手順もまとまったことですし、試しに解いてみましょう。
毎度のことになりますが、J式の回転記号は、2x2x2 部分については
反時計廻しは"-"を、180°回転は"2"を付加します。
辺回転については
スクランブルは前回提示した、3週間前、トリコンの2022年 前半期第6節の 2x2x2、
違う位置で出っ張っている場合も、2x2x2 回転を駆使してこの形にし、
となりました。
最初の合わせ目まで廻すのが +/-、次の合わせ目まで廻すのが ++/-- 、時計方向に廻すのが +/++, 反時計方向に廻すのが -/--、となります。+ も - も付いていない場合は 180°回転となります。
スクランブルは前回提示した、3週間前、トリコンの2022年 前半期第6節の 2x2x2、
その1: U' F' R' U R U' R2 U2 F R U'
でやってみましょう。ただ、微妙な回転にうっかりして再現性が失われがちなので、最初の3文字、U' F' R' だけでやってみます。青クロス、右赤・左橙・前黄、つまり緑上・白奥でやらせていただきます。
その 2/24 の記事の再掲となりますが、2x2x2 の U'、J式で言えば t- を廻します。続いてその廻した面を上面なら奥から、側面(前面及び右面)なら上から、順にその回転方向と合わせて全周に渡って辺回転を行います。この場合は順に h-, c-, v- となります。最後の d- は回転制限で廻せないので無理しません。
続いて、2文字目は F'、そのままでは回転制限で廻せません。そこで、その前に廻した辺を逆順に回転制限が解除されるまで廻しますが、戻す方向でなく、進める方向に廻します。この場合は、v-、v-- でもいいのですが、v- で c が廻せるようになります。続いて c--、これで F' が廻せるようになります。廻した後はまた辺を廻していきますが、v は回転制限で廻せないので p-、あら、これも既に廻せませんね。諦めて、c の真下の辺を - 方向に廻してから p-、k も廻せないので無理せず、続いて q- を廻します。
3文字目は R'、h-- で廻せるようになりますね。d- ・q- は廻せないので(ここは前回間違っていましたね。訂正します)、d の真下を - して、q の右奥を -、と廻していきます。
本当はもっとスクランブルしたいところですが、今回はこの辺で始めてみましょう。
…と思いましたが、全然崩れてなくって簡単に戻せてしまいました。仕方がないので、上記の全文字使ってスクランブルしました。
今回はこんな感じになりました。再現性がなくってごめんなさい。試しということでお願いします。
まずは立方体に戻します。まずは辺を立方体の形状に沿うように戻します。廻せるところを順に廻していくしかありません。まず、c+ で
p
v--
で辺は立方体となりました。
…と書きながら写真を撮っていったのですが、何か間違っているようです。すみません。ともあれ、廻せるところを回転制限を避けてどうにか廻していって、まずは辺だけでも立方体に戻すことが第一歩となります。
つづいて、角出っ張りですが、v と d さえ廻せれば戻せるので、右上奥や背面に出っ張りがあって d が廻せない場合などは n・n- などでそれをどかして d が廻せるようにしましょう。それができたら d v++ d v+ で出っ張りを引っ込められます。
違う位置で出っ張っている場合も、2x2x2 回転を駆使してこの形にし、
d v++ d v+ を廻しましょう。Clover Cube では遠距離の出っ張りは何度かこの手順を繰り返していって出っ張りを隣まで持ってくるしかありませんが、Clove Cube Plus は 2x2x2 回転ができるぶんお得ですね。
さて、立方体に戻りました。
続いて底面の辺合わせ、既に赤青が揃っています。これに合わせていきましょう。b n- y2 後に k e- k e k
w k w- で
y のあと、
e v e- で赤青を降ろして
t のあと、k w k w-
で赤と橙の辺が揃いました。さらに t e v e-
で黄青も入れられました。残りは向きが合わないので p および q の奥を 180°回転してから z2 y 持ち替えして
S=, w- t2 w t w- t w t2 (WCA表記で L' U2 L U L' U L U2)、
日頃なら持ち替えて丁寧に廻しますが、今回は n- c n, d n d n-, t- s- d s で合わせてしまいました。底面はこうなりました。
いま読み返してみて、写真と手順を照らし合わせて「ほんまかいな?」状態です。思い違いなども多々あるとは思いますが、再現ももはやできないので、なんとなく「こんなふうに廻していた」という雰囲気を感じ取っていただければと思います。
続いて底面の葉合わせ、写真は x 持ち替えして示していますが、
底面前面を k (いつもの記号の図では v の辺)として、一つ目は p でいったん青葉を上段に上げてから k p k、
右前下に入りました。
続いて v で青葉を側面に降ろして、
t-
k q k
y 持ち替えして t- から k p k
で底面が揃いました。
続いて側面の辺を合わせます。この黄橙なら
q で揃いますね。
下の写真の場合は入れたい赤白が上面にあります。適当に S=, aS=, Pi= などで側面に降ろします。
できれば、そのときにできるだけ上面色が上に登るように気をつけたいものですね。
q で赤白を入れられました。
次の写真の橙白はここには入りません。側面の上段にあるパーツです。
入れたいパーツはやはり上面から降ろさなければなりませんでした。
あとは省略しましたが、側面下段の辺が揃ったら、側面下段の葉も入れてしまいます。
この橙面に橙葉を入れる場合は、q d q が分かりやすいですね。
このように下段右側に入れるものは上面右奥に、下段左側に入れるものは上面左奥において p c p で入れていきます。
上段になかったら c, d, v などで持ち上げます。
さて、下段が揃ったら上面色の辺が側面にある場合はそれを上面に持ち上げます。
この場合は上面色である緑の辺が、前面に2つ、奥の右面に1つありますね。
PiE 上げ、s- (w- t- w t)^2 s (WCA表記で F' (L' U' L U)x2 F) でそのうちの2つは上げられました。
最後の一つは三隅巡回、e2 s2 e- n- e s2 e- n e- (WCA表記で R2 F2 R' B' R F2 R' B R') で移動してから、y- 持ち替えして
S= v aS=(aS=, e- t- e t- e- t2 e t2、WCA表記で R' U' R U' R' U2 R U2)
で上がりました。ただ、持ち替えて左前-前左の二辺交換、c aS= c S= c で上げても構いません。下段側面の葉が入れ替わってしまうことがありますが、簡単に戻すことができます。
上面色の辺が全て持ち上がったら、
この場合なら c h でしたが、上面色ができるだけ上を向くように廻すと見通しが良くなるでしょう。
辺位置の合わせはひたすらに辺交換をすることは避け、楽ができるなら、できるだけ楽をしましょう。
この場合なら s d s- c で左面奥の橙が、d で右前の赤が揃い、
三隅巡回して、e- v e で前面の白,黄、背面右の黄まで揃ってしまいました。
さらには s- c s で
これはラッキー、全ての辺が揃ってしまいました。普通は一組は二辺交換が必要になりますね。
隅位置については、現在は右前・左奥が合っている状態なので、廻せる方は 2x2x2 の上対角、e- s e b e2 b e- t- e b- e2 (WCA表記で R' F R D R2 D R' U' R D' R2) や隅平行、e w s w- n w s- e- w- s e n- e- s- (PLL の E-perm)を廻しても構いませんが、私は、この大きくて廻しにくく、よく辺が余計な回転をしてくれる魔方体でそれらを廻す自信がないので、無理せず、三隅巡回を2回廻します。
となりました。
まずは白を合わせましょう。写真の右から y- 持ち替えして、h のあと、
w (d v d v) w- h、
白が揃いました。
続いては橙、y 持ち替えして、
v b- e
v d v d
e- v t
で白を崩すことなく橙を揃えられました。
y2 持ち替えして、
w
d v d v
w-
で赤の右側も揃い、
cSwap, c- q- v c+ q+ p+ d+ v p- d-
さあ、三点移動を残すのみとなりました。ちょっとややこしい位置にありますね。
まずは c
n2
b-
e
v d v d
あとは e- b n2 h で共役を戻して完成です。
最後のは実戦では無理せず、z 持ち替えから隣接二葉交換、y- h s- w (v d v d) w- s h してから、w (v d v d) w- で揃えると思います。定式があると判断を迷わずにすんで速く揃えられますね。ですが、まぁ参考までに。
丁寧に手順を確認しながら写真を撮っていったのに、いろいろ混乱したところがあって申し訳ありません。また、こんなものを見ても実際には同じスクランブルで廻さなければ、とても理解しにくいものと思います。ただまぁ、私はこんな感じで解いています。それをなんとなくでも感じていただければ悪くないのでは、と思いました。
現時点で 27回解いて、best/ao5/ao12 = 8:30.95/ 9:18.97/ 10:27.95、ao5 で 10分を切れたので良いことにしたいと思います。もっとひょいひょい廻せるかと思ったのですが、意外といろいろ時間を喰ってしまいますね。2x2x2 回転をしたいのにクローバー回転をしてしまうことも多く、なかなかタイムが伸びませんでした。
ちなみに、SpeedSolving.com Wiki には非公式世界記録のページがあり、Clover Cube Plus についてはロシアの Denis Kozlov さんが、single/ ave5 / ave12 = 3:38.05/ 4:25.43/ 4:37.23 を出しているそうです。私には絶対に無理ですね。挑戦してみる気も起こりません。やっぱり世界ってすごいものですね。