四階面転八面体、Master FTO、
で言えば、全て j の添え字付で廻しています。J式表記に変換すると、
試し解きの続きです。スクランブルは FTO Notes の
Example 1: L’ U’ R BL F’ R’ L BL’ U B’ D L B’ F’ R’ BR’ BL BR F’ D’ BR’ BL U D’ BR
で言えば、全て j の添え字付で廻しています。J式表記に変換すると、
wj- sj- ej ij bj- ej- wj ij- sj tj- aj wj tj- bj- ej- nj- ij nj bj- aj- nj- ij sj aj- nj
(j を抜いてすっきりさせると、w- s- e i b- e- w i- s t- a w t- b- e- n- i n b- a- n- i s a- n)
で言えば x2 した図で、これを毎回併記するようにしています。前回、このスクランブルから翼合わせ・辺入れをして、
にまでもってきました。普段は私は青を上面で合わせますが、せっかくなので上図を x2 して(右図が左に、左図が右に)、青を前面で揃えてみましょう。
s- n e- で 4 を作り、i で 4-2 の形になります。t で 4 のうちの 3 を 2 でどかして、前面に 3 を作り、s t で合わせたくなりますが、青の周囲は時計回りに白→橙→紫が正しい順序なので、それでは合わなくなってしまいます。この場合は、s i / t i- t- が定跡ですね。
できた青の六つ組(FTO での J式呼称です)を下面に wo、つまり w回転をするように全体を持ち替えます。W(左前面)・N(右背面)に人差し指を添えると廻しやすいですね。すると、
赤面がすでに前面に 4(塁x2, 辺x2)まで揃っていますね。この場合はラッキーでしたが、最初と二番目の六つ組を合わせるときには中(センター)まで合わせて揃えてしまうのが良いと思います。t i t- で二つ目の六つ組の5-塁の形になります。

赤面の周囲は時計回りに白→紫→緑が正しい順序なので、今は反転してしまっています。反手順:t- s- / t s t- で、
赤面の六つ組も揃いました。
青隅は二つ入っていて、さらに n- で三つ目も入りますが、位置が合っていませんね。b- n- b- n b- n- で揃えます。さらに b で、
赤隅は時計廻しのみで向き替えは必要なく、助かりました。三隅時計廻し:s- i s- e- s i- s- e s- で、
赤面の辺位置も、赤が上面・青が右前面になるように持ち替えて(左前上と右奥下を持つとくるっと廻せます)、(e t- e- t-)^2 で合わせておきましょう。面をまた戻すと、
の移動が ej n ej- n- でできます。これは Kemi さんのサイトの”隣り合わない 4面を揃える”の手順に相当します。4手手順は楽で助かりますが、他の面に影響が出るので、この四階面転八面体 Master FTO の場合なら、青赤を揃えた後の黄桃においてしか利用できません。
さらに、内層回しは、この四階面転八面体 Master FTO では内層複層廻しで廻さなくてはなりません。e# n e#- n- です。三層廻して最外層の一層を戻すのが良いでしょう。廻し損ないが多発するので注意が必要です。
黄桃面が同時に見えるように、やや下からの視点で示します。正面が E(右下)面となります。桃面を S面(前面)にして、e# n e#- n-、続いて s- n で共役(セットアップ)して再び e# n e#- n-、共役を n- s で戻して、
もちろん、キャンセルが読めたら後半は、s- n (e# n e#-) n s と廻して構いません。
桃面も辺の三点反時計廻しをしておきましょう。桃が上面・白が前面になるように持ち替えて(左前上と右奥下を持つとくるっと廻せます)、(e t- e- t-)^2 で合わせておきましょう。さらに同方向にもう一度廻して、白が上面、赤が前面、紫が右前面になるように持ち替えて、
白紫橙緑面の塁合わせはかつての面転八面体の手順がそのまま使えます。なんと、内層1層廻しで問題ありません。これは廻しやすくてありがたいですね。
この場合は、e- (右前→奥上げ:(s n- s-) wj- (s n s-) wj) e、続いて w (左前→奥上げ:(s- i s) ej (s- i- s) ej-) w- で白面が揃います。eo (e 回転での持ち替え) で、
t- w (左上げ 3点 3面移動:n t ((s- i s) ej (s- i- s) ej-) t- n-) w- t、to-(水平 120°反時計持ち替え)で、
t (右前→奥上げ:(s n- s-) wj- (s n s-) wj) t-、io 持ち替えで黄面を前にして、
三辺移動手順を二回廻すつもりでした。8手の3塁交換手順は ej, wj をそのまま内層1層廻しで廻せますが、辺移動手順は残念ながら内層複層廻し、ej, wj を e#, w# として廻さなければなりません。ミスがないように気をつけて廻しましょう。
ただ、ここから z- (奥上と前下を支えて反時計120°廻し)して、w- のあと、四辺平行交換
(w#- e# w#) e- (w#- e#- w#) e w- (e#- w# e#) w (e#- w#- e#) で辺が合いますね。w で共役を戻して、z で戻して、
最後は 北村暁さんのセンター三点交換手順 の逆移動、s t- (n- sj- n sj-)^2 t s- で完成です。
ともあれ、翼と辺が合ってしまったら、塁 8手手順は内層1層廻しで廻せても、塁 4手手順と辺移動手順は内層複層廻しで廻さなければいけないことさえ気をつけたら、問題なく完成できるでしょう。
すっかり長くなってしまいました。「8月、八面体を廻しましょう」キャンペーンから一ヶ月遅れになりましたが、なんとか9月中にこの四層面転八面体、Master FTO についての記事を終えることができました。お付き合いいただき、ありがとうございました。