2022年11月04日

傀儡魔方1号 Puppet One19:遅くてガックリ

11/3 の綾瀬大会A、みなさん楽しまれたようで何よりです。クロック,スキューブ,スクエア1が揃った大会なんてなかなか見られませんね。スキューブを高速で廻すんな動画を見てしまうと、とても参加するだけの力はないなぁと思ってしまいますが、見てみるだけでも違うかもしれないな、とも思いました。娘も8歳になり、一人で遊べるようになって、家を空けても大丈夫になっていることを感じるので、機会を見つけていって見たいと思います。

今週のトリコンではスキューブと 222 でいつもの3倍のタイムを連発したりして、落ち込んでいます。妻と娘が妻の両親と一泊旅行に行ってくれて、睡眠はたっぷり取れたのに…。まぁ、11/6 にはヴァイオリンの発表会があるので、キューブで落ち込んでいる暇はありません。

傀儡魔法1号、Puppet One
Puppet1_solved.JPG Puppet1_te.JPG

も、「そろそろ良いタイムが出せるんじゃない?世界記録に挑戦だ!」などとたわけたことを言っていたのですが…。

最近の 12回で 最速 / ao5 / a012 / 最遅 = 2:27.73 / 5:31.15 / 5:20.77 / 8:26.81

いやいやいや、「ご冗談でしょう、ファインマンさん」ですね。ワケの分からないラッキースクランブルで、2:27 と 2:29 は出しましたが、手順をミスって派手に崩壊することを普通に連発ています。特に最後の小角一つの向き替え手順を廻している最中に崩壊したときにはすっかりガックリしてしまいますね。

5分半ばがせいぜいです。私ごときが世界と戦えると思ったのがそもそも間違いでしたね。今年の目標だった「単発でいいから、3x3x3 で一度でも 30秒を切る」も現状では難しそうです。大会に出る方の指使いも判断の速度も、本当に素晴らしいものですものね。

前回、成形で十字門を大量に紹介しましたが、あれでも半分程度で、全部を紹介しようとしてもキリがない気がしてきました。実際、自分で廻していても、「なんとなくこれでうまくいきそう」とやっていたら、最後に気付くのは Γ乗りかZ四角、せいぜい三凸くらいで、大量にある十字門や大Z から識別して成形する状況になりません。いえ、十字門の、右縦 左L奥L と 右縦 左L奥品 は出現しましたね。超基本形くらいは把握していても悪くなさそうです。

なので、大Z と風車を少しくらいは紹介しておきましょう、と思ったのですが、ちょっと時間切れなのでまた次回にさせてください。
posted by じゅうべい at 14:19| Comment(0) | Pyramorphix

2022年11月02日

傀儡魔方1号 Puppet One18:十字門の成形

傀儡魔法1号、Puppet One
Puppet1_solved.JPG Puppet1_te.JPG
の成形について、いろいろと紹介していきます。基本中の基本である、Z四角とΓ乗り・十字/中 は昨年末のダイジェストをご覧頂くことにして、まずは十字門から。

配置は 傀儡魔方[復の右]原教程 同様に、小さい四角(以下、”小角”とします)3つが見える向き、上の写真左の向きを基本にします。それをくわえ込んでいる L型の隅を含隅、小角を含まない隅を平隅とします。青の向かいが緑、黄の向かいが白、赤の向かいが橙なのは、一般的な 3x3x3 の世界配色と同様です。

回転記号は以下の J式を用い、"/" のあとに WCA表記を併記しようと思います。単層廻しか複層廻しかは気にしません。
Puppet1_notation.jpg
私の記事の通例ではありますが、そのままなら時計廻しに 90°回転、反時計90°廻しは t- のように "-" を(本来は右肩付き)で、180°回転は t2 のように "2" を(これまた本来は右肩付き)で添えることで示します。面を示す場合は大文字で表記します。稀にですが、左列を廻すことで他の位置関係を保つことがあり、その場合はその回転は w(WCA表記で L)で表します。

十字門、cross gate とでも呼びましょうか、有名なオンラインゲームもあるようですが、イギリスのダラムにある土地名でもあるそうです。

十字門もまた昨年末のダイジェストで紹介したようにいろいろありますが、

十字門・左L右Γ             十字門・左L奥L             十字門・左Γ乗り奥Γ     十字門・左Γ乗り奥品
Pup1_十字門・左L右Γ.JPG        Pup1_十字門・左L奥L.JPG        Pup1_十字門・左Γ乗り奥Γ.JPG       Pup1_十字門・左Γ乗り奥品.JPG
s t- e s- t- e- t e s        e t2 e- s t s- t- s-          s- e s e- s2                   (e t2 e-) t e t2 e- t-
/ F U' R F' U' R' U R F     / R U2 R' F U F' U' F'       / F' R F R' F2                 / (R U2 R') U R U2 R' U'

実際にはこんなものでは済みません。現在確認している十字門だけで 29種類、対称形も含めると、倍の 58種類に達します。まぁ、スクエア1もその成形では、隅と辺が均等の、四角,凧,拳(左右),掌(左右),盾,帆立,樽,茸の 10種類が組み合わさって、上下反転を除いても 10x9÷2+10 = 55種類、隅と辺が不均等なものが3x5 = 15種類、花びら成形の相手が 5種類、合計で 75種類もあるので、変形パズルの成形の数はこんなものなのかもしれません。

左右対称形は、s・e (F, R) を入れ替え、時計廻し・反時計廻しを逆にすると実現できます。右前・左奥を結んだ線を対称軸とするので、十字門は右向き十字門となります。たとえば、一番代表的な、十字門・左L右Γ の左右対称形は、

e- t s- e t s t- s- e- / R' U F' R U F U' F' R'

で成形できます。

私は似た形を、左右の大角の配置で識別しています。まずは右縦から。写真の右は左背面から撮ったものです。

十字門・右縦左L奥品F.JPG 十字門・右縦左L奥品H.JPG
右縦 左L奥品:(e t2 e-) t- s- t s t / (R U2 R') U' F' U F U

十字門・右縦左L奥L_F.JPG 十字門・右縦左L奥L_H.JPG
右縦 左L奥L:(e- s2 e s e t- e- t-)(t- e t) s e- s- e- / (R' F2 R F R U' R' U')(U' R U) F R' F' R'
 →対称形:右向十字門 左縦右L奥L:(s e2 s- e- s- t s t)(t s- t-) e- s e s / (s- t2 s) e- t- e t e

十字門・右縦左L奥横左乗りF.JPG 十字門・右縦左L奥横左乗りH.JPG
右縦 左L奥横_左乗り:(e t e- t) t s e t e- t- s- / (R U R' U) U F R U R' U' F'

十字門・右縦左四奥横品F.JPG 十字門・右縦左四奥横品H.JPG
右縦 左四奥横品:(s t- e2 t) e s e- s- e- / (F U' R2 U) R F R' F' R'

十字門・右L左縦奥品F.JPG 十字門・右L左縦奥品H.JPG
右L 左縦奥品:(e- s2 e) z持ち替え e s e- s- e- / (R' F2 R) z R F R' F' R'
  → n- (B') で 右縦 左四奥横品 (s t- e2 t) e s e- s- e- / (F U' R2 U) R F R' F' R'

十字門・右L左縦奥J左乗りF.JPG 十字門・右L左縦奥J左乗りH.JPG
右L 左縦奥J左乗り:n- 右Γ左L s t- e s- t- e- t e s / B' F U' R F' U' R' U R F

十字門・右L左縦奥横左乗りF.JPG 十字門・右L左縦奥横左乗りH.JPG
右L 左縦奥横左乗り:e t2 e- s- t e t2 e- s t s2 e- t2 s- t2 s e- s t- e z持替 Z四角右前上_前:t e t2 e- t-
   / t s t s- t y-持替 右凸奥中宙:e t e- t2 z- y- 右風車・左L奥L t- e t e- Γ乗り右中・右下 s- t- e- s- e s t

十字門・右L左横品奥へF.JPG 十字門・右L左横品奥へH.JPG
右L左横品奥へ:z持ち替え (s2 t-) 左大Z・下J奥J: s e2 t- e- t- / z (F2 U') F R2 U' R' U'

十字門・右L左横品奥右乗りF.JPG 十字門・右L左横品奥右乗りH.JPG
右L左横品奥右乗り:y-持ち替え (s t- s2 t) s- t2 s t / y- (F U' F2 U') F' U2 F U

十字門・右L左Γ奥右乗りF.JPG 十字門・右L左Γ奥右乗りH.JPG
右L左Γ奥右乗り: e2 t- s2 t x2 y-

括弧で括った部分は、それ以降で基本成形となる場合などを意味します。基本成形は持ち替えも含めて複数の手順があり、そのどれを用いても立方体に成形できます。
いやぁ、それにしても壮観ですね。
Pup1_十字門・左L右Γ.JPG十字門・右縦左L奥品F.JPG十字門・右縦左L奥L_F.JPG十字門・右縦左L奥横左乗りF.JPG
十字門・右縦左四奥横品F.JPG十字門・右L左縦奥品F.JPG十字門・右L左縦奥J左乗りF.JPG十字門・右L左縦奥横左乗りF.JPG
十字門・右L左横品奥へF.JPG十字門・右L左横品奥右乗りF.JPG十字門・右L左Γ奥右乗りF.JPG 
この 11の十字門が全て別物で、別手順が必要なのですから恐ろしいですね。右前からのアングルでは完全に識別できないものもいろいろありますね。

短手数のものも、実は対称形のものもあり、本当に様々です。これでなお一部のみ。写真を撮っていて、私も何度も何度も混乱して、撮り直したり、何が足りないか確認し直したりしていました。

十字門はまだこれでも全てではありませんが、今回はこの辺で失礼します。

posted by じゅうべい at 18:44| Comment(0) | Pyramorphix

2022年11月01日

先週のトリコン・スキューブ、四隅向き替え

第4回瀬戸内キューブオフ会は無事に、楽しげに終わったようで何よりです。このくらいの少人数だと、交流もしやすくていいのかもしれませんね。「目隠しが出来ないと参加しにくいよなぁ」と手順を検討してみましたが、818手順のうち、2手順だけ作ってみて時間切れです。世間の手順で廻せればいいのですが、自分の手順でないと廻せないというのは致命的ですね。理論上は、毎日同様にやれば一年半くらいで手順がリストアップできるはずですが、そこからそれを覚えるのに何年かかることやら。

L R B' U' R' L R' U B L U
SkTrial22L17_1aF.jpgSkTrial22L17_1aH.jpg
右は前から透視したものです。私は日本配色(世界配色とは黄⇔青交換)なのでご容赦を。

J式スキューブの回転記号を再掲しておきます。反時計回りでは各記号に"–"が付加されます。
Skewb_rotation.jpg
私の手順は Rubik'skewb 上級編 のアレンジですが、過去記事の前入れ板上げ中板移動もご覧いただければと思います。

私はかなり頑固に青底で解きますが、青底の廻りに青隅が 4つとも向き替え状態で接していては技の使いようもありません。z y 持ち替えして赤底で解いて、慣れてなくて間違えて遅いタイムを出してしまいましたが、z y2 持ち替えで、
SkTrial22L17_1bF.jpgSkTrial22L17_1bH.jpg
で、e- で右下、w で左下が入るので、前時計 板E上げ、s w s w- s、y 持ち替えして、時計 SE上げ、e g- (e s e- s-) e- g、が分かりやすかったですね。これなら見やすく、間違えずに廻せたと思います。

ただ、実は下段四隅向き替えは可能でした。もちろん、向きが Pi なら青底を上に持っていって Pi上げを廻しますが、今回のような向きが全て風車状にズレている場合はむしろ、

e w e s n s で隅向きが全て揃います。
SkTrial22L17_1cF.jpgSkTrial22L17_1cH.jpg
今回は縦交換が発生してしまったのが残念でしたが、四隅とも対角移動することが分かっていればそれもインスペクションで読めますね。黄橙が奥に行くなら黄赤は右にいなければいけないのに左に行ってしまっています。なので、縦交換上板、e- s- e n- w s- w-、を廻すところまで廻す前に分かっていることになります。

廻し終わって、y2 持ち替えで、
SkTrial22L17_1dF.jpgSkTrial22L17_1dH.jpg
十字・PiE上げ、e g n g- (e s e s) で完成です。

実は、y- 持ち替えしてから、e w e s n s →縦交換上板をすると、なんと PiS上げ、(e- s e s-)x2 で完成します。いえ、手数としては変わりませんが、判断がとても楽になりますね。

y 持ち替えしてからだと、y2 持ち替えから対隅、e (n- g- n g) e- (s g s- g-)、廻しやすく判断もしやすいのですが、手数は 10手、2手長くなります。

せっかくなので、y2 持ち替えスタートも試してみたところ、十字・SE上げになりました。s n e- (g e- g e-) s n、9手ですが、対隅よりは廻しにくいかも。前面のどちらも隅と板が対面色になっていれば十字移動なので、これは判断はしやすいと思います。

もちろん、四隅向き替えで 6手、縦交換上板で 7手、それなら赤底で前半を 7手で終えてしまった方が絶対的に速いのですが、慣れてない配色で色に迷うくらいなら、頑張って四隅向き替えを試してみるのも悪くないかもしれませんね。

すみません、傀儡魔法1号、Puppet One
Puppet1_solved.JPG Puppet1_te.JPG
の成形については、ちょっと長くなってしまったのでまた次回に。

posted by じゅうべい at 11:45| Comment(0) | Pyramorphix