2020年04月30日

ルービッククロックを解くその2

ルービッククロックの解法について、せっかく図を作ったのでもう一回くらい書いてみたいと思いました。ラッキーケースの活かし方を紹介したいと思います。

スクランブルは csTimer が出してくれたものです。
UR4- DR3+ DL5- UL4+ U1+ R0+ D3+ L2+ ALL0+ y2 U4+ R4+ D2- L5+ ALL3- UR DR UL

Clock#2a.jpgClock#2b.jpg

左が表、右が裏、ボタンは黒が上がっていて、白が下がっている状態を示します。これだけ揃っていると「いいタイムを出さないと」と逆に緊張してしまいますね。

まず裏から解きます。ダイヤル移動量が少ない上辺より、向きが揃っている左辺と下辺に UR -4 で一気に合わせたいですね。これは完全に揃っていなくても 1ズレくらいなら狙っていって良いでしょう。

Clock#2b-1.jpg

前回同様、廻したダイヤルを破線で示します。

あとは上辺→右辺→全部の順に DL +2, L +5, ALL +1 で合わせればこの裏面は終了です。最後の 12時合わせのダイヤル回転量が少ないのもいいですね。

Clock#2b-2.jpgClock#2b-3.jpgClock#2b-4.jpg
このとき表面は以下のようになっています。

Clock#2c.jpg

上辺・右辺・下辺の針の向きが揃っていてラッキーはラッキーなのですが、残念ながら一度の操作では合いません。右辺&下辺に合わせたあと、上辺と合わせましょう。ダイヤル回転量も少なめで助かります。UL -1, DR -1 ですね。

Clock#2c-1.jpgClock#2c-2.jpg

左辺の向きも合わせやすくて助かります。R +2 ですね。

Clock#2c-3.jpg

私は右上のダイヤルの時計廻しが苦手です。反時計廻しは、押し込むように滑らせながら廻すことが問題なくできるのですが。それもあって、下を右手親指で廻すことが多いですね。上のダイヤル、左右どちらでも構わない場合は左上を左の人差し指で廻します。右手で盤を持ってアシストするのがやりやすいような気がしています。

さて、隅合わせに入りますが、なんと左上隅は既に揃っています。右上と左下は 1時間違うだけ。これは対角合わせをしたいですね。DR UL -4, DR DL UL -1 です。

Clock#2d-1.jpgClock#2d-2.jpg

DLボタンはちゃんと薬指で押し上げたいものですね。ダイヤルを廻すのが左人差し指なのを変えずにすむのも助かります。

あとは UR DL UL -5, ALL +6 で完成です。最後の +6 は左上を左人差し指で +4、廻し切れない分を右上を右人差し指で +2 とかしてしまいました。もっと廻しやすいクロックが入手できたら違ってくるのでしょう。今は修練するしかありませんね。

ルービッククロックは簡単で、修得しやすいパズルではありますが、謎の中毒性があります。ぜひ楽しんでいただけたらと思います。




posted by じゅうべい at 10:20| Comment(0) | ルービッククロック

2020年04月28日

ルービッククロックの解法

ルービッククロックの解法について、Stefan Pochmann氏のサイトを見つけてしまいました。これを見ていただければ充分でしょう。何も言うことはありません。ボタンを押す指についてまで言及されています。日本語ではありませんが、図を見れば問題なく理解できます。

ただ、せっかく絵まで作ってみたので一通り説明してみようと思います。…文字盤のKは読めませんね、すみません。

Clock.jpg

Pochmann氏も言っていますが、表面・裏面のどちらから解いても構いません。私はスクランブルを表→裏とするので、裏から解いて表で終わると、そのままの面でまたスクランブルができるのが便利と感じています。

中央以外の十字をなす時計を辺、ダイヤルと接している時計を隅と呼びます。他のキューブ系パズルと一緒ですね。

解く順番は、裏面の辺→表面の辺→表面の隅、の順になります。Pochmann氏も言っている通り、裏→表の向き替え(WCAの規則ではy2)は左→右もしくはその逆で、Kが上にある状態を変えてはいけません。手前を奥に持っていくように向き替えをしてはいけない、ということですね。

Jaap氏のサイト立方体の迷宮では解きながら水平方向に回転させていきますが、これもPochmann氏も言っている通り、推奨されません。基本的に、持ち替えは面の裏返しのときのみです。記録を出している動画などでも競技者はそうしていますね。

Pochmann氏はボタンの押し方についても言及しています。押し込みは親指、押し上げは上二つは中指、下二つは薬指、人差し指はダイヤルを廻すのに使います。私は上二つのダイヤルは人差し指で廻しますが、下二つのダイヤルには親指を使っています。この辺は好みもあるでしょうね。

csTimer が出してくれたスクランブルを例として解いてみましょう。

UR2- DR3- DL2+ UL5- U3- R6+ D3- L1- ALL5+ y2 U2+ R2- D1- L5+ ALL1+ UR DR DL

WCA の規則にもありますが、全部のピンが下がった状態から、指定されたピンを押し上げてそれに隣接するダイヤルを廻してまたピンを押し下げることを繰り返します。

Clock#1a.jpgClock#1b.jpg

左が表、右が裏になります。ボタンは黒が上がっていて、白が下がっている状態を示します。まず裏の辺から解きます。

どこでもいいので、中央と辺の針の向きを合わせます。上辺が 1つずらすだけで合いますね。その場合は上が回らないピンの配置、右下か左下、もしくはその両方を押し上げ、その他のピンは下がった状態にしてダイヤルを廻します。

この場合は左辺は動かしたくないので右下だけ押し上げて右下ダイヤルを +1廻します。+ が時計方向、- が反時計方向を意味するのはWCAの規則の通りです。すると以下の通りになります。

Clock#1b-1.jpg

廻したダイヤルを点線で表記しました。

次は中央と上辺を同時に左辺と合わせたいですね。右上もしくは右上と右下のボタンを押し上げて +1廻します。この場合は下辺も廻ってくれた方がその次に廻す量が少なくてすみます。右の上下のボタンを押して廻すことにしました。すると以下の通りになります。

Clock#1b-2.jpg

中央と上辺・左辺の針の向きが合いましたね。この形は特徴的なので覚えておきましょう。このとき、揃っている三つの時計の中央のボタンを押し上げ、残りのボタンは下げ、残りの辺のどちらかと合わせます。この場合は下辺がダイヤルの量が少なくて楽ですね。UL -2 を実行します。

Clock#1b-3.jpg

揃っている四つの時計の間のボタン、左上と左下を押し上げて -4 廻すと、残った右辺と針が合いますね。

Clock#1b-4.jpg

全部のピンを押し上げてダイヤルを廻して全ての辺の針を 12時に合わせます。

Clock#1b-5.jpg

このとき、実はボタン 3つでも、対角の 2つでも、辺の全ての針を動かすことができます。つまり、隅の針位置をコントロールできるのですが、反転して表面の辺を合わせている間に隅の針は再びズレてしまいます。インスペクションで完全に読み切れるのならともかく、ここは無理せずに全てのピンを押し上げて廻すよう、体で覚えておいた方がいいでしょう。ピンが上がっていないダイヤルを廻してしまうとタイムロスにつながります。

ここで反転(y2)すると、表面は以下の通りになっています。

Clock#1c.jpg

見比べていただければ分かりますが、辺に関しては初期状態の表面と変わっていません。これが、表裏のどちらから解いても変わらない、という理由です。

こちらも同様に辺を解いていきます。左辺→下辺→上辺→右辺と解いていくと、ダイヤル回転量が少なめで良さそうです。
UR -1, UL -1, DL +4, L +1、ですね。

Clock#1c-1.jpgClock#1c-2.jpgClock#1c-3.jpgClock#1c-4.jpg

さて、辺が全て合ったら、こちらの面は辺を一旦 12時に合わせる必要はありません。すぐに隅を合わせていきます。

合わせる隅は右上から反時計回りなど、決めておいた方が迷わずにすんで速いかもしれません。ただ、私はダイヤル回転量ができるだけ少なくなるよう心懸けています。指が遅いので、考えた方がダイヤルを多く回転させるより時間消費を少なくできます。これは人それぞれでしょう。

ですのでこの場合、まずは左下隅から合わせます。合わせる隅に隣接するボタンだけ押し下げ、残りは全て上げて、上がっているピンに隣接したダイヤルを廻します。この場合は UR DR UL -1 ですね。

Clock#1d-1.jpg

次は左上と合わせますが、そのときその対角を動かしたくない場合は左上以外の 3つのピンを上げるのではなく、左上と右下が下がっていて右上と左下が下がっている状態で廻すことができます。この場合、UR DL -3 すると

Clock#1d-2.jpg

次の右下合わせのダイヤル回転量が -6 から -3 に半減できました。…実戦ではなかなかここまで読めませんが、対角が同じ向きや近い方向を向いている場合は効果的ですので、使えるようになりたいものですね。

あとは右下→右上の順に合わせ、全ての針を 12時に向けて完成です。UR DL UL -3, DR DL UL +5, ALL +3 ですね。

Clock#1d-3.jpgClock#1d-4.jpgClock#1d-5.jpg

こちらの面の隅が全て合えば裏面の隅も同時に揃ってくれます。ピンの上げ損ないがあると、表面が合っていても裏面がズレてしまったりもするので注意しましょう。

ルービッククロックはあまり工夫を凝らせないのが残念ですが、そのぶん気軽に廻せます。他のパズルに疲れた時の気分転換としても楽しめると思います。いい製品が増えて、もっと一般に普及してもらいたいものですね。

posted by じゅうべい at 14:50| Comment(0) | ルービッククロック

2020年04月27日

ルービッククロックについて

先日、ルービッククロック Rubik's Clock を購入しました。

tribox さんで唯一扱っている Ling'ao Magic Clock があまりに評判が悪く、2個買って側面を不可逆的に分解して部品のいいとこ取りをして、調整して側面をシールで貼る、などと読むとあまりに恐ろしく、新しい製品が発売されるのを年単位で待ち続けましたが、一向に発売される様子がありません。

他のパズルも同様ですね。名作パズルがどんどん品切れになっていっています。買うなら今のうちでしょう。

Cubelelo というサイトで Elite Clock なるものがネット販売されているのを見つけました。レビューの評判もよさそうです。tribox さんに輸入の予定がないか訊いてみましたが、インドの会社ということもあって販路がないとのことでした。さらにはベースは Ling'ao のものだそうです。レビューの 5人もおそらく全てインド人、基本はインド国内での販売のようで諦めました。

ということでビンテージの matchbox 製品をネットオークションで買うことにしました。セカイモン で気軽に購入手続きが踏めました。

ただ、相手がイギリス人だったのもあり、7 ポンド(1007円)で入札、手数料 800円、英国内送料 3.5 ポンド(503円)の合計 2310円と思っていたら、国際輸送料が掛かりました。なんと 3459円。合わせて 6000円弱です。Ling'ao 4つ買って組み直して 2つ新しいのを作り上げたとしても、なおお釣りがきました。海外オークションに手を出す方はどうぞお気をつけ下さい。

Clock#1.JPGClock#2.JPG

安さを追及して箱なしのものを落札しました。それでも品は悪くないものでした。

・ギアのかみ合わせの遊びはそこそこで、針はちゃんと全部 12時に揃います。
・印刷に気になるほどのズレはありません。

ちゃんと廻せてないとピンを押し込めないことも発生しますが、ダイヤルをちょっとずらせば押せるようになります。

解法については、動画はいろいろあるようですね。私は海外の人のをちらっと見ました。
動画でないものでは、Jaap氏のサイト が現状ではベストでしょう。日本語では立方体の迷宮 がありますが、余計な手間を掛けている手順になっています。ウィキペディアから辿れた Safala's website での手順は、すみません、理解できませんでした。また、効率が良いようにも感じられませんでした。

現在 120ソルブでベストが単発 25.90秒、ao12 が 34.35秒、まだ上達できると思います。シミュレーターでもいろいろ解いてみましたが、解法を工夫できるパズルではないことが分かり、また瞬間判断力とそれに応じた手の動きを競うパズルだと思うので、実物で解いてこその面白さを感じています。

私の解き方は、Jaap氏の解法よりは多少は工夫できています。次回にそれを紹介してみたいと思います。

posted by じゅうべい at 11:25| Comment(0) | ルービッククロック