2021年08月04日

David Gear 10:試し解き

デビッドギア、David Gear's cube
DavidGear左黄右列青白.JPG DavidGear歯車小回転.JPG
の試し解きを、ようやくですがやってみましょう。スクランブルは前回の通り、2x2x2 の面廻しの直後に同方向に隅歯車も廻す、3回ある 180°回転では 1, 3回目は ++, 2回目は –– で廻すことにしたいと思います。

回転記号はいつも通り、島内先生の S式に由来した J式表記で、
DavidGearNoteETS'.jpgDavidGearNoteWNB'.jpg
歯車以外は普通の 2x2x2 として、左図の t (WCA表記で U), e (WCA表記で R), s (WCA表記で F)、中央図の w (WCA表記で L), n (WCA表記で B), b (WCA表記で D)で、それぞれ、反時計廻しをする場合は"-"を本来は肩付きで表記しますが、このブログでは肩付きを利用出来ないのでそのままで示します。できるだけ、WCA表記をカッコ書きか / のあとに併記しようと思います。

DavidGearNoteGear'.jpg
歯車の回転については、一面分(120°)時計廻しを "+"、反時計廻しを "–" で表すことにします。e – と e- が全く異なる(一つめが右面時計廻しのあと歯車を反時計廻し、二つ目が右面を反時計廻し)ので、どうぞご注意を。世間ではこの隅歯車回転を、時計廻しは G、反時計廻しは G' で表しているようです。

さて試し解きについては、これも前回図を作った関係もあって、先週のTORIBO コンテストの 2x2x2 のその1の
U' R U2 R' U' R' U2 F R' F U2
を流用した、
U' – R + U2 ++ R' – U' – R' – U2 –– F + R' – F + U2 ++
Sc21L4a.jpg
でやってみましょう。右下にあるのは前回お話ししたとおり、背面を前から透視した図です。x' y2 で持ち替えて、

Sc21L4a#1_xy2.jpg
t2 (U2) で Guimond の右前・右T の形ですね。

RightFrontUp.jpgRF6TRight.jpg
b e2 t- e / D R2 U' R

つまり初期状態で隅歯車の向きは合っています。…意外と合ってないことは少なく、先週のTORIBO コンテスト 2x2x2 を流用したスクランブルでは、合っていないのはその3だけでした。

ですので、普通に 2x2x2 として隅歯車を揃えてしまいます。
t2 ・ b e2 t- e ・e2 t w2(上下棒)・y- ・e b- e n2 e- b e- (上対角下前)・t2
/ U2 (D R2 U' R)(R2 U L2) y- (R D' R B2 R' D R') U2

ですね。
Sc21L4a#02_222.jpg
この時点で合っている面歯車が、青2, 赤2, 白1、とかなりのラッキー状態なのが分かります。本来、6面x4 = 24 を合わせなければならないのですから。

さらに、クロス平行 (t- + t- –) e2 (+ t – t-) e2 t2 / (U' G U' G') R2 (G U G' U') R2 U2 で黄2, 橙1 までいきなり揃います。揃えて x 持ち替えで
Sc21L4a#03_CrossPara.jpg
二面交換昇りで青が一つ揃いますが、交換で上面に上がった黄の処理に困ります。この黄は青面から直接移動させた方が良いでしょう。ですので、y' (t+ + t- –) e2 (+ t – t-) e2 (面内交換) y / y' (U' G U' G') R2 (G U G' U') R2 y で退避させてから、

二面交換昇り
– t- e t2 (+ t- –) e2 (+ t – t-) e2 t- e- t + / G' U' R U2 (G U' G') R2 (G U G' U') R2 U' R' U G
で以下の通りになります。
Sc21L4a#04_SetBlue#3.jpg
z' 持ち替えで二面交換降り
t- e t2 (+ t- –) e2 (+ t – t-) e2 t- e- t / U' R U2 (G U' G') R2 (G U G' U') R2 U' R' U
Sc21L4a#05_SetYell#03.jpg
y' 持ち替えに面歯車反時計廻し ––– (G' G' G)で
Sc21L4a#06_y'---.jpg
またも二面交換降り
t- e t2 (+ t- –) e2 (+ t – t-) e2 t- e- t / U' R U2 (G U' G') R2 (G U G' U') R2 U' R' U
ついでに、z' 持ち替えでさらに二面交換降りを廻して、
Sc21L4a#07_SetY#4B#4.jpg
だいぶ揃ってきましたね。どうも判断に迷うのが一番時間を喰うようなので、入れやすい二面交換があればどんどん入れていくようにしています。

z2 持ち替えをして、y' (t+ + t- –) e2 (+ t – t-) e2 (面内交換) y / y' (U' G U' G') R2 (G U G' U') R2 y のあとに二面交換昇り・降りを連続して行い、さらに +++ (G G G ) で面時計廻しの後さらに二面交換昇りを廻すと、
Sc21L4a#08_SetGx3.jpg
緑が一気に 3つ揃いました。現在はこれ以上効果的な手順は発見されていないので、手間を惜しまず、どんどん二面交換で揃えていってしまうのが速さに貢献してくれそうです。

緑面の橙と橙面の緑を交換したいのですが、このままでは位置が悪いですね。x 持ち替えの後、前上・右下交換
(手順としては上前下対角 二四平行 上前下対角)
WheelExRlowerFupper.jpg
e- t e- n2 e t- e { w (t- + t- –) e2 (+ t – t-) e2 t2 w- } e- t e- n2 e t- e
/ R' U R' B2 R U' R { L (U' G U' G') R2 (G U G' U') R2 U2 L' } R' U R' B2 R U' R

で緑面の緑・橙を交換して、
Sc21L4a#09_ExFupperRlower.jpg
x y' 持ち替えの後に二面交換降り
t- e t2 (+ t- –) e2 (+ t – t-) e2 t- e- t / U' R U2 (G U' G') R2 (G U G' U') R2 U' R' U
で、
Sc21L4a#10_SetG#4O#2.jpg
ここまで揃ってきました。
なんとなくですが、右面前上・左面前下を前面と交換する三面交換を廻してみたいですね。そのためには左右の白面の橙を面内交換したあと、全面の左列の赤橙を交換したくなりますね。それは z 持ち替えの後、前上・右下交換(手順としては上前下対角 二四平行 上前下対角)を実行して z' 持ち替えで戻せばできますね。
Sc21L4a#11_SetPre3Face.jpg
となるので、三面交換手順
WheelEx3FacePara.jpg
e2 (t2 + t- –) e2 (+ t – t-) e2 t- e2 / R2 (U2 G U' G') R2 (G U G' U') R2 U' R2
を廻しましょう。
Sc21L4a#12_Last2.jpg
これはラッキーですね。x' 持ち替えして、
左右上奥交換(右一左四&前下交換, 手順としては、上下前 一三平行 上下前)
WheelExL4R1_F23.jpg
e2 t- e2 t-2 s2 t- e2 { e (t- + t- –) e2 (+ t – t-) e2 t2 e- } e2 t- e2 t-2 s2 t- e2
/ R2 U' R2 U'2 F2 U' R2 { R (U' G U' G') R2 (G U G' U') R2 U2 R' } R2 U' R2 U'2 F2 U' R2

で完成です。以前はこの手順は下前で共役していました。上前の二隅が移動に関連していないのでこちらでも構わないことが分かりましたが、上下前の方が絶対的に廻しやすく、トラブルも少ないですね。

似たような手順しか用いていないことがお分かりでしょう。ただ、多少の工夫が判断できれば、より効率よく合わせていけると思います。

初期状態では隅歯車が揃わない例もやってみましょう。先週の TORIBO コンテスト 2x2x2 その3
U2 R U' F U2 F' R U2 R F' R'
を流用した、
U2 ++ R + U' – F + U2 –– F' – R + U2 ++ R + F' – R' –
Sc21L4c#00.jpg
では、t- z (U' z) で
Sc21L4c#01_t-z.jpg
となり、このパズルでは赤の対面色は白なので(黄の対面色が橙、青−緑の関係は維持されています)、右上前の白の向きがおかしいことが分かります。上面の右前・左前・左奥の 3つは本来は全て反時計廻しで上面に向かなくてはなりません。なので、”向きが合ってない面がさらに合わない向きになるように”、つまり隅歯車を+ (G) で時計廻しして、
Sc21L4c#02_plus.jpg
の状態から始めましょう。x2 で黄橙が Guimond の右奥・対角降りになっているのが分かります。
RightBackUp.jpgRB1DiagDn.jpg
e- t- e (R' U' R) のあと、t2 (U2) で奥右左 e2 b- e2 (R2 D' R2)、y' 持ち替えと t2 (U2) の後、上下前、e2 t- e2 t-2 s2 t- e2 (R2 U' R2 U'2 F2 U' R2) に t- (U') で隅歯車を完成させ、
Sc21L4c#03_222.jpg
青がいい位置にあるので、せっかくなので e + e- – (R G R' G') で下面の青を、+ (e + e- –) – (G R G R' G' G') で上面の青をそれぞれ揃えてしまいましょう。こういうのが判断できるとお得ですが、いいスクランブルではそこそこ面歯車も揃ってしまっていて、左右面以外を崩すこのような手順は使いにくいことが多いですね。せっかくなので白も y のあと + e – e- (G R G' R') で一つ揃えてしまいましょう。
Sc21L4c#04_SetBx2Wx1.jpg
z y' して二面交換昇りで黄青、y x して左右上奥交換で黄橙、面内交換後に y して二面交換昇りで白の 3つめが入り、
Sc21L4c#05_3Proc.jpg
z' して +++ (G G G) のあとに二面交換昇りで青面が揃い、x して
Sc21L4c#06_PreSetW#4.jpg
ここで、右前上-左前下交換(右四左二&前対角交換, 手順としては、下前 三面 下前)
WheelExL2R4_F24.jpg
e s- e n2 e- s e n2 e2 { e2 (t2 + t- –) e2 (+ t – t-) e2 t- e2 } e s- e n2 e- s e n2 e2
/ R F' R B2 R' F R B2 R2 { R2 (U2 G U' G') R2 (G U G' U') R2 U' R2 } R F' R B2 R' F R B2 R2

で白面も揃います。二面交換昇りで橙緑を揃えてから 前上・右下交換をし、
Sc21L4c#07_Last6.jpg
y 面内交換 (t + t- –) e2 (+ t – t-) e2 / (U G U' G') R2 (G U G' U') R2 y' x 二面交換昇りで緑 3つめ、 y 面内交換 y' z' 二面交換降りで赤黄まで揃います。– – – (G' G' G') で残った 3つの位置をずらしましょう。
Sc21L4c#08_Last3.jpg
残るは 3つ、左面下段に 2つ、右面前下に 1つを揃えます。e- s- t2 e2 (R' F' U2 R2) でいかがでしょう?
Sc21L4c#09_Rotate3.jpg
左下・右前下三点移動
Wheel3RotateL23R3'.jpg
の逆手順となるので、手順としては 一三平行 上前下対角 一三平行 上前下対角、
[{e (t- + t- –) e2 (+ t – t-) e2 t2 e- } e- t e- n2 e t- e]^2
/ [{R (U' G U' G') R2 (G U G' U') R2 U2 R' } R' U R' B2 R U' R]x2

最後は位置合わせの逆手順、e2 t2 s e (R2 U2 F R) で完成です。
慣れないと、この三点移動の三つ目の配置に手間取るかもしれません。前面の右下にいるときが一番面倒で、e s e- s- e (R F R' F' R) で配置できます。その上、前面の右上なら t- e2 (U' R2) で簡単なのですが。

長々と失礼しました。読み直してみても、このパズルがなければとても理解不能で、このパズルを入手することが困難な現状、需要のない、独りよがりな内容となってしまいました。

このデビッドギア David Gear を購入していじり倒していたのが 2014〜2015年、もう 6年以上経つのですね。生まれた娘が小学生になるだけの年月です。その間に V2 が発売され、どちらも tribox では購入できなくなり、時代の流れを感じます。

ただ、現在においても、少なくとも私はずっと廻し続けてしまうほど楽しめました。私はこのパズルが好きです。そういう方が少しでも増えてくれたら、本当に嬉しく思います。

posted by じゅうべい at 18:37| Comment(0) | 歯車

2021年08月03日

David Gear 9:スクランブルの提案

最初は全然関係ない話題から。

早起きは三文の得』の由来について調べてみたところ、Carrer Picks というサイトに”早起きは三文の得』の由来は中国の『宋樓鑰詩』という書物にあります。『宋樓鑰詩』では、「早起三朝當一工」という記述が残されており、「3日早起きすれば、一人前の仕事になる」という意味でした。”とありました。多くのサイトでも引用されています。

ところが、この書物が見つかりません。樓鑰は実在するようで、コトバンク によると南宋の時代の学者(1137–1213)だそうですが、中国の古詩・漢文検索サイト 捜韻 で 樓鑰についての一覧 を見つけることができ、そこそこ探してみましたが、見つかりません。

一方、時代は元に下りますが、魯明善(1271−1368)による『農桑衣食撮要』の下巻 の末尾に「一日之計在寅。晏眠早起,三朝當一工。居家以勤謹爲先。」とあるのを見つけました。寅は朝の 3〜5時のことなので、直前の 一家之計在和。, 一生之計在勤。, 一年之計在春。などと併せて「一年の計は元旦にあり、一日の計は早朝にあり」といったことを言いたいのでしょう。"三朝當一工。"は DeepL翻訳 では「早寝早起きをすれば、3日分の仕事ができるようになります。」と訳されましたが、Google翻訳 では「早く寝て早く起きて、3つの王朝の仕事になりましょう。」、意訳すれば、「早寝早起きは長期にわたる仕事を保証してくれる」となるでしょうか?中国古典の感覚からすると、”三朝”は朝三日分よりは、王朝三つ分の方がしっくりくる気がします。

この時代、ネットの情報は鵜呑みにできませんね。気になったら、きちんと調べた方がしっくりくるように思います。

その点、キューブ系パズルの情報は廻したらすぐに確認できますし、スピード競技においては勝てない方法は廃れていくので、情報の新陳代謝も早いように感じています。私も変な情報は載せられませんね。

というのはほぼ言い訳で、せっかく調べたことを誰かに言いたくなっただけです。失礼しました。もちろん、私はこの分野の専門家ではないので、上記の調べ物に誤りがある可能性も充分にあります。その場合は申し訳ありません。

それはさておき、デビッドギア、David Gear's cube
DavidGear左黄右列青白.JPG DavidGear歯車小回転.JPG
についてですが…、あれだけ多くの手順を用意したので、状況に応じた手順を用いればあっという間に解けてしまうだろうと思っていましたが、思いっきり甘かったです。

現在 20回解いて 1/5/12/20 = 7:26.50/ 10:42.86/ 12:04.02/ 12:49.99、この手の表記に馴染みがない方に説明すると、連続した1回/5回/12回/20回の平均(average of を略して ao と示される場合は、最速・最遅を抜いたものを平均します)記録のうち、最も速い記録を並べたものになります。先頭は最も速い 1回、つまり最速記録になります。

平均 8分、最速 5分くらいを気軽に目指していましたが、まだ遠いようです。「どう解いたらいいか」を迷うようではまだまだですね。

いろいろ見つけた手順が、意外と使い物にならないのも残念でした。ただ、最後に 3つの入れ替えが残った場合は 2x2x2 での移動手順を駆使して、

左下・右前下三点移動(手順としては上前下対角 一三平行 上前下対角 一三平行)
Wheel3RotateL23R3'.jpg
[e- t e- n2 e t- e {e (t- + t- –) e2 (+ t – t-) e2 t2 e- } ]^2
/ [R' U R' B2 R U' R { R (U' G U' G') R2 (G U G' U') R2 U2 R' }]x2

に持ち込むのは有効のようです。

スクランブルについては 2x2x2 のものを流用しています。面を廻したら、それが時計廻しだったら隅歯車も時計回りに、反時計廻しだったら、隅歯車も反時計回りに廻します。tribox コンテストの 2x2x2 スクランブルはどうも 180°回転をスクランブル中に 3回含むようなので、1つめと 3つめは ++、隅歯車を時計方向に 120°x2 廻し(以前もお話ししたように、これは隅歯車を反時計回りに 120°廻すのとは結果が異なります)、2つめは ––、隅歯車を時計方向に 120°x2 廻すのでいかがでしょう?

たとえば、その先週の TORIBOコンテストの 2x2x2 の第一試技は
U' R U2 R' U' R' U2 F R' F U2
なので、隅歯車の回転を加えると
U' – R + U2 ++ R' – U' – R' – U2 –– F + R' – F + U2 ++
となります。
その結果は
Sc21L4a.jpg

となりました。背面は表しにくいので右下隅に、前から透視した形で示しています。

割と廻しやすいスクランブルとは思いましたが、詳細を説明するのはまた次回にとさせてください。

posted by じゅうべい at 14:56| Comment(0) | 歯車

2021年07月23日

David Gear 8:手順のまとめ

デビッドギア、David Gear's cube
DavidGear左黄右列青白.JPG DavidGear歯車小回転.JPG
の試し解きをすると言いつつ、できてないことが続いていて申し訳ありません。ちょっと時間がないので、試し解き前の手順のまとめでお茶を濁させていただくことにします。

回転記号はいつも通り、島内先生の S式に由来した J式表記で、
DavidGearNoteETS'.jpgDavidGearNoteWNB'.jpg
歯車以外は普通の 2x2x2 として、左図の t (WCA表記で U), e (WCA表記で R), s (WCA表記で F)、中央図の w (WCA表記で L), n (WCA表記で B), b (WCA表記で D)で、それぞれ、反時計廻しをする場合は"-"を本来は肩付きで表記しますが、このブログでは肩付きを利用出来ないのでそのままで示します。できるだけ、WCA表記をカッコ書きか / のあとに併記しようと思います。

DavidGearNoteGear'.jpg
歯車の回転については、一面分(120°)時計廻しを "+"、反時計廻しを "–" で表すことにします。e – と e- が全く異なる(一つめが右面時計廻しのあと歯車を反時計廻し、二つ目が右面を反時計廻し)ので、どうぞご注意を。世間ではこの隅歯車回転を、時計廻しは G、反時計廻しは G' で表しているようです。

隅歯車合わせ:
Guimond なら、対面色を底面に三つ揃えて V を作り、上面が Guimond で解ける状況にあればそれで解けば良く、OLL で解ける向き(全て上向き, U, T, L, S, aS, H, Pi のいずれか)になっていたら、底面の揃ってない隅が”底面を向かない方向”に歯車を廻したら解けるようになります。そこからもう一度、今度は普通に 2x2x2 として解きましょう。

なんとなく一隅以外を揃えてしまった場合は こちら をご覧ください。まとめに再掲載するにはやや長めの手順でした。

以後、面歯車の位置を時計象限で示すことが多々あります。第一象限は時計の文字盤で 12〜3時、第二象限は 3〜6時、第三象限は 6〜9時、第四象限は 9〜12時の範囲を示すと言うことでお願いします。第一・第三象限を一三象限、さらには”一三”などと略することも多々ありますが、まとめということでご容赦を。きちんとした表記・説明についてはそれぞれの該当ページをご覧ください。

基本:
Basic1wheelMove'.jpg
縦(左右以外)一昇り三降り:e + e- – / R G R' G' / 縦一降り三昇り:+ e – e- / G R G' R'、
縦二昇り四降り:+ (e + e- –) – / G (R G R' G') G' / 縦二昇り四降り:+ (+ e – e-) – / G (G R G' R') G'

1. 左右面内二四象限交換(以下、面内)
WheelEx1Face'.jpg
(t + t- –) e2 (+ t – t-) e2 / (U G U' G') R2 (G U G' U') R2

2. 左右一三象限平行交換(以下、一三平行)
WheelExLR13Para.jpg
e (t- + t- –) e2 (+ t – t-) e2 t2 e- / R (U' G U' G') R2 (G U G' U') R2 U2 R'
(e ( ) e- の共役を無くせばクロス平行、w ( ) w- の共役なら二四平行)

3. 三面交換手順(以下、三面)
WheelEx3FacePara.jpg
e2 (t2 + t- –) e2 (+ t – t-) e2 t- e2 / R2 (U2 G U' G') R2 (G U G' U') R2 U' R2

4. 二面交換
WheelEx2FaceDown.jpg
二面降り:e t2 + t- – e2 + t – t- e2 t- e- / R U2 G U' G' R2 G U G' U' R2 U' R'
(– ( ) + 共役で二面昇りに)

5. 対面交換
WheelFaceEx.jpg
5-1: t + t + t + t / U G U G U G U
5-2: (t2 + t2 –)(t2 – t2 +) / (U2 G U2 G')(U2 G' U2 G)

6. 前上半円上げ
WheelFrontHalfCircle'.jpg
+ (e ++ t2 –– t2 e-) – (t + t + t + t) / G (R G G U2 G' G' U2 R') G' (U G U G U G U)

7. 前上・下奥二面二の字交換
WheelFaceExAdj.jpg
+(e ++ t2 –– t2 e-) ++ (e ++ t2 –– t2 e-) / G (R G G U2 G' G' U2 R') G G (R G G U2 G' G' U2 R')

8. 全面時計廻し:+++ / G G G, 全面反時計廻し:––– / G' G' G',全面対角交換:++++++ / G G G G G G
それぞれ、3+, 3–, 6+ (3G, 3G', 6G) と略記

9. 左右上奥交換(右一左四&前下交換, 手順としては、下前 一三平行 下前)
WheelExL4R1_F23.jpg
e s- e n2 e- s e n2 e2 { e (t- + t- –) e2 (+ t – t-) e2 t2 e- } e s- e n2 e- s e n2 e2
/ R F' R B2 R' F R B2 R2 { R (U' G U' G') R2 (G U G' U') R2 U2 R' } R F' R B2 R' F R B2 R2

10. 右前上-左前下交換(右四左二&前対角交換, 手順としては、下前 三面 下前)
WheelExL2R4_F24.jpg
e s- e n2 e- s e n2 e2 { e2 (t2 + t- –) e2 (+ t – t-) e2 t- e2 } e s- e n2 e- s e n2 e2
/ R F' R B2 R' F R B2 R2 { R2 (U2 G U' G') R2 (G U G' U') R2 U' R2 } R F' R B2 R' F R B2 R2

11. 左奥上-前右下交換(左四前二&右対角交換, 手順としては下前 面内 下前)
WheelExL4F2_R24.jpg
e s- e n2 e- s e n2 e2 { (t + t- –) e2 (+ t – t-) e2 } e s- e n2 e- s e n2 e2
/ R F' R B2 R' F R B2 R2 { (U G U' G') R2 (G U G' U') R2 } R F' R B2 R' F R B2 R2

12. 前左上-右奥下交換(前四右二&左対角交換, 手順としては上前下対角 面内 上前下対角)
WheelExL24_F4R2.jpg
e- t e- n2 e t- e  { (t + t- –) e2 (+ t – t-) e2 } e- t e- n2 e t- e
/ R' U R' B2 R U' R { (U G U' G') R2 (G U G' U') R2 } R' U R' B2 R U' R

13. 左前面 対角交換(手順としては上対角下前 三面 上対角下前
WheelExLF24.jpg
e b- e n2 e- b e- { e2 (t2 + t- –) e2 (+ t – t-) e2 t- e2 } e b- e n2 e- b e-
/ R D' R B2 R' D R' { R2 (U2 G U' G') R2 (G U G' U') R2 U' R2 } R D' R B2 R' D R'

13. 前下・右上交換(手順としては上対角下前 一三平行 上対角下前)
WheelExRupperFlower.jpg
e b- e n2 e- b e- { e (t- + t- –) e2 (+ t – t-) e2 t2 e- } e b- e n2 e- b e-
/ R D' R B2 R' D R' {  R (U' G U' G') R2 (G U G' U') R2 U2 R' } R D' R B2 R' D R'

14. 前上・右下交換(手順としては上前下対角 二四平行 上前下対角)
WheelExRlowerFupper.jpg
e- t e- n2 e t- e { w (t- + t- –) e2 (+ t – t-) e2 t2 w- } e- t e- n2 e t- e
/ R' U R' B2 R U' R { L (U' G U' G') R2 (G U G' U') R2 U2 L' } R' U R' B2 R U' R

15. 左下・右前下三点移動(手順としては上前下対角 一三平行 上前下対角 一三平行)
Wheel3RotateL23R3'.jpg
[e- t e- n2 e t- e {e (t- + t- –) e2 (+ t – t-) e2 t2 e- } ]^2
/ [R' U R' B2 R U' R { R (U' G U' G') R2 (G U G' U') R2 U2 R' }]x2

16. 前二左二右四 三点移動(手順としては上対角下前 面内 上対角下前 クロス平行)
Wheel3RotateF2L2R4'.jpg
e b- e n2 e- b e- { (t + t- –) e2 (+ t – t-) e2 } e b- e n2 e- b e- { (t- + t- –) e2 (+ t – t-) e2 t2 }
/ R D' R B2 R' D R' { (U G U' G') R2 (G U G' U') R2 } R D' R B2 R' D R' { (U' G U' G') R2 (G U G' U') R2 U2 }

列挙するとこれだけ膨大になるのですね。一部削ってこの量です。驚きました。どれがどれほど有用となるかは、実際に試しに解いてみないと分かりませんね。私もいろいろと試してみようと思います。

posted by じゅうべい at 12:09| Comment(0) | 歯車