2022年11月18日

傀儡魔方1号 Puppet One20:また世界記録が更新されました

ちょくちょく見に行っているサイト、魔術方塊(台湾の大学の副教授、David Guo氏のサイトです)である動画が紹介されていました。

「日劇「喜劇開場」的主題曲「在懂愛之前」,由愛謬 所唱,在54秒時出現魔方,可以看出,是10元商店的那種魔方。」

"日劇"は日本のドラマですね。あの人気歌手は台湾ではこういう漢字で表記されるのですね。確かにそのミュージックビデオの該当の箇所では、一瞬ですが 3x3x3 を廻しています。廻し方はきれいですが、表面の感じからして、古いキューブですね。稜が尖った感じで、ステッカーが端まであって、でも、隅に白と青が揃ったものが見えたので、日本配色ではないと思います。

ぜひ、だれか(藤木さん?)もっと良いキューブをあげて、解き方も教えてあげて欲しいと思います。

そうそう、4日前に 傀儡魔法1号、Puppet One
Puppet1_solved.JPG Puppet1_te.JPG

の世界記録がまた更新されました。Speedsolving.com の List of Unofficial World Records をご覧ください。

単発 1:27.87、mo3 1:45.19、もはや信じられない領域ですね。達成者の Jonah Catlin さんは直前の単発記録 2:00.53 の達成者でもありますが、You Tube のチャンネル登録者数は 2人!ギターやピアノ演奏を主になさっている方のようです。WCA大会における記録は見当たらず、大会には出ていないようです。

その 1:27.87 のときには隅合わせまでを 30秒くらいで終えています。残りの小角合わせで 1分ということですね。

せっかくなので、私もちょっと廻してみました。…4:05.38、まぁ戦うレベルではありませんね。隅合わせまでで 1分だったので、ラッキースクランブルだったと思いますし、その後も割と悩まずにスムーズに揃えていけましたが、それでもこれだけ掛かりました。

トリコンのスクエア1の上位常連の wajimaji さんが「今週末はPuppetOneに時間を費やそう。」と仰っていました。Rex Cube や面転八面体(Face-turning Octahedron, FTO) のように、この傀儡魔方1号でも、好記録とその動画をあげてくださることを楽しみにしています。

私も余裕が出来たら解いている動画を撮ってみたいとも思いますが、年末進行が厳しいので、早くてもそれは年明けとなることでしょう。

とりあえず解法の詳細は去年の該当記事を、まとめとしてはダイジェストを読んでいただければと思います。


posted by じゅうべい at 16:12| Comment(0) | Pyramorphix

2022年11月16日

私も知らないルールでした

世間で話題になっていたようですが、WCA (World Cube Association)規則では、第10条の完成状態の項にありますが、

10e) パズルの完成とは、全ての色付きパーツが再構成され、かつ以下に示す決められた範囲内にずれが収まっているときである。

10e2) 完成状態まで追加手数を要しない場合、ペナルティは課されない。

10e3) 1 手を要する場合、+2 秒ペナルティが課される。

10e4) 2 手以上を要する場合、未完成(DNF)とする。

知りませんでした。大会に出ていないから、というのもありますが…。

北村暁さんの「あと1手なら+2秒ペナルティとするWCA規則は、割と競技者に寄り添ったルールであるように思う」には共感を覚えました。動画を見ていても、揃った瞬間にマットに放り投げる方も多いではありませんか。あの着地でズレちゃうことも多いと思うのです。

10b) タイマーの停止後パズルが静止した状態のみが検討の対象である。

ですし…。あまり厳しすぎることは言わず、楽しんでやれた方が良いと思います。囲碁将棋のような勝負事や、楽器演奏などでプロを目指すのであればともかく、趣味で楽しむものなのですから。

180°回転でも 1手なのは最少手数競技の手数でも同様ですね。

そうか、スクエア1もスクランブル記号的には”12c3) 「/」は、パズルの右半分を 180 度回転させること。”ですね。わじまじさん右手ホールドでのスクエア1スペインで話題になるほどのスペシャルなものだと思いますが、「スクランブルはどうなさっているんだろう?」と気になったりしました。数学者には、スクエア1の / を左右軸で廻す方 (WCA表記で言えば B2 回転)もおられるようですが…。


過剰に反応しすぎないことって大事ですね。望月シンジさんの「みんなこういうの見て、落ち着こ?」は素晴らしく、一方で北村暁さんの「ちょっとした考え方の衝突が起こったくらいのことを"荒れた"と表現するのは好まない。」にもまた共感を覚えました。

相手を屈服させるように攻撃しあうのではなく、お互いの意見を示し合うことで、相手の意見の良い部分は自分も取り入れることで、互いに高め合おうとする、自分も変わろうとする姿勢は重要だと思います。

大人の考え方を持ったキューバーがいろいろいてくださるのは本当に素晴らしいですね。これも素敵な世代間交流の一つだと思います。

posted by じゅうべい at 11:10| Comment(0) | 日記

2022年11月14日

SuperZ 2x2x2+Skewb の日本語の解説動画の検討

11/6(日) に行われた綾瀬B大会、5x5x5メガミンクスとで日本記録が更新されたのですね。おめでとうございます。5x5x5 は日頃廻していないので雰囲気がよく分かりませんが、メガミンクスが単発 31.33秒、平均で 34.25秒って理解不能の速さですね。私は最近は多少マシになりましたが、底星合わせで 20秒くらい、遅いときにはそれだけで 30秒を超えることもしばしばです。F2L で 1分一桁なら私としてはかなり速いほうです。まぁ、私の速さを世間と比べることが本来おかしいとも言えますが。

日曜は隣の市の芸能文化祭があり、娘とその仲間もバレエの練習の成果を披露しました。フラダンスのグループが5組ほどあり、そのうちの一組では一人の年輩の女性が、始まる前の立ち姿だけで「ああ、この人が一番上手だ」と分かり、踊りが始まっても8人グループで他の人のダンスが全く目に入らないほどの芸の差がありました。才能の差って残酷ですね。一方で、だからといって他の方がフラダンスを一所懸命練習して、その成果を舞台で披露することが無駄なわけではありません。娘のバレエも、本人が本当に満足する出来でもありませんでしたが、あの年ではよく頑張ったと思います。才能を気にするよりも、まずはやってみること、続けてみること、そして舞台に立つことは大事なことで、それで楽しめているなら充分悪くないことだと思います。

ということで、私も、変わらず遅いままとはいえ、スピードキューブは続けていこうと思います。

そうそう、望月シンジさんが、ジェシカ=フリードリッヒ について言及されていましたが、スピソル、SpeedSolving.com WikiJessica Fridrich の項にある通り、CFOP について著し、世間に普及したことで著名な方ですね。私も久しぶりに名前を聞いたので「聞いたことがあるけど…誰だっけ?」と調べてしまいました。技術が一般化すると、開発者の名前は埋もれがちなものですね。研究領域で言えば、たとえば江橋節郎西塚泰美の研究業績が埋もれていくのは日本人として残念ですが、バッハやモーツァルトですら一時期忘れられかけたと言いますし、已むを得ない事なのかもしれません。

そうそう、SuperZ 2x2x2+Skewb
SuperZ_turn222.JPG SuperZ_turnSkewb.JPG
動画作成者のあいどっとちゃんねるさん による 日本語の解説動画 の解法についてですが、

d {(e- b- e b)^4 t (e- b- e b)^2 t-} d- ({ } の中は WCA表記なら、(R' D' R D)x4 U (R' D' R D)x2 U'))

を上白前緑右赤で廻すと((右の写真は x2 持ち替えしたものです)、
SuperZ_otherSol_F.JPG SuperZ_otherSol_H.JPG

動画の説明通り、右上奥隅は隅と三角板の位置がそのままで反時計回転、右下奥隅は隅は時計回転、三角板は
SuperZ_otherSol_3cycle.jpg
前面右上→右面奥下→奥面右下→前面右上と三点移動します。

28手での三点移動は素晴らしいですね。ただ、私は目的の小片をその目的位置に合わせることが手間に感じてしまいました。毎回、どこに何を動かしていくかを考えなければいけないのは大変です。

CFOP の素晴らしさは判断がしやすいこと。揃ってしまった部分についてはもはや考慮する必要がなく、必要な手順だけを判断して、思いだして廻していけば完成します。Super Z における三角板の三点移動法は、手順は短くなるとは思いますが、その判断にかなりの慣れを必要とするように感じてしまいました。

J式の Super Z 解法は手順は長めになりますが、隅位置はもはや崩れないので、三角板の移動についての判断がしやすいことがウリとなっています。どちらが向いているかは人それぞれとは思いますが、少なくとも私はこの方が解きやすく感じました。

いろんな解き方があって良いと思います。気が向いたらどうぞお試しください。

posted by じゅうべい at 17:11| Comment(0) | 立方体と曲線