2023年08月24日

ペンローズピラミンクスの紹介

前回の記事で、コメントを頂いたことを紹介した中国の jjuudydy さんからさらにコメントを頂いてしまいました。今度は日本語に訳されているので(お手数をおかけします)、文字化けがなくて、読みやすくて良かったです。

それにしても、Super Z, 2x2x2&Skewb購入した記事についてのコメントで紹介されていた、正六面体転角転面魔方解法彙總、つまり、2x2x2 および 3x3x3 にスキューブやダイノキューブのような、隅を軸とする回転も加えられたパズルの手順について、これでもか、というくらいに図説されていました。彙總で”まとめ”だそうです。いや、本当にすごいですね。「どこで売ってるの?」という世界ですが、そのうちの Compy Cube については TwistyPuzzle.com という、この手のパズルがこれでもかというくらい博物館的に紹介されているサイトにあることが示されていました。すさまじすぎて、もうついていけません。

この博物館サイトで紹介されているパズルで一番すさまじいのは、やはり 1x2x50 でしょう。作成された実物の画像があるだけでもびっくりです。その作成者は Grégoire Pfennig さん、ああ、33x33x33 を作っちゃった人ですね。コンピューターでの設計の様子も興味深く、製作(何か鍋で煮ていました)と組み立て作業の様子も面白かったです。パーツ数が 6153個、廻すだけでも大変そうでした。ギネス記録としての認定員が来ている場面には「あ、本当にギネス認定されたんだな」と納得しました。本当に世界にはすさまじい人がいろいろいることを改めて実感させられますね。

さて、ペンローズキューブと一緒にペンローズピラミンクス、tribox では Rounded Pyramid という名称で売られているパズルも購入していました。
PenrosePyraminx_wBox.JPG

箱には”円角金字塔 黒麒麟”とありますね。ピラミンクスの回転記号でいう R を廻すと、

RoundedPyramid_e-.JPG
となります。

カチカチいいながら廻りますが、回転はとてもスムーズです。

ただ、このパズルはペンローズキューブと違って「パリティーを工夫して解く」楽しさが感じられなかったのが残念でした。普通にピラミンクスとして、V字→ L4E で解けてしまうのです。

たとえば、先週のトリコンのピラミンクスのスクランブルその1:

L B R L R' L B U B' L U' r' b
PenrosePyraminx_Scr23L07a.JPG

ピラミンクスの J式回転記号を再掲しますが、
Pyra_notation.jpg
(WCA表記ならそれぞれ、n→B, e→R, w→L, t→U)

頂点を直した後は、n- w n w- n- (B' L B L' B') で
PenrosePyraminx_Scr23L07a2.JPG

上時計 の形ですね。t のあと、e- w- t- w t e (U のあと、R' L' U' L U R) で完成です。

簡単になったピラミンクス、以上の印象がなくって…、ごめんなさい。

同じスクランブルを、n t- n- w- n- t (B U' B' L' B' U) で V字を揃えることもできます。
PenrosePyraminx_Scr23L07a2'.JPG

t (U) のあと、前反時計・右奥、t w- t w t- e t e- (U L' U L U' R U R')
で完成してしまいます。…こちらはややマニアックな手順ですね。

ピラミンクスを日頃から楽しんでいる方々なら、このパズルも、一風変わった感じで楽しめるのかもしれませんが、私は

「これなら普通にピラミンクスを廻してるので充分」

と思ってしまいました。

興味がある方にはお譲りしたいと思います。私はまだまだ大会にもオフ会にも出向けない状態で、直接お目に掛かることは難しいので、コメント欄に連絡をいただければ検討します。


posted by じゅうべい at 14:19| Comment(0) | ピラミンクス

2022年12月13日

ピラミンクス、廻すのが難しいですね


Pyraminx_tanoc さんはトリコンピラミンクスのーズンランキングで現在 15位、猛者ですね。昨年のアドカレの、Curvy Starminx についての記事も秀逸でした。12/7 のツイートが、もし私の、アイコサメイトの自己ベスト 17分46秒70 についてのエールであったのなら、ありがとうございます。そこにあった一連の文はおそらく『あひるの空』、懐かしいですね。『HUNTER×HUNTER』のように連載が再開されることを心待ちにしています。

あ、素数かどうかの判定は素数判定機がお勧めです。一時期はマイナンバーが素数かどうかを判定することが流行ったとか。素数大富豪についてはこちらの記事が分かりやすそうです。素数大富豪についての青春小説『QK部 トランプゲーム部の結成と挑戦』も出版されましたね。ちなみに、トランプ二枚で出せる最大の素数は Q と K を並べる 1213、というのがその小説のタイトルになっています。

それはさておき。

ピラミンクスの指使いについて示していただけたのはめちゃくちゃありがたかったです。私は動画を見てもまるで目がついていかないので。うん、確かに上段廻しに使う人差し指を、奥廻しにも使うのは持ち替えが発生して遅くなるだけですね。頑張って薬指(左右)で廻せるようにします。

頂点については、”パズル要素としては皆無でも、競技としては重要”というのは納得させられました。なるほど、その通りですね。そこをうまく廻すところまで練習してこその強者なのでしょう。

L4E について、CubeRoot さんのサイトはコンパクトにまとまっていますね。スキューブスクエア1についての記事も面白そうなのですが、見ただけでは難しく、ちゃんと廻してみないと分からなそうなのが残念です。私は網羅してある方の、Michael Gottlieb さんのサイトを参考にして、そこから上段廻しをした 41手順で廻しています。オリジナルの 96手順は覚えるのが大変ですが、41手順ならどうにかなる気がしています。

私の集計結果では、約500回分しか記録が残っていませんが、L4E のうち、前時計 25%, 前反時計 20%, 十字 28% なので、まずは前時計・前反時計の 4手手順から覚えていくのが良いと思います。前時計・前反時計の差はスキューブ同様におそらく統計的に有意である気がしていますが、どなたかが検証してくださることを楽しみにしています。

試し解き (example solve) もありがとうございます。ただ、私はもはや別の色配置では解けない体になっていて、その1から「何を言われているか、全然分からない」状態に陥りました。CN (color neutral, 最適な色配置で解く)だと V字作りが必ず 5手以内に、普通は 4手以内にできるんでしたっけ?すみません、無理です。私はもう、黄底 緑前でしか解けません。いちおうそれでも、V字は 9手以下でできます。

CS (color stable, 色固定、なんて用語はありませんが…) だと、緑黄が追っかけやすいので、V字を読みながら L4E が多少読めたりもします。下前に来るはずの緑黄が上段に来るのなら、もう一つ揃う辺はないのか、あったらそれを奥に合わせて前時計・前反時計、ないなら十字と読めます。下段に来るなら上時計・上反時計、緑黄の向きまで読めたら、さらに手が絞れます。

ともあれ、速い方の文字での記事は本当に勉強になります。…動画を見るのが苦手なので。せっかくなので、試し解きを繰り返し廻してみて、勉強させていただこうと思います。

posted by じゅうべい at 12:45| Comment(0) | ピラミンクス

2022年10月07日

ピラミンクス L4Eの出題

目隠し競技で著名な望月シンジさんのツイッターで、ピラミンクスの L4E についての出題を見ました。


これを解かないと溺れさせられるってかなり過酷な状況ですね。

日本でも数少ない(本当に?) L4Eerとして、ちょっと解いてみましょう。

相変わらずですが、J式ピラミンクスの回転記号は以下の通りです。もちろん、廻すのは頂点ではなく、面に対して頂点寄りの部分です。
Pyra_notation.jpg
(WCA表記ならそれぞれ、n→B, e→R, w→L, t→U)

私は色弱なので自信が持てませんが、スクランブ規則通りの、黄底・緑前、つまり右青左赤でよろしいでしょうか?

(左から順に数えて)その1:
Mochizuki221006a.jpg

望月シンジさんも次のツイートで「これ、一番要素が簡潔で悪意すらある画像だよな (改行)実際は、フリップの位置とかもう少し判断材料あるは」と仰っていますが、他の小片も着色すると一気に分かりやすくなりますね。

t- (U') で 十字・替えなし:t e t- e w e w- (U R U' R L R L')、最後に t (U) を廻して完成です。

黄が底面になくて浮いていたら、前時計・前反時計・十字の三択ですが、そのときに奥について、向きはともかく位置が合っているかどうかを最初に確認しますね。上隅の奥が赤青で奥の辺が緑赤の時点で十字が確定します。t- (U') を廻すときに赤の辺が上隅と揃っている、つまり向き替えがないのが分かるので、奥に廻った黄が右に面している時点で十字・替えなしが確定します。下辺にいる青については考える必要はありませんね。

(左から順に数えて)その2:
Mochizuki221006b.jpg

これも他の小片が着色されていれば簡単ですね。奥に黄があって左右の全面が緑なので十字、奥にいる黄が左面を向いているので、十字・下奥:t- w- t w- e- w- e (U' L' U L' R' L' R)、これは上段合わせもなくそのまま完成させられます。

(左から順に数えて)その3、上段では左から2つめ:
Mochizuki221006c.jpg

これは他の要素がないと判断は厳しいですね。右の赤青が上隅と位置が揃っていて向きが反転していることに気がつけば、t- (U') してからの前時計であることは判断できます。その t- (U') で上隅の赤は正位置となるので、下にある赤は反転が必要となります。つまり、前時計・下奥:t- w- t n- t n w t- (U' L' U B' U B L U')、最後の上段合わせの t- (U') も必要ですね。判断できれば、最初の t- t- をキャンセルで t (U) で始められますが、おそらく私にその余裕はないと思います。

(左から順に数えて)その4、上段で左から2つめ:
Mochizuki221006d.jpg

黄が奥にあり、左右の辺とも上隅と位置が合っていないので、十字と判断するのは簡単ですね。左右の辺の向きが上隅前面と合っているので、左右の向き替えはなし、奥も黄が右を向いているので 十字・替えなし:t e t- e w e w- (U R U' R L R L')、最後に t (U) を廻して完成です。

これが、状況としてはその1と完全に同じなのに、ぱっと見では全然違うように見えるのがピラミンクスの楽しさですね。

(左から順に数えて)その5、上段で左から3つめ:
Mochizuki221006e.jpg

これも他の小片の着色があれば簡単ですね。右の赤緑が上隅と位置も向きも合っているので t- (U') して、黄は右から下に下がるので時計、下と左の辺の前面の色は上隅前面と同じ青なので、計・替えなし:w e- w- e2 t- e- t (L R' L' R2 U' R' U、'22.9.23 に現行手順に表記を変更しました)、の最後の t (U) は廻さずに完成です。

(左から順に数えて)その6、下段で左から3つめ:
Mochizuki221006e.jpg

これも他の小片の着色があれば簡単ですね。奥の青緑が上隅と位置も向きも合っているので上段廻しは不要、ということは、浮いている黄は右から下に下がるので時計、上隅前面と同じ赤なのは左だけなので、計・右下:e- w e w- (R' L R L')、最後に t (U) を廻して完成です。

私はこのように判断して廻しますが、望月さんはピラミンクスもかなり速い方なので、もっと違う判断基準をいろいろとお持ちなのでしょう。いつか、お目に掛かっていろいろと伺ってみたいものですね。

まぁ、速い方は目も頭も指も廻りの速さが違うので、私は参考にすることはできないかもしれませんね。北村暁さんの面転八面体(Face-turning Octahedron, FTO)の 50.58 とか、私には理解できません。ただ、どうも手数的には J式 面転八面体 と変わらない気もしています。Benpuzzle さんの FTO Notes での手数と比較したときにも、ちょっと J式の方が多い程度でしたし。

SuperZ 2x2x2+Skewb、中国語では 二階斜転、
SuperZ_turn222.JPG SuperZ_turnSkewb.JPG
についても、「最初の二回捻りくらいだけでも Superantoniovivaldi さんのやり方で揃えれば速いのでは?」と試してみたのですが、めちゃくちゃ判断が遅くなって、それだけで 5分以上掛かってしまったりしたので断念しました。視覚野に入った情報をどう判断するかが、世間の人とはいろいろかけ離れているように感じます。「単なる練習不足じゃない?」と言われてしまったらそれまでですが…。

この SuperZ の新手順をいろいろ思いついているのですが、実戦で検討中なので、詳細はまた次回に。

ちなみに、望月シンジさんがリツイートしていた「なんでWikipediaには「薔薇を飛ばして攻撃するフィクションの登場人物一覧」の記事がないんだよ!こういう時のためのWikipediaじゃないのかよ!」については、ピクシブ百科事典の利用をお勧めします。ウィキペディアよりもさらにアニメ・漫画・ゲームなどの情報に特化しており、私もよく「○× ピクシブ」などで検索しています。

ただ、ピクシブ百科事典での薔薇の項目に記載されている人物にはやや抜けが多く、確かに『魁!!男塾』の黒薔薇のミッシェルや『Go!プリンセスプリキュア』のキュアフローラの必殺技のプリキュアローズトルビヨン、ソードアート・オンラインインテグラルファクター(SAOIF)の青薔薇の剣士 ユージオ、パニシング:グレイレイヴンに登場する”薔薇の執事”などもありませんね。数が多すぎて、把握できないものなのかもしれません。

私としては『仮面ライダー555(ファイズ)』のラスボス、ローズオルフェノクは懐かしかったですね。大学院時代の同じ研究室の同期が絶賛するので見るようになり、月曜の朝は実験の準備をしながら、二人で日曜に見た内容で盛り上がっていました。たぶん先生達にはあきれられていたと思いますが、今となっては いい思い出ですね。大学時代の友達は一生ものなので、ぜひ大切にしていただきたいと思います。

posted by じゅうべい at 11:54| Comment(0) | ピラミンクス