ルービックキューブ、3x3x3 (333 とも)を解くに当たって、Roux やツクダ式、80年代神楽坂式 を用いるのでなければ、まず最初に十字を作るのは一般化してきたと思います。tribox の初心者向け解法紹介 でもまずは”step 1 クロスを作る"ですね。
この十字を、見やすいように上面に作ってひっくり返していたのを、最初から底面に作ってしまおう、というのが多少でもスピードを競う人の基本になっています。D面クロスと呼ばれています。
これを説明したサイトとして、Cube Voyage, Planet Puzzle(最近、またいろいろ更新されています), 動画としては大村周平さん(元444世界チャンピオン)の解説動画が素晴らしいですね。考え方を示したものとして、上面に作るものではありますが、Flying Cube というサイトもありました。
はっきり言って、これらのサイトで充分に勉強すれば、平均で 50秒を切るのがやっとの私の記事など読む必要はありません、というか、むしろ害悪になる可能性すらあります。身近に速い人がいるなら、その人に直接いろいろ聞くのも有益でしょう。
ただ、私は Cube Voyage の HATAMURA さんの記事や大村さんの動画は「素晴らしすぎて理解できない」。ピラミンクスの解法の時と一緒です。ということで、「底面の十字を変に組む奴がいる」という記事がこの世に存在しても悪くないのでは、と思いました。
Roux 解法の大御所、かそきゅーぶ すら世界配色になったご時世ではありますが、J式は変わらず、日本配色の青クロス、緑前でやらせていただきます。大部分を占めると思われる世界配色の方は黄と青を読み替えてください。
以前の図がパースが狂っていてあんまりだったので作り直したのですが、やはりパースが狂ってしまいました。どうかご寛恕いただければと思います。右は透視した図になっていて、そちらの色はやや淡めにしています。
回転記号も相変わらず島内先生由来の方位を基準としたものを用い、カッコの中に WCA式表記を添えることにします。
上面時計廻しを t (top), 下面を、下から見て時計廻しするのを b (base), 側面はそれぞれの面を正面に見たときに時計廻しする手を、右奥左前の順に east, north, west, south を略して e, n, w, s、とします。
反時計廻しは "-" をつけます。本来は右肩につく記号ですが、このブログでは上付き・下付ができないのでご容赦を。
これら、t, b, e, n, w, s を WCA式表記で表すと U, D, R, B, L, F、となります。こちらは反時計廻しは ' (アポストロフィーではなく、プライム記号なのだそうですが、アポストロフィーで代用します)で示します。
90°回転ではなく、180°回転の場合は "2" を添えます。島内先生の S式およびこの J式では本来は右肩付き表記ですが、これもまたそのまま示させていただきます。
と、大袈裟に話を始めましたが、究極的には D面クロスは全部デイジー(底面色が全て上を向いている)で入れてしまえば終わります。
クロスに関係ない小片は着色していません。
側面と位置を合わせて e2 (R2) や s2 (F2) などで順に入れていけば、4つとも入れた時点で底面に十字が完成しています。
もちろん、配色は覚えておかなくてはなりません。底面色も前面色も固定しない、カラーニュートラル (color neutral, CN) が上達に不可欠のようにも言われますが、なかなか1分半が切れないレベルの人には不要な技術です。背面から時計回りに黄→赤→緑→橙を固定してしまって良いでしょう。
底面色が側面を向いていたら?わざわざ上面に向ける必要はありません。
先に赤を e- (R') で入れて、あとは好きな順に n2 (B2), w2 (L2), s2 (F2) で入れていけば底十字が完成します。
すでに緑が入っていて、でもその場所が違っていたら、
この場合なら b- (D') でずらして位置を合わせて、e- (R') で赤を入れ、あとは黄・橙を順に n2 w2 (B2 L2) で入れていけば完成します。
このような、1手で向きが合う状態にある辺は問題はありません。
…これを”FMC (Fewest Move Challenge, 最小手数競技) でいうところの Good Edge”、と書いてしまっていましたが、間違いでした。'20.12.1 にお詫びして訂正します。
FMC における Good Edge は ある軸(たとえば FB(前面−背面))を規定したとき、F, F', F2, B, B', B2 を廻さすに向きが合う辺を言います。それらの回転が向き合わせに必要になる場合を Bad Edge と言います
ですので、ここでは冗長ですが、”向き替えが必要になる辺”と言うことにします。
この図での赤や緑のように、上段もしくは下段で底面色が側面を向いているものがある場合に工夫が必要になってきます。
ちょっと長くなってしまったので、今回はこの辺で。
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