先月、娘の小学校の授業参観がありました。終わった後、娘とそのクラスメートと話していたときに、教室のおもちゃ箱?に 2x2x2 とピラミンクスがおいてあるのを見せてもらいました。…3x3x3 は壊れて修理中だそうです。
娘は 2x2x2 は解けるようになっていたのでその場で解いてくれていました。ですが、ピラミンクスについては「どうしたらいいか分からない」、そうでしょうねぇ、ぜんぜん形も回転も違いますから。
ピラミンクスの解法については、かつていろいろリストアップしましたが、現在見ることができるのは、立方体の迷宮,kemi さんのサイト,Jaap氏のサイト,からさわさんの Top first method,Beginner's Polish V の動画,東北大学のサイトくらいのようです。あとはエゲレス語を気にしないのであれば、Ruwix が見やすく分かりやすく、Speedcube.com.au も動画付きで、短くまとまっていました。
ただ、娘は二辺向き替えすら廻そうとしてくれません。スーネ(Sune) も ニクラス(Niklas) も覚えてくれたので、手順を覚える気がないわけではないとも思いますが、”まず手順を示される”という、押しつけられた漢字が嫌なのかもしれません。
で、私もいろいろといじってみたのですが…、”出迎え だけで揃うじゃん”ということに気付きました。子どもって、習得した技術を繰り返すことは苦にしないのですね。教えてみたら、手間が掛かることは一切気にせず、廻し続けて、揃えられるようになりました。
試しにやってみましょう。スクランブルは先週のトリコンのその1、
L' R L' B' R' B R U R' U' B l' b
に、せっかくなので u' r も加えてみました。ピラミンクスの回転記号については、こちらの kemi さんのサイトをご覧下さい。
底面を見やすい向きに、とこの向きにしてしまいましたが、結局は底面を下向きで解いてしまいました。どうぞご容赦を。
単独で廻る小さな三角錐を頂、それに隣接する部分を隅、稜線の中央にある二色の小片を辺と呼びます。
まずは頂を隅に合わせましょう。これは考えずにできると思います。
続いて、隅も三つとも同じ向きになるように向けましょう。二つが合っても三つ目を合わせられない場合は別の向きに向けてみましょう。
この場合は、左隅を前から奥へ、奥隅を左から右に廻すと揃いますね。
たまたまですが、底面に黄が揃いました。辺も底面に入れていきましょう。黄を入れる箇所は三箇所あるので、黄でない色が並んでいる稜線に入れるように気をつけましょう。
入れ方は 出迎え と同様で、避けて→ 迎えに行って→ 合わせて→ 戻す、が一連の手順となります。ただ、ピラミンクスではすでに最初の”避けて”ができしまっている場合が多いですね。
この場合も、まず黄赤を入れてみます。すでに避けられているので、奥を左から右に廻して迎えに行って
上を反時計廻しして合わせて(矢印が見にくくてすみません)、
奥を右から奥に廻しして戻します。
これで黄赤の辺が入りました。続いて黄青、これも前を右から左に廻して迎えに行き、
上を時計廻しして合わせて、
前を左から右に廻して戻します。
最後の黄緑も、前を左→右で迎え、上時計廻しで合わせ、前を右→左で戻します。
上面を反時計廻しして、
青・赤・緑の隅も揃いました。
一般的な解法では、ここで様々な手順を紹介し始めますが…、この解法では持ち替えます。青面を下にしてみましょう。
青緑の辺がありますね。これを底面に入れます。今回は“避ける”が必要になりました。上図のように上面を時計廻しして避けて、
あとはいつも通り、左を手前に回して迎えに行き、上面を反時計廻しして合わせ、左を前から奥に廻して戻します。
今度は青赤、上の右の図のように上面を時計廻しして避けてから、前を左→右で迎え、上を反時計廻しで合わせ、前を戻します。
あらら、また黄が崩れてしまいましたね。また黄を下面に持ち替えて、
まずは黄赤の辺を、避けて、迎えに行って、合わせて、戻します。
続いて黄緑の辺、これも迎えに行って、合わせて、戻します。
あとは上を反時計廻ししたら完成です。
合わせる面は、今回の黄→青→黄にこだわる必要はなく、どの面を用いても構いません。
もっと簡単に揃う場合も多いでしょうし、これ以上の手順が必要になることも多いでしょう。
ですが、この方法なら使う手順は出迎えのみ。これらのパズルを解く上で、感覚的に理解しやすい手順だと思います。
実際、娘もこの方法でピラミンクスを揃えられるようになりました。崩してもすぐに戻してしまいます。分かってしまえば、2x2x2 より取っつきやすいパズルかもしれません。
もちろん、このピラミンクスを高速で解くのなら、様々な技法を駆使した上で、さらに指と判断の修練が必要になることでしょう。ただ、“解けた!”という実感を味わえることは、子どもだけでなく、大人にとっても貴重な体験になると思います。
分かってしまえば気軽に解けるこのパズル、ぜひ多くの人に楽しんでもらえればと思います。