J式4x4x4 で試し解きをしていなかったのでやってみましょう。上面以外は一般的な解法と変わらないので、エッジペアリングが終わったところから試してみます。
恐れ多くも、世界王者 セバスチャン=ワイヤー Sebastian Weyer が 2018年の平均世界記録 22.27秒を打ち立てたときの最遅だった第4試技、カットされた 29.14秒のものを取り上げます。絶好調の世界王者ですら、ダブルパリティーがあれば大変だという良い例ですね。CubeSolves にはこれらの様々な記録を掲載してくれていて、本当に有り難いと思います。
いちおう、いつもの J式回転記号について再掲しておきます。

その面を正面に持って時計方向に 90°廻すことを基本とし、反時計方向に回す場合は "–" を、180°回転では "2" を添えます。
内層を廻す場合は j を、外層と内層を同時に廻す場合は & を添えます。
併せて示す WCA表記では内層回しは小文字で、複数層廻しは w を添える表記を用います。反時計廻しは " ' "で示します。
中層廻しは、傀儡魔方2で用意した物を用います。WCA表記の M が m、E が q となります。
WCA表記の S は傀儡魔方2 で p で示しましたが、4x4x4 では J式では使わないので示していません。
一応、スクランブルも載せておきましょう。そのサイトでは二層廻しを小文字表記していますが、w を添える形に直しておきます。
L' U2 R2 F' U R' U2 R' U2 D' B L2 R2 U2 B D2 B2 L2 F' D2 R2 Rw2 F' U2 Rw2 D F' U2 Fw2 B' Rw2 U' B Rw' B U L2 U2 Fw' R2 U Rw2 Uw' L Uw' Rw2
エッジペアリングまで済ませた王者は以下をこのように解いています。三層廻しは "Rt" で、内層回しを小文字(J式の Rj を r)で表記するように書き換えました。
U Rw U2 x Rw U2 Rw U2' Rw' U2 Lw U2 Rw' U2' Rw U2 Rw' U2' Rw' // Oparity
U Rt U' Rt' U' L U F U' L' // OLL
U Uw2 Rw2 U2 r2 U2 Rw2 Uw2 // Pparity
R U R' U' R' F R2 U' R' U' R U R' F' U' // PLL
U Rt U' Rt' U' L U F U' L' // OLL
U Uw2 Rw2 U2 r2 U2 Rw2 Uw2 // Pparity
R U R' U' R' F R2 U' R' U' R U R' F' U' // PLL
逆スクランブルして、t (U) すると以下の通りになります。右側は上面奥が見えるようにしたものです。


となります。
四辺反時計 WSE上げ、ダブルパリティーが確定していますが、緑と赤だけに着目すれば、三角反w–始で揃います。
(w– e) n– (w e–) t2 (w– e) n– (w e–) / (L' R) B' (L R') U2 (L' R) B' (L R')
y2 で持ち替えて、
ES隣辺交換E上げですね。ES隣辺交換S上げの逆手順を廻します。
e n {ej2 n2 (ej– t2 ej– t2 n2 ej– n2 ej n2 ej) n2 ej2} n e–
/ R B {r2 B2 (r' U2 r' U2 B2 r' B2 r B2 r) B2 r2} B R'
世界王者の 51手に対して、J式は 8+1+11+18=38手、現実的には私が aS+ の 8手を廻している間に王者はその 51手を廻すでしょうけど、ネタとしては悪くない気がします。
せっかくなのでもう一つ。やはり セバスチャン=ワイヤーが 2017年の平均世界記録 24.01秒を樹立したときの第一試技です。
スクランブルは、やはり二層廻しを w を添える形に直して
D2 B' R2 F D2 L2 F2 B' U2 R' F2 R U R2 L2 B L D' R L' Fw2 L Uw2 R' D U' R D' Fw2 R' F2 D L Fw' R2 Fw2 F' Rw2 Uw L2 Fw Rw B D R
エッジペアリングまで終えた王者は以下のように上面を揃えました。内層回しを小文字で、三層廻しを t を添えて示すのも上記と同様です。
Rt' U2 R U R' U' R U R' U Rt // OLL
Uw2 Rw2 U2 r2 U2 Rw2 Uw2 // Pparity
U R U R' F' R U R' U' R' F R2 U' R' U' // PLL
Uw2 Rw2 U2 r2 U2 Rw2 Uw2 // Pparity
U R U R' F' R U R' U' R' F R2 U' R' U' // PLL
これを逆スクランブルすると以下のようになります。
t– (U') して H–、s– w s w– t2 s2 e– s– e s– / F' L F L' U2 F2 R' F' R F' を廻すと
あらら、これは持ち替えなしで鼓平ですね。横は左から右、縦は前から奥へと移動させる向きに統一した手順にしています。
m2 t m– t2 m t wj2 t2 ej2 t&2 ej2 tj2
/ M2 U M' U2 M U l2 U2 r2 Uw2 r2 u2
最後に t (U) で合わせて完成です。
王者の 33手に対して 1+10+12+1=24手、比べるのは現実的ではありませんが、まぁ J式なら手順が短縮できる場合もある程度に思っていただければ充分です。
負担にならない範囲で(目隠し競技の 818個とか理解できません)、手順を取りそろえておくのは悪くないことかもしれないと思っています。