s e- s- e2 t2 e- / F R' F' R U2 F R' F' R2 U2 R'
どれも「なるほどな」と納得させられる手順です。このような手順しかこのパズルでは廻せませんね。L2 は残念ながらそのままでは廻せないので、実際には t2 (U2) してから廻します。
しかし、これだけしか廻せないのであれば、あまりお得感はありません。また、せっかく隅を合わせても、辺だけを移動する手順が無いのであれば、結局は辺合わせで、また隅が移動してしまうことになります。
そこで、私はこれらの手順を辺合わせに用いています。
私はメガミンクスでは
ELL →
CLL の順に廻していますが、これはやや長手順ながらもメガミンクスの CLL は辺を移動させないからですね。
この Bermuda Jupiter では
辺合わせで意外と混乱させられます。
OLL → PLL で解く世間の普通の方々が PLL での辺移動をどのように捉えられているか、私には分かりません。ただ、私の場合、このパズルで「あれ?辺の二点交換になっちゃった?」と混乱することが多発しています。
このとき、揃っている二辺を前と左に置いて、前→左→奥→前 の三点移動で揃うことを確認しました。
こんな感じに絵を描いて、
円順列は (n-1)! ある、とかいろいろ考えました。気が向いたらぜひお試し下さい。
移動方向を向き替えなし手順に合わせて定式化すると、

向き替えなし : {(t- e t e-) t-}^2 / {(U' R U R') U'}x2
辺合わせで紹介した手順の逆手順です。これだけ CLL ではなく、前下隅も移動してしまうので、気をつけましょう。

L2 : t2 (s e- s- e t e t- e-) t2 / U2 (F R' F' R U R U' R') U2

reverse L2 : t- (e t e- t- e- s e s-) t- / U' (R U R' U' R' F R F') U'

S2 back : t- e- s e s- t2 s- t2 s t- / U' R' F R F' U2 F' U2 F U'
S2 はそのままでは辺の移動方向が反時計廻しになるので、逆手順としました。
これらの 4手順を駆使すれば、辺の向き替え回数が少しでも減らせる、と考えてはいるのですが、向きを替えたい辺がいい位置に来てくれることは少なく、結局は向き替えなし手順を廻してしまうことが多いですね。
辺位置の組み合わせが全く合っていない場合、
ELL の二の字の場合ですが、これは Pi- がそのまま使えました。一方、十字移動になっていた場合は t2 (U2) で位置が合うので、気にする必要はありません。
L1 はそのままでは用途がありませんでしたが、なんと (L1, t- )^2
{(e t2 e2 s e s- e t2 e-) t- }^2 / {(R U2 R2 F R F' R U2 R') U' )x2
で右奥と前左の向き替え(辺移動・辺向き替えなし)
ができることが分かりました。
前下の向き替えには使えませんが、二隅向き替え

右奥時計・前下"反"時計廻し : {(e t- e- t)^2 (e- s e s-)^2}^2
/ {(R U' R' U)x2 (R' F R F')x2}x2
の 32手を考えると 20手で隅向き替えができるのはお得ですね。
私はまだまだ廻し慣れておらず、つい普通の手順で揃えていってしまっていますが、できればこれらの手順をもっと活用していければ、と思っているところです。
posted by じゅうべい at 14:55|
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変形パズル