スピードキューブアドベントカレンダー 2020 の記事として、
があります。
いろいろ考えさせられはしましたが、「難しいなぁ」というのが印象です。
私の場合は、2007年頃、宅飲みに行った先でルービックキューブがありました。家主は解けないものの参加者に解けるのがいたので、「やってみたい」と思うようになりました。自分でキューブを購入し、本も買い、ネットでも調べ、自力で解けるようになりました。飲み会に行くたびに鞄に忍ばせ、実演してみせたりもしました。指も目も頭の回転も遅いので、本来はスピードキューブには興味はなく、2016年に tribox コンテストが始まらなかったら、それを知らなかったら、今もタイムを競うことに興味は感じていないかもしれません。
最近では妻に“布教活動”と言われるほど、機会を見つけては少しでも興味がありそうな人にキューブを渡し、解法も PLANET PUZZLE のを印刷したり、最近なら tribox のものを入手して渡したりもしました。ですが、継続的にキューブを廻しているのは、カレンダーキューブを渡した、同僚のお母さんと中学のときの先生の奥様くらいです。最初の宅飲みのメンバーの一人に、自分で解法を探して 5x5x5 も解けるようになったのもいましたが、かなりの例外です。30個はキューブを渡して、スピードキューブを嗜むようになったのはゼロでした。
スピードキューブには二重の障壁があります。まず、普通の人はルービックキューブを解こうと思いません。解ける人を見て「へー、すごいなぁ」でおしまいです。
次に、解けるようになった人は「もう、解けるようになったからいいや」となってしまいます。スピード競技として楽しもうと思う人はかなり限られています。
言ってみれば、スピード競技は”詰め将棋の7手詰めをどれだけ速く解けるかを競う”、そんなものかもしれません。世の多くの人は詰め将棋に興味を持たず、詰め将棋を解くことに興味を見出す人も、そのスピードを競うことにあまり意味を見出しません。
以前の日本では、将棋 2000万人、囲碁 1000万人と言われた競技人口も、今は将棋 500万人、囲碁 200万人まで減少したと言われます。対して、スピードキューブ人口は世界で 13万人。日本では…tribox コンテストの先週の参加者が 356人でしたし、多めに数えて 2000人でしょうか?頑張っても 5000人程度でしょう。もちろん、スピード詰め将棋やスピード詰め碁は競技化されていませんが。
少年少女は、テレビや YouTube で見て興味を覚えたら、自分で情報を探して解けるようになり、仲間とも競い合い、大会にも参加していきます。一方で、社会人になるまでスピードキューブに興味を持たなかった人が、新たに趣味としてスピードキューブを選ぶことはかなり稀なことでしょう。多くの場合は TK16zaemon さんのように、子供がやっているから自分もやってみようかと思った、という状況でしょう。
もちろん、“稀”なケースはあり、tribox コンテストにも、"40代からの挑戦"や"〜〜おやじの会"、"おっさん"などを名乗る方々もおられます。家族で参加している方々もおられますね。
ですが、社会人の競技人口を拡大するには、稀なケースを待っているだけでは難しいでしょう。
そこで提案するのが”計測会をストリートでやる”、です。数人がわいわいと固まって、”なんか楽しそうなことをしているなぁ”、と通りすがりの人々に思わせたら、1000人に 1人は新規参加者を捕まえられるかもしれません。そう、”ルービックキューブを解くのは難しそう”ではなく、最初から”ルービックキューブを速く解くのは楽しそう”と市民に知らしめることが重要でしょう。
問題は、キューバーにシャイな人が多いことですね。計測会をストリートでやることになったら、逆に現メンバーが離脱していく可能性もあります。
そもそも、日本人はシャイな人が多く、知らない人になかなか声をかけられません。それが故か、世界的には「日本人は声をかけてくれなく、冷たい」とすら思われているようです。
私も、自転車通勤の信号待ちで、基本手順の確認のためにキューブを廻していますが、そこで並ぶ登校中の高校生のうち、視線を向けてくるのが 3割程度、声をかけてきたのは皆無です。…私が高校生でも声はかけない気がします。
私自身、計測会にも大会にも参加したことがありません。私が現在居住する県では計測会は行われておらず、今年は状況も状況ですが、そうでなくても近県で行われる会合や大会にもなかなか参加できません。週末くらいは家族サービスしないといけませんし。片道30分くらいで、もうちょっと気軽に行けるのなら考えるのですが。
結論としては…うーん、難しいですね。世界の盛り上がりが日本にも波及してくるのを待つしかないかもしれません。幸いにもオンライン環境はかなり普及してきました。世界とつながっていこうという気持ちをキューバーが持ち、積極的に交流していくことが大事かもしれませんね。