2024年09月27日

スキューブ左右揃いからの底奥入れ3:S底

9/199/26 に続いて、スキューブでの左右が揃っている間に底を入れる場合の続き、今回は S底から入れる場合についてです。
左右が揃っていない場合については、過去記事の、S底(底が前左)、E底&N底(底が前右および奥右)、W底&T底(底が奥左及び上面)をご覧下さい。

J式スキューブの回転記号を再掲しておきます。反時計回りでは各記号に"–"が付加されます。
Skewb_rotation.jpg

前面”左”を私は S面と呼称しています。島内先生由来の方位を基準とした J式333 の回転記号を再掲しますが、
notationLletter_ew.jpgnotationLletter_sn.jpgnotationLletter_tb.jpg
n x n x n なら、ここを廻す動作が s, s- (WCA表記なら F, F')だからです。ここに底がにある場合は S底と呼びます。

奥(底面色に加えて左下の奥面と同じ色を含む隅)が左上にある場合は、
BaseS_BCornerW.jpg
底面色が

奥を向いていたら : (n-) g- s n- g

上を向いていたら : (n-) g (n-) s- g-

前を向いていたら : g s- g-

カッコ書きについては前々回, 前回と同様です。

左右揃いS底、つまり左右が揃っている間にS面(左前面)から底を入れる手順は、g s- g-, g- s n- g の 2通りがあります。左上隅にある奥の底面色がS面(左前面)を向いていたら g s- g- で底を入れるのと同時に奥も正しい向きで正しい位置に入ってくれますが、W面(左奥面)を向いていたら、底を入れる g s- g- の前に n を追加する必要があります。同様に T面(上面)を向いていたら g- s n- g の前と途中に n- を追加する必要があります。この追加分をカッコに入れて示しています。

手順の途中に追加廻しが入るのは混乱を生みますが、手数短縮のためには已むを得ません。

奥(底面色に加えて左下の奥面と同じ色を含む隅)が”右”上にある場合は、
BaseS_BCornerE.jpg
底面色が、

奥を向いていたら : g (n-) s- g-

上を向いていたら : g- s n- g

前を向いていたら : (n) g s- g-

で左右底奥が揃います。

左右揃いE底入れと同様で、S底で奥に入れる小片の底が前面を向いている場合は同側(S底なら左上前)なら基本手順、逆側(S底なら“右”上前)なら n または n- で底と合わせてしまってから基本手順で揃えることができます。その手の理解が進むと、覚えるのも楽になりますね。

奥(底面色に加えて左下の奥面と同じ色を含む隅)が”奥”下にある場合は、
BaseS_BCornerN.jpg
底面色が、

W面(左)を向いていたら : g s- (n) g- (n)

B面(下)を向いていたら : (n-) g s- g-

N面(右)を向いていたら : g s- g- (s n)

で左右底奥が揃います。

これも左右揃いE底入れと同様で、B面(下)を向いている場合は、三隅が位置も向きも揃っている状態から底を入れることになりますが、n- のあとに3手の基本手順で入れられます。奥底が前面を向いている場合と同様です。これも理解しやすく覚えやすいですね。

奥(底面色に加えて左下の奥面と同じ色を含む隅)が”前”下にある場合は、
BaseS_BCornerS.jpg
底面色が、

S面(左)を向いていたら : g s- g- (n)

B面(下)を向いていたら : g (n) s- g-

E面(右)を向いていたら : g- s n- g (n)

で左右底奥が揃います。

S面(左)向きとE面(右)向きでは手順の最後に n を廻すだけでいいのでやりやすいですね。

このあたりも、丸暗記するよりは基本手順にどう手順を追加するかを考える方が廻しやすいでしょう。雰囲気がなんとなく分かっていたら、覚えて無くても、インスペクションでなんとなく考えられると思います。(n-) g (n-) s- g-, g (n-) s- g-, g s- (n) g- (n), g (n) s- g-, の 4つはちょっと大変なので、諦めて覚えるか、廻してから考えるかしても良いでしょう。

ちなみに、T底,E底,S底 のどれか一つを覚えておけば、最初に s, s- の 1手を加えるだけで残りの状況を作り出すことができます。そうすると、o, o- 回転を避けられて良いかもしれません。また、鏡手順で把握できるのであれば、全体の記憶量を半分にすることもできます。その辺も、全部覚えてしまうことまで含めて、やり方は人それぞれだと思います。

posted by じゅうべい at 15:18| Comment(0) | スキューブ

2024年09月26日

スキューブ左右揃いからの底奥入れ2:E底

9/19 に続いて、スキューブでの左右が揃っている間に底を入れる場合の続き、今回は E底から入れる場合についてです。
左右が揃っていない場合については、過去記事の、S底(底が前左)、E底&N底(底が前右および奥右)、W底&T底(底が奥左及び上面)をご覧下さい。

J式スキューブの回転記号を再掲しておきます。反時計回りでは各記号に"–"が付加されます。
Skewb_rotation.jpg

前面右を私は E面と呼称しています。島内先生由来の方位を基準とした J式333 の回転記号を再掲しますが、
notationLletter_ew.jpgnotationLletter_sn.jpgnotationLletter_tb.jpg
n x n x n なら、ここを廻す動作が e, e- (WCA表記なら R, R')だからです。ここに底がにある場合は E底と呼びます。

奥(底面色に加えて左下の奥面と同じ色を含む隅)が左上にある場合は、
BaseE_BCornerW.jpg
底面色が

奥を向いていたら : o- (n) s o

上を向いていたら : o s- n o-

前を向いていたら : (n-) o- s o

カッコ書きについては前回と同様で、左右揃いE底、つまり左右が揃っている間にE面(右面)から底を入れる手順は、o- s o, o s- n o- の 2通りがあります。左上隅にある奥の底面色が上を向いていたら o s- n o- で底を入れるのと同時に奥も正しい向きで正しい位置に入ってくれますが、W面(左奥面)を向いていたら、底を入れる o- s o の途中に n を追加する必要があります。同様に S面(左前面)を向いていたら o- s o の前に n を追加する必要があります。この追加分をカッコに入れて示しています。

手順の途中に追加廻しが入るのは混乱を生みますが、手数短縮のためには已むを得ません。

奥(底面色に加えて左下の奥面と同じ色を含む隅)が”右”上にある場合は、
BaseE_BCornerE.jpg
底面色が、

奥を向いていたら : (n) o s- n o-

上を向いていたら : (n) o- (n) s o

前を向いていたら : o- s o

で左右底奥が揃います。

この E底右の上向きでの、追加が二回入る手順はかなり厄介ですが、これも仕方がありません。

奥(底面色に加えて左下の奥面と同じ色を含む隅)が”奥”下にある場合は、
BaseE_BCornerN.jpg
底面色が、

W面(左)を向いていたら : o- s o (s- n-)

B面(下)を向いていたら : (n) o- s o

N面(右)を向いていたら : o- s (n-) o (n-)

で左右底奥が揃います。

B面(下)を向いている場合は、三隅が位置も向きも揃っている状態で上面から底を入れることになりますが、n のあとに3手の基本手順で入れられます。これは覚えておきたいですね。

奥(底面色に加えて左下の奥面と同じ色を含む隅)が”前”下にある場合は、
BaseE_BCornerS’.jpg
底面色が、

S面(左)を向いていたら : o s- n o- (n-)

B面(下)を向いていたら : o- (n-) s o

E面(右)を向いていたら : o- s o (n-)

で左右底奥が揃います。

S面(左)向きとE面(右)向きでは手順の最後に n- を廻すだけでいいのでやりやすいですね。

底が E面にある場合は左手で o, o- を廻さなくてはいけないのが大変ですが、これも慣れれば意外と廻せます。恐れる必要はありません。

底が S面(左前)にあるときの手順はまたの機会に。


posted by じゅうべい at 18:30| Comment(0) | スキューブ

2024年09月24日

フィッシング詐欺にご注意を

土日に父対応をして、月曜の祝日は実家からやや離れたところにあるお墓参りをして、新幹線で帰ってきました。夜行バスよりは費用が掛かりますが、これなら家族と夕飯を食べられますから。

なので、珍しく父の家に一人で泊まることになり、片付けをしたり、コンビニ弁当での夕飯を食べたりして、やや疲れも感じていたので、夜の 8時ごろ、パソコンで調べ物を始めました。父とは最近『漢字メイトmini』などの雑誌で漢字クロスワードを解いたりしているので、漢字についての検索をしていたのですが(Windows 10, Google Chrome)、

まさしくこんな漢字の画面 が表示されました。

かつて BTOパソコン.JP の毎日の更新を楽しんでいて、こんなフィッシング詐欺についての記事も読んだりしていたものですが、2021年6月以降は更新されなくなり、その手の情報にやや縁遠くなっていたかもしれません。父を無事に施設に帰してホッとしたのもあり、また疲れを感じていたのもありました。

きれいに引っかかりましたね。

職場のパソコンも自宅のパソコンも音声は切っているのですが、父のパソコン(もはや父は使えていませんが)は音声が鳴るので、派手に警告メッセージが流れます。「このパソコンは外部から操作されています。電源を切らないで下さい。すぐにマイクロソフトのサポートセンターに電話して下さい」と繰り返し、切迫感のある声で訴えられます。

画面だけなら、気にせずにすぐに電源を切ったと思います。音声はパニックを誘導しますね。うまいなぁ、と今なら思います。

なぜか 010-123〜の電話番号を疑いもせずにダイヤルしました。知っている人には常識で、以前なら 050〜だったのが昨年秋から 010 から始まる国際電話(010 のあと 1〜なら北米)の電話番号にかけさせるサポート詐欺については様々なところで報道されています。

で、これも新聞サイトマイクロソフトのコミュニティーにもあるように、親切そうな、片言の日本語を喋る、中東系かインド系の男性が、写真入りのサイトを見せてきて、”私はマイクロソフトの〜〜です、調べればすぐに分かります」と言ってきて、さらに「そのパソコンの感染状況の確認のために、遠隔操作をするアプリをインストールして欲しい」と言ってきました。

典型的な手口ですね。これを信じて言われるがままに実行してしまった自分が恐ろしいのですが、パニックに陥っているときはこういうものなのだと、身に染みて感じました。IT企業に勤務している方が引っかかるくらいですから。

遠隔操作アプリをダウンロードしてインストールさせられ、「ネットバンキングはしていませんか?」、と二度ほど訊かれましたが、父のパソコンだったことが幸いしました。何もしていませんでした。また、個人情報に関するファイルも全然無く、自宅と職場のメールアドレスがメールソフト(ThunderBird)にあったくらい、受信メール 6通、送信も 3通くらいしかありませんでした。

「McAfee のアンチウィルスソフトをインストールしてあげます。サブスクリクションで、5年なら 6万円、10年なら 8万円で 2台まで、生涯保証なら 12万円で 4台までインストールできます。どれにしますか?
「5年の 6万円ので」
「もう一度訊きます。10年保証の方が絶対にお得ですよ」
「いえ、5年ので」
「じゃあ、今すぐ払って下さい」
「銀行はもう閉っていて」
「近くにコンビニはありますか?」
遠隔操作で、IP を通じてでしょう、自宅付近の地図まで表示されます。
「セブンイレブンまで 5分くらいです」
「Apple カードで 1000円から 10万円まで払えるカードがあります。コンビニの ATM でお金を下ろしてそのカードを 6万円を払って買って下さい。店員に質問されたら、コンピューター用に使うことが分かったら税金が 30%かかります。子どものゲーム用に買う、と言えば大丈夫です。電話は切らずに、さあ、いってらっしゃい」

どっからどう見ても明確に詐欺ですね。深夜にいきなり金を払わせるのは詐欺以外ありません。

それを、”深夜なのにすぐにサポート対応してくれるなんて親切だなぁ”と思ってしまうのが、騙される人間の心理状況ですね。最初は無料対応と思わせて、安価な対応に思わせて、続いて 6万円を請求してくるのも上手な手口です。無料なら、と思って”まずはサポートセンターに”と電話してしまいましたから。

戻ってきたところで、
「四角に囲われているところの16桁の ID番号を入力して下さい」

この手の入力については数度確認する癖がついているので、間違っていない自信があったのですが、

「エラーが出ました。カメラがあればカメラで番号を撮影させて下さい。カメラがあるかは、今こちらで確認しています。ありませんね。では、パソコンにプリンターがつながっていますか?それでスキャンさせて下さい。ああ、ここの 2文字が逆になっていました。アップルからの支払いは停止されてしまいました」

スキャナーの操作をしている間に書き換えたのでしょう。これまた慣れていて、上手なやり口でした。

「あなたの口座番号を教えて下さい。6万円は返金します。ただ、保証金としてもう 6万円、合計で 12万円振り込みます。ですので、今度は Appleカードで 12万円、買ってきて下さい」

これを信じてしまうのですから、詐欺に引っかかったらなかなか抜け出せなくなるのを、今では恐ろしい体験として実感しています。

ところが、この点ではラッキーでした。コンビニに到着して夜の 9時をまわっていました。コンビニATM では夜の 9時以降はお金を下ろせないのです。

そろそろ”なんか詐欺っぽいな”と感じつつ、戻って
「すみません、日本のコンビニATM では夜の 9時以降はお金が下ろせません」
「分かります、私、いま東京の品川にいます」
…010-1〜なので北米にいるのですけどね。

「近くにマツモトキヨシはありますか?」
「ありません。ATM でお金を下ろせるのは明日朝 7時からです」
「それは早いですね。昼間に、いつならお金を払えますか?」
「新幹線に乗って自宅に帰るので、自宅に着くのは夕方 5時半、いえ、17:45 でしょうか」
「その時間に電話します。それまでに Apple カードで 12万円用意しておいて下さい」

そこで電話を切りました。

直後に、奥さんに電話しました、「こんなことがあってさぁ」
「絶対詐欺じゃん」
「あ、やっぱり?」

途中から、うすうすは感じているのです。でも、なかなかそれから抜け出せない、そこが心理誘導の手口ですね。

奥さんには
「この前、一緒に詐欺についてのテレビ番組を見たじゃん。そう言うのには引っかからないと思っていた」
「俺も、そこそこコンピューター関連には詳しいつもりでいて、大丈夫なつもりではいたんだけどなぁ」
「そういうのって、まずは LANケーブルを引っこ抜くよね。ああ、いま調べたけど、Ctrl + Alt + Delete でタスクマネージャーを立ち上げたら、そこからその画面を閉じることができるよ」
「言われてみたらそうだけど、そのときには考えもしなかったなぁ」

私を責めないでくれて助かりました。

被害が 6万円で済んだのは幸運でした。上記の新聞記事では 107万円とか。私も、夜9時の払い戻し制限がなければ、追加で 12万円、合計 18万円奪われていました。いえ、もっとやられていたかもしれません。

自宅に着く前に、やや大きめの警察署に行ってみました。祝日の 17時半でも対応してくれました。

「詐欺の相手からもうすぐ電話が掛かってくるんです」
「ああ、それは出ないでください。電話が続くようなら”警察に言った”と言えば、もう掛かってこなくなりますよ」

あまりに一般化している詐欺だったからか、警察の対応は淡々とした事務手続きに終始しました。事情を話し、写真を、私と証拠物件を合わせて撮影されて放免されました。…事件が起こった管轄に連絡するものだそうですが、実家は朝 7時に出て、お墓参りもしたら新幹線の時間ももうギリギリでした。

銀行口座の口座番号も伝えてしまいましたが、“振り込みのため”と言っていましたし、そこで暗証番号などを聞いてきたら、さすがに私も怪しいと感じたでしょう。口座番号だけでは何もできないはず。実際、銀行に話してみましたが、怪しい動きはなかったようです。口座残高も問題ありませんでした。

“自分は大丈夫”、”引っかかるわけないじゃん”と思っている人ほど引っかかる、とよく聞いてきて、またいろいろな記事も読んできましたが、見事なまで引っかかりました。

絶対に必要なのが、人と話すこと。他人の視点で考えられたら、冷静になれるものです。それをさせないのも詐欺の手口ではありますが…。

お恥ずかしい限りですが、引っかかりを繰り返さないための備忘録として、また注意喚起として、体験を長々と紹介させていただきました。みなさんも、どうぞお気を付け下さい。

posted by じゅうべい at 11:30| Comment(0) | 日記