でかピラってこんなに速く廻せるんですね。驚きました。
そのネタを、二十歳くらいの人々に会う機会があったので話ししたところ、赤緑色弱についてはほぼ全員が知らなかったようで驚きました。以前は小学校でやっていた色覚検査を、最近はしなくなったからかもしれません。
色弱については以前にもいろいろと書きましたが、医学部受験に際しては苦労なさった方も多いようですね。まさか、石原式色覚検査表を丸暗記されたとは…。実習で、染色した切片標本の観察をするときには、さらに大変だったようですが、言ってしまえばその試験を通れば、臨床現場ではそういう苦労は今どきはあまり無いので(顕微解剖学や病理学に進むのなら別ですが…)、医療を志す方はあまり気にせずに挑戦されることをお勧めします。どうしても気になる方は、知ってそうな人にはいろいろと相談してみても良いでしょうが、色覚異常も特性の一つとして見なされるようになった現在では、それを理由に大学を不合格にされることは起こりにくいと思います。
上で紹介した岡村 正隆さんの体験談にもありますが、
「彼のおかげで「顔が赤くなる」というのがどういう色の変化であるかがわかるようになった。私から見ると明度が低くなるのだ。」
私も、色白の同級生にその彼氏の話をしたときに頬を染められて
「ああ、頬が染まるってこんな感じなんだ」
と始めて知りました。生涯で、その一度しか見たことがありません。世間ではもっといろいろあるのでしょうけど、残念ながらその頬の色の変化を認めることができたことは他にはありませんね。
顔色や皮膚の色変化から患者の状態をいろいろ読み取るのは、赤緑色弱の医療従事者には難しいかもしれません。でも、現在の医療技術なら、他の方法でいくらでも患者の状態を知ることはできます。工夫して知ろうとすることこそ大事で、分かったつもりの人はむしろ見逃すことも多いかもしれません。
ちなみに、その『薬屋のひとりごと』にもありますが、私は夜、電気を付けずにトイレや台所に行ったりします。屋外の照明が漏れ込んでくる光で充分うろうろできます。私の奥さんは明るくないと歩けないので、驚いたこともありました。私以外の赤緑色弱者が、どれだけ夜目が利くかは分かりませんが…。
また、青の明度差には敏感なので、普通の人が”同じ”という青を、「えっ?全然違う青だよ?」と言ったことも良くあります。この辺りは、見ている世界が違う、としか言いようがありませんね。