父母の様子を見てきました。母が予想外に歩けてホッとしました。父のスマホ操作については、画面が正面に見える向きに手を伸ばして持って話そうとしていたので、「とても受話器には見えないだろうけど、受話器のように上端を耳に、下端を口に近づけて通話してほしい」と説明しました。その話を奥さんにしたら「初めての携帯電話がスマホだったらそうなるかも。私も初めて見たときには、板を耳に当てて喋るなんてなんのギャグかと思ったもん」と言っていました。技術革新が進んだら当然のことも、初めの頃は周囲に理解されないものかもしれませんね。『ドラえもん』にも、過去に行って自転車に乗って見せたら、“その方は雲に乗って空を飛んでいった”と古文書に描かれた、なんて話がありましたね。
さて今年の四月に、科学的な提案をするサイトなのでしょうか、Medium というところで書かれた日本語のブログ Kyo で配色の提案がなされていました。…もう一つの記事の目隠し解法については、すみません、目隠し競技はやっていないので詳細は理解できませんでした。
さて今年の四月に、科学的な提案をするサイトなのでしょうか、Medium というところで書かれた日本語のブログ Kyo で配色の提案がなされていました。…もう一つの記事の目隠し解法については、すみません、目隠し競技はやっていないので詳細は理解できませんでした。
その配色についての記事では、
「長年に渡り、配色は「白・黄・橙・赤・緑・青」が標準とされてきました。しかし、なぜこの6色なのでしょうか。他にいい組み合わせはないのでしょうか。オレンジとイエローなんて、色相が近過ぎませんか?」
と書かれていました。
最初は「ルビク=エルネーさんのゆかりの何かの旗に橙があったんじゃないの?」などと思いましたが(逆にドイツの国旗に含まれる黒はハンガリー人として避けたとか)、橙を含む国旗はヨーロッパではアイルランドくらい、あとはコートジボワールとアルメニア、アルツァフは独立が 2006年なので影響はないでしょう。インド国旗のサフランイエローもやや橙っぽいですが、これも関係は薄そうです。ルビク・エルネーさんの出身及び在籍していたブダペスト工科大学(公式ホームページはハンガリー語)の旗も見つかりませんでした。
これも父のスマホと同様なのでしょう。今の若い方には分かりにくいとは思いますが(さすがに私も白黒テレビの放送は見たことがありませんが)、ルビク=エルネーさんがルービックキューブを考案したのは 1974年、日本で白黒テレビの契約数をカラーテレビ(初期は総天然色テレビジョンと呼ばれたりしていました)が上回ったのが 1972年です。白黒が当然のところにようやく多様な色を使えるようになってきた過渡期なのです。パソコンもデジタル 8色、RGB(赤・緑・青)と赤&緑で黄,青&赤でマゼンタ(紫),青&緑でシアン(水色),青&赤&緑で白,発光なしで黒、が基本で、いかに色を組み合わせたら多様な色を再現できるか、について職人芸の技術が編み出されていたものでした。
”様々な色が六面体の中で混じり合うところを示したい!”、ルビク=エルネーさんは自らの生み出したものを世間にアピールする才能に富んでいたのだと思います。ルービックドミノのようにドミノ柄にすることもできたのですから。いや、これはちょっと違うか。
ともあれ、少しでも色鮮やかにキューブを彩ろうとするのであれば、黒が採用されなかったのも頷けます。地味ですから。明るい白に加えて青赤緑黄、残りは紫か橙でしょう。それなら橙が採用されたのも無難な気がします。
Kyoさんが仰るように、黒が採用されなかったおかげで、5色は色相・明度が近く、識別に困難さを含んでしまったことは、先天赤緑色覚異常の私はとても納得できます。ですが、Kyoさんの結論の配色は見事に赤 (RGB:C4 05 19) と緑 (RGB: 00 C4 0D) を含み、チェッカーも掛けてくださっているようですが、私には識別しにくい色合いと感じました。緑を外して橙を残してほしかったですね。
そのページの最後に”ルービックキューブに実装してみた”という画像があります。写真に見えますが、その配色のステッカーレスキューブを作ったとは考えにくいので(3Dプリンターで再現していたのならごめんなさい)、モデリングで再現した画像なのだと思います。
…私にはその画像の色合いは提案された色合いとは全く異なって見えます。上面の十字の色(白)と左面の隅と中央の色(桃)が同じに見えました。右面の四隅・中央も橙に見え、左面の十字の草色と色相が近く見えます。
数値データで色が示されているので再現が可能です。やってみました。カラーレーザープリンターで光沢紙シールに印刷してみました。完全に色合いが再現できるものでもないとは思いますが、まるで違うと言うこともないでしょう。
印刷時点で感じましたが、やはり赤と緑の色合いが近く、識別が難しそうです。
かつて色合いについて書いた記事で私の手持ちのキューブについて
という画像を載せていましたが、手前の Thunderclap V1 の緑と右の GuoGuan YueXiao の赤は私でも問題なく識別できます。こんな感じの色合いにしてくれれば良かったのに、と思いました。
せっかくなのでスクランブルしてみました。先々週の TORIBOコンテスト、2021年 後半期 第16節の第1試技、
F2 D2 L2 B2 D U' F2 R2 F' D' R' D' L2 D2 L' F U R2 D' R2
でこうなりました。
左が上面・前面・右面、右がその反対側から撮影したものです。一般的な世界配色と比べると、黄→黒,橙→青,青→桃、と変わっています。いえ、この緑と赤の識別は難しいでしょう。
クロスを揃えたら、
不思議ですね、意外と緑と赤の識別ができました。分からないものです。
F2L を揃えてみたら
意外と問題なく揃えられました。これが科学的考察を用いた配色の威力でしょうか?
赤緑色弱者はむしろ明度の変化に強いという自意識がありました。色合いが地味でも構わないというなら、緑を灰色にしても良いのでは?と思いました。桃は私にとっては実質、薄い灰色なので、緑の代わりに 68%グレーを用意してみました。
これです、これを待っていました。これなら絶対に 68%グレーと赤を見間違えることはありません。
左が Kyoさんの提案によるもの、右がその緑を 68%グレーにしたものです。右は微妙にモノクロの世界に迷い込んだ感じを受けますね。
さっそく廻してみたところ…灰と黒が混じる!68%グレーは濃すぎたかとも思いましたが、薄くすると今度は桃と混じるでしょう。個人の思い込みが科学に敗れ去った瞬間です。いえ、50%グレーなら大丈夫だったかもしれません。画面上で確認した程度ですが。
慣れ不慣れも大きいでしょう。私は黄は入れてほしいと思います。バーのやや薄暗い照明で白と黄が混じった経験もしましたが、褪色した薄い橙とでもなければ、黄を見間違うことは私はあまりありません。黄緑は橙と混じるので勘弁してほしいと思います。メガミンクスでは黄緑は真っ先に貼り替える(現在は銅を貼っています)ステッカーとなります。
一方で、かつて GuoGuan YueXiao の橙の代わりに紫を貼ってみましたが、「気持ち悪い」とあまり廻せなかった経験もあります。現在の配色はそこそこの良さもあるから受け入れられてもいるのでしょう。
配色の提案について、自分で試してみた結果を紹介しました。Kyoさんを悪く言う意図はなく、個人的な見解を示しただけなので、誤解しないでいただけるとありがたいです。