一部の手順で、背面(S面の対面)回転を n・n-・n2 で、左面(E面の対面)回転を w・w-・w2 で示すことがあります。
どこを持って、どこに意識をおいて廻すか、において左面・背面を廻す方が、少なくとも私にとっては分かりやすい場合があるので、どうぞご容赦を。
同一手順を繰り返す場合は、括弧で括って、3回繰り返しなら、J式なら ^3(これも本来は上付きの 3 )、WCA表記では x3 で繰り返す数を示します。
同梱の説明書では底面の内円が揃えられたら、上段側面の内円を揃えるべく、s e t e- t- s- / F R U R' U' F' またはその逆手順を廻すことが示されていますが、私はその良さが分からなかったのでやっていません。すぐに上段隅の向き替えに入ります。
隅向き替えについて、
J式 CLL のうちで廻せる手順はかなり限られていました。私は
OLL についてはよくは知りませんが、パッと見た感じでは長手数手順が多く、難しいと思います。
固定隅を巻き込む手順は、底面の内円を崩してしまうので使えません。つまり、側面を三方向廻す手順は使えません。側面を二方向および上段を廻す手順を、固定隅の位置を調節した上で廻す必要があります。
廻せる手順は U1, L1, H1, 三隅巡回, aS=, Pi=、さらには H0 や隣隅・隣隅下げなどもありましたが、全ては必要ありません。
以下の図において、横棒線―で上面に向きを変える隅を示します。矢印はこの手順による隅の移動を示しますが、このパズルを解く上ではあまり気にする必要はないでしょう。というか、気にしている余裕はありません。
固定隅を左奥で廻す手順は U1, L1, T0' で、また、後述しますが、三隅巡回も固定隅左奥で廻す手順です。
U1 :
e- s- t- s t e / R' F' U' F U R
L1 :
e t2 e2 s e s- e t2 e- / R U2 R2 F R F' R U2 R'
e t e- t- e- s e s- / R U R' U' R' F R F'
固定隅を左前で廻す手順は以下の aS= と Pi= で、
aS= (アンチスーネ・イコール) : 隅位置は移動しません
e- t- e t- e- t2 e t2 / R' U' R U' R' U2 R U2 ← 実際には最後の t2 / U2 は不要です。
Pi= (パイ・イコール) : 隅位置は移動しません
n- (e- t- e t)^2 n / B' (R' U' R U)x2 B
上段の隅の高さが全て一致していたら、この隅向き替えは不要となります。
上段の隅の高さが異なっている場合は、下段と側面が合うものがないか探します。側面と合う上段隅は向きが合っています。
向きが合っている上段隅が 1つの場合は、固定隅を左前に、その合っている上段隅を左奥にして aS= を廻します。一度廻しても隅向きが揃わない場合はもう一度廻します。逆に捻る S= も廻せますが、その場合は固定隅を右前にする必要があります。
向きが合っている上段隅が 2つの場合は、まず固定隅を”左奥”にして(うっかりしやすいので注意が必要です)、それが対角位置にあったら L1 を廻します。合わなかったら、t- / U' のあと、もう一度 L1 を廻しましょう。このパズルでは上に向くべき面がどこかが分かりにくいので、考えるよりはまずは廻してしまった方が良さそうに感じています。
向きが合っている上段隅が 2つで、それが並んでいたら、それを奥に置いて、やはり固定隅を左奥にすることに気をつけて、U1 を廻します。それで揃わなかった場合は隅向きが T だったので、向きが合っていない上段隅 2つを左側に置いて T0' を廻します。T0' も固定隅は左奥で回します。
向きが合っている上段隅が 3つの場合は他が間違っているか、なにかのトラブルがあった状態です。分解して直しましょう。
向きが合っている上段隅がない場合は、なんとなく高くなっている二隅を左に置いて、固定隅は左前で、Pi= を廻しましょう。それで、なお向きが合っている上段隅がない場合は、もう一度 Pi= を廻しましょう。二隅だけ向きが揃った場合は、上記の U1, L1, T0' のどれかの状態なので、その手順を廻しましょう。
同梱の手順書にあるように、aS= を廻し続ければいつかは隅向きは揃いますが、さすがにそれは辛すぎますね。
上段隅の向きが揃ったら、まず固定隅を左奥にして、次に揃っている二隅を右側に置いて、
三隅巡回 : 移動としては
PLL の A-perm:a と同様です。
e2 s2 e- n- e s2 e- n e- / R2 F2 R' B' R F2 R' B R'
位置が完全にバラバラな場合は、まずは一回三隅巡回を廻します。一組は位置が揃うので(その確認は、上段を廻して下段側面と合わせてみてください)、その揃った二隅を右側に置いて、もう一度三隅巡回を廻します。
固定隅の位置が決められたら、もう少し混乱せずに揃えられるのですが、私は、指が慣れた手順を廻す方が重要に感じているので、固定隅位置に気をつけて廻すようにしています。
上段の隅の向きと位置が揃ったら、あとは上段側面の内円を揃えるだけです。それはまた次回に。