キューブが置いてあれば手に取ってみようとする人は年配者から少年少女まで変わらないと思います。“ルービックキューブ”は日本において、玩具の知名度としてはかなり高い方と言えるでしょう。
「やり方知って「ルービックキューブは覚えゲーなんだな」って気付いて諦めたらしい人からは、そんなにパターン覚えられて単純作業が苦じゃないならエンジニアじゃなくて銀行員とか公務員の方が向いてるし、エンジニアなら頭の体操としてやった方がいいって言われた」
とありましたが、3x3x3 を解くだけならそんなに「記憶量が莫大な単純作業」ではありません。野球のルールの方が複雑です。小学三年生の娘が覚えている漢字の量の方が記憶量として多いでしょう。
やる気が起きない人が、できている人に対して揶揄するのは仕方がないことです。受け流すしかないでしょう。
「4文字ごとの小話の間に適当な接続語(しかし、なぜなら、すると、一方その頃、...)を入れる」
なども感心させられる工夫でした。
MBLD ほどの莫大な記憶量ではない「3x3x3 を解く」ことについて、「ルービックキューブって、どうせ覚えゲーでしょ」、と言われるのは相も変わらずとは思います。また、キューバーとして世間で認知されるほどの結果を出している人が、解くことを諦めた人から上から目線で見下されることも、残念ながらよくあることとは思いますが、馬耳東風でやり過ごすしかありませんね。
「キューブ難しそうって言う人には、ピアノの譜面を覚えるのと同じ、とか、ダンスの振り付けを覚えるのと同じ、とかテキトーなこと言ったりするんだけど、納得感が様々なので、厳密さは置いておいていい感じの比喩表現のレパートリーを増やしたい」
野球において、ボールを投げる距離に応じて球離れについての指先の感覚を覚える、というのも似ているかもしれません。長距離走において、距離や疲れ方、路面の状態に応じて足幅、足の降ろし方、足の蹴り方も臨機応変に調節するのも同様ですね。対人関係の距離の取り方も同様で、結局、人生は全てが覚えゲーと言えそうです。
3x3x3 を解くだけなら、似ているのは数学の因数分解とか幾何の角度の問題かもしれません。鉛筆で書いた方が解き方は身につきますが、必ずしもそれは必要ではなく、体を使わずとも解けるようになる人もいます。キューブ系パズルを速く解くには、実際に廻してみるしかありません。
昨日、娘の”子ども会社企画”に付き添いましたが、見ているだけで暇なので、前回同様に、3x3x3, 2x2x2, スクエア1の手順確認をしまくっていました。そしたら、前回も声をかけて下さったボランティアスタッフの方が、休憩時間にまた声をかけて下さいました。私が日常的に鞄に入れているのは
MoYu の HuaLong(華龍)ですが、それを軽く崩して渡してみたら、さすがはジャグリングとマジックをなさっている方で、素晴らしい指さばきを見せて下さいました。…日本配色に戸惑っておられました。ごめんなさい。
そのあと、
「今日は僕のキューブも持ってきたんですよ」
と見せて下さったのが、
X-Man Tornade、「本当は GAN が欲しいんですけど、ちょっと高くって」と仰っていたので、そのシリーズで最安価の Standard かもしれません。
…ぜんぜん廻せませんでした。すんごく時間がかかってようやく揃えられましたが、恥ずかしかったです。
・HuaLong と比べて、リバースコーナーカットが狭いのか、よく引っかかる
→これは私が HuaLong を廻しまくっていて、良い感じに削れているだけかもしれません。
・赤と緑を見間違える
→静止状態なら見分けがつきますが、廻しているときに慌てて判断している状態では、本当に見分けがつきませんでした。あとで「
赤緑色弱で赤と緑が見分けにくくて…。新しく買ったときにはまずステッカーを貼り直します」と言い訳しましたが、ますますダサかったです。
・磁石の恩恵が感じられなかった
→これは私の廻し方の問題なのでしょう。一回だけぷにょっと想定外に廻ってくれて「ああこれが磁石アシストなんだ」と思ったことはありましたが、他は「引っかかって廻しにくいキューブだなぁ」と思い続けていました。そこで集中力を削がれると手順を間違う、という悪循環もあり…というのも言い訳ですね。お恥ずかしいです。
その方は、「手順は全然覚えてなくって、力業で廻してます」と仰っていましたが、非常に廻し方がスムーズで、見ていて魅了されるほどでした。私は手順を覚えているぶんだけ手数は減らせていると思いますが、廻し方がきっと雑なのでしょうね。
指に神経が行き届いている方は、指廻りだけでかなり高速に 3x3x3 を解くことができるでしょう。私のように、目も指も頭の廻りも遅い人間は”手順を覚える”という力業で闘うしかありませんが、競技がスピードキューブである以上、勝てない勝負なのも明らかです。
さりとて、トップキューバーとは手順の記憶量だけでも勝負になりません。しょせんは下手の横好きですね。
でも、廻していて、トリコンに参加していて楽しんでいるのですから、それで良いのでしょう。
「MBLDでパーフェクトが出るのは奇跡であると考えて良いです」
には驚かされました。そんな恐ろしい競技に挑戦する人々はとんでもない記憶精度で、全てを完璧にこなしてしまうのだろうと思っていましたが、人間っぽさが感じられて少し安心しました。まぁ雲の上の方であることは変わりませんが。
キューブへの関わり方も楽しみ方も人それぞれ。互いを尊重し合えるといいですね。
posted by じゅうべい at 14:26|
Comment(0)
|
キューブ一般