2022年10月28日

傀儡魔方1号 Puppet One17:成形の一例

傀儡魔法1号、Puppet One
Puppet1_solved.JPG Puppet1_te.JPG
廻してみるといろいろ嵌まりますね。

配置は 傀儡魔方[復の右]原教程 同様に、小さい四角(以下、”小角”とします)3つが見える向き、上の写真左の向きを基本にします。それをくわえ込んでいる L型の隅を含隅、小角を含まない隅を平隅とします。青の向かいが緑、黄の向かいが白、赤の向かいが橙なのは、一般的な 3x3x3 の世界配色と同様です。

回転記号は以下の J式を用い、"/" のあとに WCA表記を併記しようと思います。単層廻しか複層廻しかは気にしません。
Puppet1_notation.jpg
私の記事の通例ではありますが、そのままなら時計廻しに 90°回転、反時計90°廻しは t- のように "-" を(本来は右肩付き)で、180°回転は t2 のように "2" を(これまた本来は右肩付き)で添えることで示します。面を示す場合は大文字で表記します。稀にですが、左列を廻すことで他の位置関係を保つことがあり、その場合はその回転は w(WCA表記で L)で表します。

まぁ、騙されたと思って廻してみてください。t e t e- s- t- s (U R U R' F' U' F) で
Pup1SP#1a_rightTower.JPG
Γ乗り右中の y z 持ち替え型です。子ブタみたいで可愛いかも。Γ乗り右中・右下右、とでも呼びましょうか。ここからは、s- t- e- s- e s t (F' U' R' F' R F U) でも立方体に戻せます。

ここから s- t2 s t- e- t- (F' U2 U U' R' U'、最初の s- は一つ前の最後の s とキャンセルになりますがご容赦を)で
Pup1SP#1b_crossTowerLfloatF.JPG Pup1SP#1b_crossTowerLfloatH.JPG
Γ乗り右十字・左中浮きになります(右は背面から見た写真)。

ここからさらに、e t e- s2 t- s- t e t- (R U R' F2 U' F' U R U') で
Pup1SP#1c_BigZnoRotBbarF.JPG Pup1SP#1c_BigZnoRotBbarH.JPG
廻らない右向き大Z・下横奥縦となります(右は背面から見た写真)。

この辺りで、知らない方はもうパニック状態に陥ることでしょう。さてさて、どうしたものやら。

ところが、ここで t e- s2 (U R' F2) で
Pup1SP#1d_ZSqLUfrontF.JPG
あら、Z四角・左上前、ですね。

s- t2 s t (F' U2 F U) で立方体に戻りました。直前の s2 がこの Z四角の最初の s- とキャンセルになりますが、ご容赦を。
Pup1SP#1e_cubic.JPG
もちろん、ここからは y- x- 持ち替えして、含角時計・平角左対角交換手順、
(s- e- s- e s)(e- s- e t s- t-)(s t s e- s- e)(t s- t- s-) / (F' R' F' R F)(R' F' R U F' U')(F U F R' F' R)(U F' U' F')
が必要になり、それを廻しても、さらに小角合わせが必要にはなりますが、まずは立方体に戻せることが重要ですね。

ともあれ、傀儡魔方1号の成形は、どうにかして何か見たことがある形にできないか、を探ることが重要になります。その、見たことがある形が多ければ多いほど有利ですね。スクエア1は 8通りの過不足ない形と 3通りの隅が多い形、5通りの辺が多い形、と形が限定されていて、深い 5層以下に潜った場合も、多くの場合は楓−凧上欠を経由して戻ってくる、などと解析が進んでいますが、このパズルはまだ謎が多く、探究心をそそりますね。

私も、久しぶりに嵌まりました。しばらく戻せず、いろいろ試していましたね。戻せたときには「な〜んだ」となりましたが、ある程度の慣れが必要なのは事実です。ですが、始めたばかりの人にはそれは辛いですね。

まずは Z四角とΓ乗り・十字/中 だけでも把握しましょう。昨年末のダイジェストをどうぞご覧ください。

あとは十字門・大Z・風車が多く遭遇することと思います。次回は十字門を紹介したいと思いますが、探れば探るほど数が増えていって、途方に暮れているところです。

十字門も、まずは 左L右Γ
Pup1_十字門・左L右Γ.JPG
s t- e s- t- e- t e s / F U' R F' U' R' U R F

が出現頻度が多めに感じますので、これだけは押さえておきましょう。

posted by じゅうべい at 17:42| Comment(0) | Pyramorphix

2022年10月27日

傀儡魔方1号 Puppet One16:成形の詳細の前振り

前回Kotobade Asobou 言葉で遊ぼうについて偉そうなことを書いてしまいましたが、昨日、早速また敗れ去りました。

前回記事同様、このブログでは文字に着色できないので、文字が位置も含めて合っている場合は [ ] で括り、含まれるけれども位置が合っていない場合は ( ) で括って示します。

01. が ん ば る
02. [し][ょ] っ く
03. て つ ど (う)
04. か き け す
05. あ じ さ い
06. た に ま ち
07. は な ふ だ
08. せ と も の
09. ひ め ぎ み
10. そ こ わ れ
11. や ま ぶ[し]
12. [し][ょ][う] り

答:しょうご

03 で しょう○ が確定しているのに、05, 07, 08 でありもしない、しょうあ,しょうは,しょうな,しょうだ,しょうせ,しょうと,しょうも、などを試してしまっているのが愚かですね。決まった語を考えもせずに並べていくと、このように嵌まってしまうという典型例でしょう。

最後、ようやく慌てて、消費、将棋、正味、勝訴、証拠、昭和、庄屋、勝負、少子(一番盲点となる重複)などをつぶしていきましたが、時既に遅し。二択に敗れ去りました。り も ご もあまり使われない文字だけに、どちらを狙ってくるか、で、ラ行を濁点より優先したのですが…。

検索エンジンで しょう○ 4文字は 92件ヒットしたので、つい無造作に、できるだけ多くの文字をつぶすことを心がけましたが、そういうときこそ、できるだけ可能性がある語を多く試すことを意識して、頭を使っていかなくてはなりませんでしたね。以後気をつけます。

さて、今週の頭くらいまで、傀儡魔法1号、Puppet One 関連のアクセスが多くありました。
Puppet1_solved.JPG Puppet1_te.JPG

詳細は去年の該当記事を、まとめとしてはダイジェストを読んでいただければと思いますが、どうも成形に苦しんでおられる方が多いように感じました。

私も当初は 2手廻しただけで戻せなくなり、苦しい時間を過ごしたものでした。実際、上の右の写真は t e (U R) の 2手しか廻していませんが、ついうっかり戻そうとして、さらに t e- (U R') などと廻してしまうものですね。そうなると、慣れてない方はもう戻せないと思います。

実際はさらに t- (U') を廻すことで、あとは x y 持ち替えをすると、Γ乗り・前十字(左から順に、前, 左, 下, 背面)
Pup1_ese-s-e-_S.JPGPup1_ese-s-e-_W.JPGPup1_ese-s-e-_B.JPGPup1_ese-s-e-_N.JPG

となるので、e s e- s- e- / R F R' F' R' で立方体に戻すことが出来ます。

慣れてくると、Γ乗り・前十字の派生形として、

Γ乗り・前十字・右上_前:@t e t- e- t- / U R U' R' U, Ae- t- e- t e / R' U' R' U R

と、持ち替えなしで、さらに 2通りの方法で戻せることが分かるようになります。

そのダイジェストにも書きましたが、Z四角,Γ乗り(十字/中),三凸,十字門,大Z のどれかにまで戻せたら立方体に戻せるでしょう。

全然戻せなくて混乱している状況では、e, t, s (R, U, F) のどれかしか廻せないことが多いでしょう。正時計には廻せないけど反時計には廻せる、実は 180°回転なら廻せる、など盲点となる状況も多いので、いろいろ試して廻していると、上記のどれかになることも多いはずです。小角を含まない”平角”を 4つか、せめて 3つ揃えられれば、あとはもう少しです。

ただ、たとえばそのダイジェストにも書いた通り、Z四角も 8種類あり、十字門に至っては現在私がリストアップしているだけでも 27種類。もちろん出現頻度の高い主要なものは限定されていますが、慣れてないと見間違えて、さらに混乱してしまうものですね。

それらについて、これから多少詳細に紹介していこうと思います。せっかく、傀儡魔法1号、Puppet One は SuperZ や Icosamate とは異なり、現在も品切れでなくて入手しやすく、さらに安価でお得です。できれば多くの方に楽しんでいただけたらと思います。

posted by じゅうべい at 13:11| Comment(0) | Pyramorphix

2022年10月24日

Kotobade Asobou 200戦で勝率9割

前回Wordle について書きましたが、その日本語版、Kotobade Asobou 言葉で遊ぼう も同様に今年の1月下旬〜2月中旬に話題になり、また同様に沈静化してしまいましたね。

こちらも私は同様に続けていて、Wordle よりやや遅れましたが、こちらも 200戦を達成しました。
WordleJP_200stat.jpg

こちらは Wordle とは異なり、土日で休んでも連勝記録には影響しません。8/11 きんだい を当てられなかったのを最後に、連勝を続けています。初期は外すことも多かったのですが、このところは好調です。システムの何かのミスかトラブルなのか、1つめ・2つめで当てたことは私はありませんが、このヒストグラムでは1回づつ達成したことになっています。3つめで当てたのは確かに、4/21 しあがる, 7/23 あんぜん、で二回達成していますが…。

こちらも初期は(前回記事同様、このブログでは文字に着色できないので、文字が位置も含めて合っている場合は [ ] で括り、含まれるけれども位置が合っていない場合は ( ) で括って示します)、

22/2/21                         22/3/8
が [ん] ば る                    が(ん)ば る
あ [ん] ご [う]                   ゆ う  か [ん]
い [ん] ろ [う]                  [さ][い] だ[ん]
(こ)[ん] ど[う]                 [さ][い] ぜ[ん]
さ [ん][こ][う]                  [さ][い] れ[ん]
か [ん][こ][う]                 [さ][い] し[ん]
お [ん][こ][う]                 [さ][い] き[ん]
ぎ [ん][こ][う]                 [さ][い] た[ん]
な [ん][こ][う]                 [さ][い] す[ん]
げ [ん][こ][う]                 [さ][い] な[ん]
し [ん][こ][う]                  [さ][い] じ[ん]
て [ん][こ][う]                 [さ][い] み[ん]
答え                                答え
[け][ん][こ][う]                [さ][い][さ][ん]

見事な外しっぷりですね。こういうことが多発するのもあり、未使用文字をつぶしていくことは Wordle よりこちらで先に始めました。

こちらも Wordle 同様に、サイト”検索エンジン”の助けを借りるのは”有り”としています。どちらもおそらくはクロスワード対策用に用意されたものではないかと考えています。〜で始まる単語、のあとに文字数を 2〜7、さらに”文字以下”・”文字ちょうど”・”文字以上”を設定することもできます。○で始まり×で終わる単語、を検索することもできますが、意外と使い勝手が悪いので、私は基本的には用いていません。

こちらについても、私は1つめの語には”がんばる”を使ってきました。朝一番で試して、その日一日を頑張っていく、そういうパズルであることを望んだものです。たまに“こんな単語を朝っぱらに見せられたら、人々もげんなりするだろうに”という語が解答だったこともありますが、おおむねは良心的で、多くの単語が”社会人が仕事でも関わることがよくある日常語”から選ばれていることには好印象を感じています。

いえ、最初の4回は”あいさつ”で始めていましたが、このパズルでは動詞が解答になることが盲点となることが多いので”がんばる”で語尾の“る”を確認するように変更しました。しりとりでは動詞は使えませんが、このパズルでは動詞も形容詞も間投詞も、容赦なく出題されます。

次は語尾の”う”にもいろいろやられたので、がんばる→にぎわう、で試すようになりました。4/6 では、がんばる→にぎわう→あおぞら→びろーど→やまもり〜、の順に試していましたね。5/22 に ABAB型、われわれ・きらきら、のような語は出題されないことが決まり、7月上旬には答がカタカナ語の場合は文字を選ぶ選択板の文字もカタカナで表示されるように変更されました(実際に、出題がそのように行われたのは 7/5 シーズンから)。ですので、”びろーど”は普通のひらがな出題の時には試さなくなりましたね。

拗音ょ・促音っ にも嵌められることが続いたので、2つめの語には”しょっく”を用いるようになりました。出題がひらがな語でも、カタカナ語を入力しても受け付けてくれるので、試せるのがありがたいですね。

現在は、がんばる→しょっく→てつどう→かきけす→あじさい→たにまち→はなふだ→せともの→そこぬけ→ひめぎみ、と試していっています。ひめぎみ まで行くときは、だいぶ危うい状況ですね。

ポイントは、1・2文字が位置まで判明したとしても、すぐに当てにいかないこと。頭の中で「もうこれしかないでしょ」と思える状況まで、上記の語を順に試して未使用文字をつぶしていき、頭の中で確定できたところで、検索エンジンで検索をかけます。いやぁ、驚くほど想定から抜けた語が見つかりますね。

リストアップを上から眺めても見落とすことは多々あるので、3文字が位置まで確定した状況で、4文字目を五十音順に試していきます。漢字変換して熟語で変換できたら Excel シートに残しておきます。

候補が絞れたら、その中の文字をできるだけ多く含む単語を、また語尾検索エンジンで探して、「これだ!」という単語を入力して試します。4文字中、3文字しか含めることができなくても、含められなかった文字が正解、または正解のヒントとなるので、あまりこだわり過ぎずに探します。マニアックな語は”リストにありません”と入力を弾かれますし。

このパズルにおける頻度分析は、
WordleJP_Freq50lett.jpg

を,ぁ,ぃ,ぅ,ぇ,ぉ,ぢ,づ,ぴ,う゛ がゼロなのはよく理解できますね。でも、ぬ 0, え 5, わ 2 などは意外かもしれません。総じて、オ段の語は少なめですね。4文字語として少ないだけとも思いますが。

WordleJP_FreqOrder.jpg

順に並べるとこの通り。全ては示しませんが、雰囲気は充分にうかがえますね。何文字目に来る語が多いかにもかなりの偏りがあり、この頻度分析からしたら、かんしん→たいけい、と試していくのも悪くないかもしれません。いえ、未使用文字を可能な限り多くつぶしていく観点からは、それらを最初に使っていくことはお勧めできませんが…。

組み合わせ頻度を示すと、

WordleJP_FreqCombi.jpg

こう示されると、かいしゃ→けんたい、と試していきたくもなりますね。2・4文字目のん・ん,い・い,う・う,の重複は慣れていないうちは盲点になりやすく、注意が必要です。

1つめ”がんばる”で (ん) なら 4文字目ん の可能性が高いので、その場合は語尾が“ん”の語を探すのではなく、他の文字の可能性を検討することを優先します。

9/12
が (ん) ば る
[し]ょ っ く
て つ ど う
か き け す
[し]ゃ し[ん]
あ じ さ い
た に ま ち
は な ふ(だ)
[し][ゅ][だ][ん]

ということもありました。ゃ・ゅ・ょ では ょ が圧倒的に多いのでまずそちらを試しますが、[し]〜の場合は しゃ・しゅ の可能性もあるので恐ろしいですね。重複も怖いので、その5で”しゃしん”を試したのは効果的だったと思います。

かつては”かきけず”の代わりに”おえかき”を用いていましたが、頻度分析で え・お が全然無いことを把握して、用いなくなりました。

”○ょ の○にはイ段しか来ない、その次に”う”が来ることも多い”とか、”○う☆ん型は拗音・促音が入りにくい”とか、また、次にウ段・オ段しか来ない文字もあり、日本語の文字の組み合わせの意外な制限が感じられると、新たな興味も沸いてきますね。最近『大野晋の日本語相談』を読みましたが、いろいろと興味深かったです。

7/25
が (ん) ば る
し  ょ っ (く)
て つ ど  う
お え か  き
あ じ [さ] い
た[く][さ][ん]
[こ] ち と ら
[こ][く][さ][ん]

ということもありました。あじさい の時点で、○くさん と読みましたが、それは、国産,沢山、畜産,特産,白山,目算,翼賛,酪酸,陸産の九択。実質は国産・沢山・畜産・特産の四択だったのですが、つい思いついた”たくさん”を試してしまいましたね。その5より前で当てられる可能性があるのなら、試してみるのも良いとは思いますが、充分に選択肢が多い場合には未使用文字をきちんとつぶしていった方が無難でしょう。

日本語は日頃使っているので、気軽に試せるのは良いのですが、実際にやってみるといろいろ奥深いですね。時間を喰いすぎないよう、ほどほどで楽しんでいきたいと思います。

posted by じゅうべい at 11:36| Comment(0) | 日記