Latch Cube

をこのラッチキューブに適用すると、
上記の、スクランブル後、z2 e2 (R2) w-3 (L'3) b- (D') w-3 n (L'3 B) w-2 (L'2)

次は、このラッチキューブで最難関とも言われる緑面の左右の黒矢印入れですが、それはまた次回に。
の分かりやすい解き方としては、HATAMURA さんや CrazyBadCuber さんの動画や PDFファイルの解法にもあるように、まずは黒矢印(反時計回り)を底面に集めてしまうことが基本となります。
白中心の周りに黒矢印(以下、→)を 4つ集めますが、うち 2つは白面、残り 2つは黄面に描かれています。実際、→ は緑面に描かれている 2つもあり、それをどちらに入れるかものちのち重要になってきますが、まずはとにかく 6つある → のうちの 4つを底面に集めます。ちなみに、白矢印(以下、⇒)も合計 6つあり、回転を邪魔してきてくれますが、→ と ⇒ とをどう折り合いをつけていくかが、このパズルの醍醐味となります。
黒矢印はそれが描かれている面とは別の面の、黄(→ は白面),緑(→ は黄面),赤(→ は白面),青(→ は黄面)と緑黒・緑白で表すことにします。それぞれ、黄→,緑→,赤→,青→,緑黒→,緑白→、とします。緑面では緑黒→ が右に、緑黒→ が左に入ります。逆に入れると入れ直すのが面倒にはなりますが、白矢印が入っていると回転制限となるので、逆位置であっても黒矢印が入っている方がまだマシ、とも言えます。そのあたりも難しいですね。
白矢印は上面のものは私はあまり意識していませんが、側面に入る、青白⇒・青黒⇒の識別は重要ですね。入る左右が緑面とは逆になります。このあたりも廻しているうちに頭に入ってきますが、最初のうちは悩ましいですね。
され、前回も示したように、トリコン 2023年 前半期 第 7節の3x3x3 のスクランブルその1、
F2 D2 F2 L' D2 U2 L' B2 R' U B F D' B R U L R' F'
をこのラッチキューブに適用すると、
F'2 D2 (D) F'2 L' D2 (F) U'2 L3 B'2 (F) R' (R') U B F'3 (L) D3 (L') B R'3 ×U L'3 R' (L') F'
…最後、最少手数競技(Fewest Moves Challenge, FMC)ばりのキャンセルで、R'3 L'3 R' L' は意味のない回転記号となってしまいましたが、どうぞご容赦を。
ともあれ、ここから z2 持ち替えして、緑前のまま白中心を底面に向けると、
(右は x2 y2 持ち替えして左背底面が見えるようにしたもの)
となります。これを絵で描くと
ここまでは前回と同様です。
スクランブルでは WCA表記を踏襲しますが、私が普段解くときには島内先生由来の方位を基準とした、J式333 の回転記号で考えるようになってしまっているので、このラッチキューブでもその J式記号を踏襲します。反時計回りでは"-"、180°回転では"2"(本当は上付き)を添えます。J式回転記号のあとに/ の後またはカッコの中に WCA式表記を添えることにします。
回転方向の都合で、e- (R') が e3 (R3)、s (F) が s-3 (F'3) と「回転制限がないキューブとは逆方向に 270°回転」ということも頻発するのでご了承ください。左右面以外はダブルトリガーにもう人指弾きを加えた”トリプルトリガー”で廻せますが、e-3 (R'3) などは通常以上に回転することに最初は慣れないかもしれません。親指を前面に当てて、それが上面に至るまで廻す、といった感じでしょうか?回転数を間違うと痛い目に遭うので、きちんと 3回カチッというのを確認しながら廻すと良いでしょう。
ラッチキューブは固いので、右前腕の背面に筋肉痛を来したりもします。その場合は、早めの抗炎症剤塗布をお勧めします。
さて、ラッチキューブを滑らかに解くためには、底面周囲の配色も覚えておいた方が良いでしょう。緑の右に黄、左に赤、対面が青です。黄の対面が赤であることも重要ですね。普通のキューブとは違いますが、已むを得ません。
私は上記スクランブルから z2 持ち替え後に、F'2 赤↑ R' 緑↑ D' R' 黄↑ D'3 R2 F' L' B3 L'2 F'3 R2 D'2 F2 D'3 で
と底面→ 4つを揃えましたが、最初は無理をしなくて良いでしょう。再掲しますが、z2 持ち替えをした、
からなら、最初は e2 (R2) で黄→ を入れるのも自然ですし、すると底面の青⇒ も底面からいなくなるので、底面を反時計廻し (b- / D') できるようになります。次は w-3 (L'3) でしょうか。すると、
前面は矢印が白黒混在しているので回転できないので、入れたい赤→ がそのままでは底面に入れられません。そこで、b- (D') でずらすと、前面も左面も廻せるようになりますね。
ここで、n (B) でも緑黒→ が入りますが、実は入れたい黒矢印は白面か黄面に矢印が描かれているものなので、できれば同じ左面にある青→ を入れたいですね。普通のキューブであれば wn (L B) で入りますが、ここはそうはいかないので、w-3 n (L'3 B) で入れることになります。そのままだと底面に白矢印が入ってしまって底面が廻せなくなるので、さらに w-2 (L'2) を廻すのも重要です。
ここまでくれば、あとは底面を廻して上面から赤→ を降ろしてくればデイジークロスの要領で底面に黒矢印が 4つ揃いますね。
もちろん、それを手順で表せば b-3 s2 (D'3 F2) なのですが…。b-3 すると前面左右の白矢印と前面下の緑黒→ で回転制限が起こって廻せません。
までは先週中に書いていたのですが…。
恥ずかしながら、ここから五日間悩みました。いえ、いろいろいじっていたら気がついたら底面黒矢印が 4つ、位置合わせまで完了しているのですが、「どうすることで揃えられたのか?」がなかなか定式化できませんでした。
底面に黒矢印が揃っているときには他の面に白矢印が多めに集まります。底面に 4つ集められてしまえば、位置合わせもしやすくなるのですが、3つ揃っていて 4つめが入れにくいときには苦労するもののようです。
そのとき、4つめの側面が黒矢印の時が一番厄介な状況のようです。それを白矢印(あくまで、底面の“側面”に。底面が回転制限にならないようにご注意を)に交換できたら、後は順調に入れられるようです。
上記の、スクランブル後、z2 e2 (R2) w-3 (L'3) b- (D') w-3 n (L'3 B) w-2 (L'2)
ここで w-2 (L'2) を廻して、左底面の側面に黒矢印を入れてしまったのが敗因のようです(以前の記事を '23.3.10 に修正しました)。
ここで w-2 (L'2) は廻さず、つまり、スクランブル後、z2 e2 (R2) w-3 (L'3) b- (D') w-3 n (L'3 B) で
ここから s t s3 w (F U F3 L) で
底面の黒矢印が入っていない側面に白矢印が入れられました。これでいろいろ廻しやすくなりましたね。
ここから b-3 s2 (D'3 F2) で
底面黒矢印を 4つにします。さらに t b-3 n3 (U D'3 B3) 緑 b- n (D' B) 黄 b- (D')

で底面黒矢印を、位置まで揃えることができました。
これも、図を用意したとしても、実際に廻してみていただかなければなかなか分からないと思いますし、回転制限に苦しめられる実感もわかないことでしょう。ぜひお試しいただけたら、と思います。
せっかくなので、先週のトリコン、2023年 前半期 第9節の3x3x3 のスクランブルも試してみましょう。
その1:R' B L B2 U D' L F R' L' D2 F' R2 F2 B2 R2 D2 F U2
→ R3 B L'3 B2 (L') U'3 D3 L'3 (R) F R' L' D2 F' (F') R'2 (L) F2 B2 R'2 (F) D'2 F (R) U2
ここから z2 持ち替えして、
これまた極端なスクランブルとなりました。黒矢印が来て欲しい底面が白矢印で埋め尽くされています。右面には逆に黒矢印が 3つもそろっています。
w (L) 赤 s (F) 黄 t-3 n2 (U'3 B2) 青 t e-3 t e2 (U R'3 U R2) で右底側面に白矢印を持ってきて
('23.3.9 に間違いを訂正しました。失礼しました)
ここからさらに、b-2 t n (D'3 U B) 緑 b- n3 (D' B3) 黄 b- (D') で
と、底面矢印が揃いました。
底面矢印が 4つ入れられれば、後から位置を揃えていくのはさほど難しくはありません。底面矢印が 3つ揃っていて 4つめが入れにくいときには、上に記したように、その入っていない側面に白矢印入れる、を試みてください。
次は、このラッチキューブで最難関とも言われる緑面の左右の黒矢印入れですが、それはまた次回に。