2021年03月19日

222:Guimondその10〜HD-Gでの試し解き

222 の解法の一つ Guimond の発展系の HD-G について、あまり新しい情報は用意できませんでしたが、試しに解いてみたいと思います。

Guimond で色分離までを行い、
1. 上下面にできた V の一つだけ違う色を、上面は左奥、下面は右前に置く。
2. 上段は前面と右面が、それぞれ同色か対面色かで判断する。どちらでもない場合は気にしない。
3. 下段は左面と奥面が、〜(以下、上段と同じ)。

として NLL (Neuro's Last Layer) 手順を廻します。上列に上段が来ている方がいいかと思い、やや作り直しました。


上に J式、下に WCA表記の手順を用意してあります。

二手順ほど作り直しましたが、全体的には w (L) や n (B) が頻出してもそんなに廻しにくくなく感じました。いい場所に指が来るので意外と廻しやすいのです。まずはお試しください。

試し解きは TORIBO Contest 2021 前半期 第9節 から。その翌週は上下棒などになって、NLL を用いずに完成できてしまうことが多かったのです。

その1
U' R' F2 R U R U' F U2 F R

これだけ揃ってしまっていると逆に迷いますね。ですが、x- して
HD-Gtrial#1_1a.jpgHD-Gtrial#1_1b.jpg
相変わらずですが、日本配色で青クロス、白上・緑前です。多くの方は黄と青を読み替えていただけるとよいでしょう。手順も、J式表記に続いてWCA式をカッコ内に示すのもいつも通りです。

インスペクションで、e (R) すれば UG になることまではすぐに分かります。初手を e2 (R2) にすることで、少し速く廻せますね。UG は以前示したように、下段左列は変わらず、右列が上がり、上面の前二つが、右前が右奥に、左前が右前に降りてきます。下段は対角になります。

e2 t2 e t2 e (R2 U2 R U2 R) で以下の通りになります。
HD-Gtrial#1_2a.jpgHD-Gtrial#1_2b.jpg
n2 (B2) で V字ができますね。さらに y- で水平反時計廻しで持ち替えると、

HD-Gtrial#1_3a'.jpgHD-Gtrial#1_3b'.jpg
下段は奥と左が対面色、上段は前が同色、
t2 e2 t e2 t– s2 e2 / U2 R2 U R2 U' F2 R2

最後に上段合わせ (Adjust U Face, AUF) で t- (U') を廻して完成です。合計 13手、悪くないと思います。問題は NLL の判断ですね。36手順は頑張る気になれば覚えられる量と思いますし(と言いつつ私もまだ覚えていませんが)、それぞれの手順も短めなので、メガミンクスの上面移動手順(辺移動隅移動)よりはよっぽどどうにかなりそうな気がしています。一方で、メガミンクスと違って、つい「Guimond で充分じゃん」となりそうなのが弱点ですね。

Guimond は、上の例のように対角と棒の組み合わせでなければ、色分離後の一色化手順はせいぜい 3手、その後の PBL は、上前・下前,上対角・下対角,上前下対角・上対角下前,上下前,上下奥,上下対角、の 9手順で充分。上対角・下対角の 11手がキツいですが、それさえ引かなければ意外とどうにかなります。Guimond は 2x2x2 解法として優秀だと思いますよ。

ちなみに、上の例は上棒下対角から s2 (F2) から y2持ち替えで
HD-Gtrial#1_4a.jpgHD-Gtrial#1_4b.jpg
下段左同色・上段前右対面色、
t2 e2 s2 t– s2 t s2 t– / U2 R2 F2 U' F2 U F2 U'
でも完成できます。最後の上面合わせはつい手順通り t (U) を廻してから慌てて t2 (U2) を廻しそうになるのでご注意を。

せっかくなのでもう少し試してみましょう。

R U' R' U2 R' U' F' U' F2 U2 R2

x y2 で持ち替えて
HD-Gtrial#2_1a.jpgHD-Gtrial#2_1b.jpg
t2 で右奥・奥揃い白左になる形ですね。色分離で、右前・前揃い白左と並んで数少ない 8手手順ですが已むを得ません。手数が長い一方で、手順の前後で配置が上下とも全く変わらないのは、読む上ではとても有り難いです。

つまり、下段はインスペクションの時点で左奥対面色が確定、上段が前右同色なのが分かります。つまり、

t2 (e- t e t-)^2 y2 (t2 s2 e2 t e2 t– s2 e2) t / U2 (R' U R U')x2 (U2 F2 R2 U R2 U' F2 R2) U

最後の上面合わせは難しいと思いますが(私には無理でした)、一通りの手順がインスペクションで読み切れることになります。頑張れば、途中の持ち替え前後の t- t2 (U' U2) も 1手キャンセルできるかもしれません。

R U2 F' R2 F R U R' U R' U'

x2 y で持ち替えて、
HD-Gtrial#3_1a.jpgHD-Gtrial#3_1b.jpg
t (U) または t- (U') で右前・対角昇りの形になります。下段の向きが変わっているところに上段の非対角成分が降りてくるので、手順としてはどちらでも構わないのですが、t (U) だと下段前に緑が、t- (U') だと下段右列に黄が揃います。上段は対角成分の右上に左下が並ぶので、奥に t (U) だと緑黄で対面色、t- (U') だと橙同色となります。慣れればもうちょっと読めるのかもしれませんが、今回はこの辺で読みを打ち切って廻してみましょう。t- (U') を採用してみます。

t- e t e- / U' R U R'

y2 持ち替えで以下のようになります。
HD-Gtrial#3_2a.jpgHD-Gtrial#3_2b.jpg

これは大ラッキーを引きました。下左同色・上前同色、
t– e2 t– e2 / U' R2 U' R2

に上面合わせ t- (U') で完成します。合わせて 8+1手、これで廻せたらさぞ速かったことでしょう。

開始に t (U) を選んでいたら、奥同色・右前対面色、
t2 e2 t– e2 s2 t– e2 t / U2 R2 U' R2 F2 U' R2 U
でした。上面合わせを入れて 3手増え、前面回転も加わりますし、これだと驚異的な速さは難しいかもしれません。

などなど、工夫次第でいろいろ楽しめます。Guimond に行き詰まりを感じたら、ぜひ HD-G もご検討いただければと思います。

posted by じゅうべい at 14:00| Comment(0) | 222
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