2020年10月28日

Face-turn Octahedron16:最初の六つ組で辺合わせ

面転八面体、Face-turning Octahedron、
FaceturnOctahedron.JPG
の J式解法での試し解きその1を紹介し終えた後、「どうにかして六つ組を作るときに辺を合わせられないか」と手順を探っていましたが、どうにかまとまってきました。

今後は“六つ組完成後の辺二点交換”が不要になります。15または17手が浮きますね。うっかり発生させてしまったときも、4-2 の反→正の逆手順で戻して、正→正の手順で作り直せば復旧できます。7手で済みますね。

J式の回転記号は以下の通りで、反時計廻しは "-" を(本来は右肩に)つけます。面は大文字で示します。図示できていない真後ろの面の回転は a (面としては A)とします。
FaceTOct_notation'.jpg

上段の正→正は、青の六つ組を揃えるときに、辺が時計回りに白→橙→灰→白の状態から辺を合わせて六つ組を作る場合で、下段の反→正は、辺の並びが正しくない状態から正しい六つ組を作る場合の手順です。

まずは、4-2 から 3手で上面に六つ組を作る手順について。
FTOproc_n-tn.jpgFTOproc_it-i-.jpgFTOproc_nt-i.jpgFTOproc_i-tn-.jpg
正→正:a- i- a- i            a n a n-           n t- i または n a- n-     i- t n- または i- a i

反→正:n- t n                i t- i-                       t i t i-                   t- n- t- n

あまり a・a- 回転は使いたくありませんが、状況によっては已むを得せんね。

5-塁については、
FTOproc_5rui_A.jpgFTOproc_5rui_E.jpgFTOproc_5rui_W.jpg
正→正:n- e / n- e- n      n a / n a- n-         i- a- / i- a i

反→正:n- t- / n t n-        n t- / n- t n          i- t / i t- i-

どれも 5手で上面に六つ組が完成します。また、" / " の前の 2手で 4-2 を作っています。

5-辺 については、
FTOproc_5hen_Eb.jpgFTOproc_5hen_Wb.jpgFTOproc_5hen_Ef.jpgFTOproc_5hen_Wf.jpg
正→正:n- t- / n- e n             i t / i w- i-              n- t / n- e- n         i t- / i w i-

反→正:n- t- / n- e n             i t / i w- i-              n- t / n- e- n         i t- / i w i-

3 手で揃わない 4-2 については
FTOproc_7-42R.jpg          FTOproc_7-42L.jpg
正→正:n- e / n a / n a- n-        i w- / i- a- / i- a i

反→正:n- e / n t- / n- t n          i w- / i- t / i t- i-

どちらも、最初の 2手で 5-塁を作って、そこから 5-塁の 5手手順を廻しているので、その 5-塁の 5手手順で 正→正か 反→正かを調節するようにしています。

再掲になりますが、3手手順と 7手手順の見分け方は、上面に 4 を横向き、背面に 2 を上段に作ったときに、向く方向、というのもなんですが、それが同じ向きなのが 3手、逆向きなのが 7手で揃うものです。

実際に廻しているときには 4-2 の 2 で 4 の 3 をどかしたときに、3-3 にならないものが 7手手順の状態、と判断するのが良いでしょう。

また、一つの面で 2-2 で分離している場合、
FTOproc_2211_s-e-n.jpg   FTOproc_2211_swi-.jpg
正→正:s- e- n                s w i-

反→正:s- n e s- t s         s i- w- s t- s-

FTOproc_2211_nes-.jpgFTOproc_2211_i-w-s.jpg
正→正:n e s-                    i- w- s

反→正:n s- e- n t- n-        i- s w i- t i

これらは判断が難しく、利用できる状況はラッキーでしょうけど、知っておいて損はないでしょう。

六つ組その2についても、辺が正位置の状況と合ってない状況で手順を使い分けたいですね。それはまた次回に。

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posted by じゅうべい at 14:35| Comment(0) | Octahedron

2020年10月22日

Face-turn Octahedron15:試し解き1-2

面転八面体、Face-turning Octahedron、
FaceturnOctahedron.JPG

試し解き、FTO NotesExample 1 の続きです。
L’ U’ R BL F’ R’ L BL’ U B’ D L B’ F’ R’ BR’ BL BR F’ D’ BR’ BL U D’ BR

毎度のことですが、J式の回転記号は以下の通りで、反時計廻しは "-" を(本来は右肩に)つけます。面は大文字で示します。図示できていない真後ろの面の回転は a (面としては A)とします。
FaceTOct_notation'.jpg

全体の持ち替えとしては 一般的な記号 と同様に、
FaceTOct_notation_object.jpg
とし、手前から奥への垂直180°回転を x2、水平180°回転の後に手前の頂点を底面に接するように下げる回転を y2 x-、左から右への180°回転の後に手前の頂点を底面に接するように下げる回転を z2 x-、とします。

加えて、FTO Notes に従い、e 回転の動作で全体を廻すことを eo (o は object?)としますが、六つ組などが揃っていたら、揃っている色がどの面を向くかを併せて表記するようにします。

さて、隅位置・隅向き替えまで終わって、以下の状態になりました。左が正面、右が x2 した図なのは変わりません。

Ex1#6a_PurpleCRotF.jpgEx1#6a_PurpleCRotH.jpg

紫面の辺位置は揃えやすいのですが、あとでも良いでしょう。次は緑・黄の塁合わせなのですが、なんと揃ってしまっていました!スキップです。

続いて、赤橙白灰四面の塁合わせです。いきなり、左前面(W面)前の赤→上面(T面)右前の橙→右前面(E面)上の白の三塁交換が見えますね。
t (n t ((s- i s) ej (s- i- s) ej-) t- n-) t-
三面三塁交換をさらに t () t- で共役しています。

Ex1#7a_RuiWRO.jpgEx1#6a_PurpleCRotH.jpg

続いて y で 120° 水平回転します。
Ex1#7aa_RuiGRO_F.jpgEx1#7aa_RuiGRO_H.jpg

また、右前面(E面)奥の赤→上面(T面)右前の橙→左前面(W面)奥の灰の三塁交換が見えますね。
e w (i- t- ((s n- s-) wj- (s n s-) wj) t i ) w- e-

Ex1#7b_RuiGRO_F.jpgEx1#7aa_RuiGRO_H.jpg
これで赤面と橙面の塁は揃ってしまいました。あとは白塁と灰塁を交換してしまうだけです。wo- y で灰上・緑前にして
Ex1#7bb_RuiWG_F.jpgEx1#7bb_RuiWG_H.jpg
左前→奥上げの三塁交換手順、
(s- i s) ej (s- i- s) ej- で
Ex1#7c_RuiWG_F.jpgEx1#7bb_RuiWG_H.jpg
となります。塁交換手順は背面の図に影響しません。しばらく同じ図を使い回しています。

塁が揃ったので残すは辺だけです。x2 で上右図が正面図になるように持ち替えて、紫面の水平三辺反時計廻し、
(e t- e- t-)^2 で
Ex1#8a_PurpleTri_F.jpgEx1#8a_PurpleTri_H.jpg

黄面・緑面で水平三辺移動があるようなら 1辺しか合わなくても実行したいところですが、今回は既に合ってしまっています。残すは四辺の二組づつの交換ですが、一気に合わせることは難しそうです。y 1/2 x- で黄面を底、紫前、白上にして
Ex1#8b_YellowRback_F.jpgEx1#8b_YellowRback_H.jpg
n- (wj- ej wj) e (wj- ej- wj) e-) n

三辺交換:右→奥の手順を n- () n で共役しました。

Ex1#8bb_GreenRback_F.jpgEx1#8bb_GreenRback_H.jpg

eo to- で緑底・青前・橙上になるように持ち替えて、
Ex1#8c_GreenRback_F.jpgEx1#8c_GreenRback_H.jpg
n (wj- ej wj) e (wj- ej- wj) e-) n-

もう一度、三辺交換:右→奥の手順を n () n- で共役したら完成です。

手数は、
青六つ組 5 + 紫六つ組 9 + 六つ組の二辺交換 15 + 青隅 5 + 紫隅位置 1+9 + 紫隅向き 6
+ 塁:(緑黄 0 + 赤橙白灰 14 + 16 + 8) + 辺 8 + 10 + 10
= 50 + 38 + 28 = 116

FTO Notes の手順を数えてみたら 115手でした。比較してみて悪くないと思います。

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posted by じゅうべい at 12:21| Comment(0) | Octahedron

2020年10月21日

Face-turn Octahedron14:試し解き1-1

面転八面体、Face-turning Octahedron、
FaceturnOctahedron.JPG

手順も出揃ったことですし、試しに解いてみましょう。

毎度のことですが、J式の回転記号は以下の通りで、反時計廻しは "-" を(本来は右肩に)つけます。面は大文字で示します。図示できていない真後ろの面の回転は a (面としては A)とします。
FaceTOct_notation'.jpg

全体の持ち替えとしては 一般的な記号 と同様に、
FaceTOct_notation_object.jpg
とし、手前から奥への垂直180°回転を x2、水平180°回転の後に手前の頂点を底面に接するように下げる回転を y2 x-、左から右への180°回転の後に手前の頂点を底面に接するように下げる回転を z2 x-、とします。

加えて、FTO Notes に従い、e 回転の動作で全体を廻すことを eo (o は object?)としますが、六つ組などが揃っていたら、揃っている色がどの面を向くかを併せて表記するようにします。

まずは FTO NotesExample 1:
L’ U’ R BL F’ R’ L BL’ U B’ D L B’ F’ R’ BR’ BL BR F’ D’ BR’ BL U D’ BR

スクランブルは FTO Notes に合わせて、彼らの言う U面、J式での前面(S)を白、彼らの言う F面、J式での底面(D)を赤で廻しました。

以前にも書きましたが、FTO Notes の色を英語で、ここでの色を日本語で書くと、
White→白
Yellow→緑
Orange→赤
Magenta→青
Sky Blue→紫
Red→灰
Blue→橙
Dark Green→黄
となります。
私は白・緑・青くらいしか比較検討していませんが、ちゃんと廻せたかの確認としては問題なさそうです。

以前もお見せしましたが、写真としてはこんな感じになります。

スクランブルでとにかく混乱しやすいのが、U が前面(S面)、F が底面(D面)、B が上面(T面)になることですね。一般的には Kemi さんのサイト で示される向きが分かりやすいとは思うのですが…。実際の試技では、メガミンクス同様、スクランブルミスがあっても問われないかもしれません。

上記写真は FTO Notes と向きを合わせましたが、30°持ち上げて水平180°回転するより、縦180°回転の方が楽なので、以後はそれを右において図示させていただきます。

Ex1#1_ScrampleF.jpgEx1#1_ScrampleH.jpg

ちなみに、側面の方が明るい色に見えるのは錯視によるものです。この図の灰色でもそれが分かりますが、もっと分かりやすいのは塁三点交換手順の図でした。北岡明佳教授のページ に様々なものがあるので、興味がある方は是非ご覧ください。

それはさておき、まずは青の六つ組から解いていきましょう。私は
s- t n- t- n- で
Ex1#2_Blue6F.jpgEx1#2_Blue6H.jpg
としました。青六つ組の辺が白→橙→灰と正しく並んでいるのはラッキーですね。できた青六つ組を x2 で底面に向き替えて
i- t i- t- s t s t- で
Ex1#3_Purple6F.jpgEx1#3_Purple6H.jpg
紫の六つ組ができました。4-2 からの典型的な手順で合わせられましたね。

残念ながら紫六つ組は辺が白→橙→赤で並んでいるので合わせる必要があります。…最後に辺移動手順で合わせても良いのですけど、二点交換は面倒なので、ここでやっておいてしまいましょう。

合わせる紫六つ組を上面に、合っている青六つ組は背面に、向き替えを手順で表記すると x2 wo- so- となります。
Ex1#3a_PurpleEExF.jpgEx1#3a_PurpleEExH.jpg
n- e s- e- n / s a- / n- t n t- n- / e a- b の上面六つ組二辺交換手順を廻します。
Ex1#4_PurpleEExF.jpgEx1#4_PurpleEExH.jpg
続いて、青の隅を合わせましょう。
t a e a- e- で揃います。もちろん、持ち替えて廻して構いません。
Ex1#5_BlueCExF.jpgEx1#5_BlueCExH.jpg
次は紫の隅です。まずは a- で青面を廻してその列に含まれる紫隅を合わせます。

残る紫の二隅は下と右にあります。反時計移動が必要ですね。前面なので
e n- e w e- n e w- e で
Ex1#6_PurpleCRotF.jpgEx1#6_PurpleCRotH.jpg
となります。

続く二隅向き替え手順は紫面が前面(S面)にないといけないので x (青面が底面に) y2 (紫面が前面に)で持ち替えて、
s i- b n b- i で
Ex1#6a_PurpleCRotF.jpgEx1#6a_PurpleCRotH.jpg
だいぶ揃ってきましたね。

長くなってしまったので、塁合わせ・辺合わせはまた次回に。

posted by じゅうべい at 16:29| Comment(0) | Octahedron