2022年09月06日

先週のトリコンのピラミンクス続き

せっかくなので、と言うのもなんですが、昨日に引き続き、先週のトリコン、2022 後半期 第9節のスクランブルその3〜その5も解いてみましょう。

J式ピラミンクスの回転記号は以下の通りです。もちろん、廻すのは頂点ではなく、面に対して頂点寄りの部分です。
Pyra_notation.jpg
(WCA表記ならそれぞれ、n→B, e→R, w→L, t→U)
J式ピラミンクスは配色固定式 (color stable, CS) で、隅(頂点ではない三面体)の黄赤青が奥、黄青緑が右前、黄赤緑が左前、赤青緑が上にくるように持ちます。

状態の把握のための記号化については、まず下段の三隅については、奥→右→左の順に、そのままで向きが合っている、つまり黄が下を向いているのなら 0、時計廻しが必要なら +、反時計廻しが必要なら - としました。

次に青黄・赤黄がどこにいて、どういう向きを向いているかについて、以下のように番号を振りました。
V_edgeNo.jpg
奥面を上→右→左の時計周りの順に 1, 2, 3、前面を右→下→左の順に 4, 5, 6、です。向きは 0手もしくは 1手で位置が合う場合に向きが合うなら s (standard), 逆なら r (reverse) としました。上記スクランブルの場合は、青黄→青、赤黄→赤と略して、
青6r 赤3s となります。

位置 5 だけ例外で、前面に黄色が向いていれば青黄でも赤黄でも s になります。他は同じ位置でも青黄と赤黄とで s・r が逆になります。赤が 3 で下面に黄なら s、青が 3 で下面に黄なら r になります。

その3:L B R L' U' B U' R' L' U B l r
PyrTrial22L09_3aT.jpgPyrTrial22L09_3aB.jpg
右は上段を取り除いて、下面が上から見えるようにしたものです。

奥右左00+ 青3r 赤6s、ですね。これまた V字作成リストにはありませんが已むを得ません。e w- e- (R L' R') と下前経由で青 3r を処理するのが良さそうですね。残りは n w- n- (B L' B') で V字が完成します。

頂は随時直して、
PyrTrial22L09_3bT.jpgPyrTrial22L09_3bB.jpg
前時計・全、w- t- w t- e t- e- (L' U' L U' R U' R')、最後に t (U) で上段を合わせて完成です。高速に解いた方も多かったようですが、V字→L4E では“普通”としか言いようがない手順となりました。

その4:B' R' U' L R' U R' B' L U L' u' l' r b
PyrTrial22L09_4aT.jpgPyrTrial22L09_4aB.jpg
奥右左-0- 青2r 赤3s、これまた残念ながらリストにはありません。こうなってくると何のためのリストか、と言う気もしてきますが、V字作りの一つの指標くらいに見ていただければ幸いです。e- w- t- (R' L' U') で奥に青辺が合わせられ、さらに n e t- (B R U') で青隅を合わせながら、奥に赤辺が合わせられました。あとは n (B) で完成、通して e- w- t- n e t- n (R' L' U' B R U' B) で V字が揃います。頂を合わせて、
PyrTrial22L09_4bT.jpgPyrTrial22L09_4bB.jpg
あらら、t (U) で完成ですね。L4E スキップです。こんなこともあるのですね。

その5:B' U' R L' R L' B L U R' U' l r b'
PyrTrial22L09_5aT.jpgPyrTrial22L09_5aB.jpg
奥右左0-- 青4r 赤3r、これまた残念ながらリストにはありませんが、仕方がありませんね。e- w n- t- (R' L B' U') で青隅・赤隅の向きを合わせながら奥に赤辺が合わせられ、さらに n- t- (B R U') で奥に青隅を合わられるので、あとは n- (B') で完成、通して e- w t- n- t- n- (R' L B' U' B R U' B') で V字が揃います。8手ではありますが、読みやすく見やすいので悪くないでしょう。廻しやすいかどうかについては私ごときでは判断出来ません。

ともあれ、青辺・赤辺とも r 向きの場合は上段廻しでどちらも合わせられてしまうことが多いように感じています。

頂を合わせて、
PyrTrial22L09_5bT.jpgPyrTrial22L09_5bB.jpg
上隅と赤緑辺が揃っているのが目に付きますね。それを t- (U') で奥に廻して、前時計・左右、 t- e t e- (U' R U R') のあと、t- (U') で完成です。

最後の L4E の判断には多少の慣れが必要のようです。緑黄辺が上段にいない場合および下前にいる場合は上時計・反時計もしくは向き替えで分かりやすいのですが(その場合、どこを反転するかも慣れは必要ですね)、そうでない場合は、緑黄辺以外のどちらかが上隅と合っているかどうかを判断しなければなりません。向きの反転があると厄介ですね。

どちらも合っていなければ、緑黄辺を奥に廻して十字手順、合っているものがあればそれを奥に廻して前時計・反時計手順、私もよく間違います。前時計・反時計の前面二反転の場合は、反転している二つを含む辺を時計か反時計かの方向に廻し、それに引き続く組み合わせを逆方向に廻すとすると覚えやすい 4手手順ではありますが、結局は全部覚えてしまうしかありません。

L4E でスキップまたは 4手手順を引けたらラッキーですね。逃さないようにしたいものです。

私もまだまだ判断が遅いので修練したいと思います。


posted by じゅうべい at 15:08| Comment(0) | ピラミンクス

2022年09月05日

ピラミンクスのV字作りの実際

ピラミンクスのV字作りについて、前回 リストを(全体の十分の一とは言え)提示しましたが、そんなものを羅列的に見せられても分からないものですね。

ピラミンクスのV字作りのポイントとしては、

1.
V字作りは全て8手以内で収まりそう。

9手以上掛かってしまったものも、いろいろ検討して 8手以内の手順に修正することができました。例えば、辺だけが反転している 奥右左000 青2r 赤3r (表記については後で再掲します)は持ち替えて 向き替え・左右、e t- e- t w- t w t- (R U' R' U L' U L U') を廻してしまった方がいいのでは、とすら思いましたが、最終的に、e- n t- w- e n- w (R' B U' L' R B' L) という 7手手順を見出しました。

リストの 333手順中、5, 6, 7 手手順で全体の三分の二を占め、4手手順が 14%、3手と 8手が 8%づつを占めます。リスト作りの後半は短手数手順を優先的にチェックしたのもあり、実際には 6〜8手手順がもうちょっと多めだろうとは思いますが、9手以上にはせずにすみそうです。

2.
右隅・左隅の向きが合っている状態で辺が揃った奥を回転するか、奥の向きが合っている状態に辺と隅が揃っている組み合わせを廻して入れていくのが基本。

世間で普通のピラミンクスを廻す方は、n・n- (B, B') や w・w- (L, L') などはあまり廻さないとは思いますが、指の廻りの悪い私はそんなことに頓着している余裕はないので、廻せる軸は何でも廻します。一方で、混乱を生む面廻しは避けています。空間把握が苦手なのだと思います。3x3x3 でも、私は M, S, E の中層廻しは行いません。

それはさておき、奥や左廻しを気にせずに行うことで、00+ 2s 3s
Pyra_V_n-en.jpg
のような場合、n- e- n (B' R' B) と、奥をいったんどかして、右隅を入れてから奥を戻す、という手順が公式化出来ます。

隅向きを変えるときに、奥に合体して向きが揃っている辺を崩したくない場合は、その回転軸が奥の峰(位置記号で言えば 1 の辺)を通る向きにすることが王道となります。

3. 反転した辺は上回転(t・t-/U・U')もしくは下前を経由する ew (RL) などの動きを必要とする。

ネタを知っていると読むのが楽になりますね。その意味合いを込めて、辺の向きの s (standard)・r (reverse) を定義しましたが、慣れるまでは混乱しやすいと思います。

4. 最初は無理しない。

私もだいぶピラミンクスの V字を読んできましたが、まだまだ読み切れなかったり、読み違えることが多発します。読みはそこそこで済ませて、実際に廻してから、隅や辺の残りがあったら、上記の n- e- n (B' R' B) や e n- e- n (R B' R' B) などでその場で対応していった方が現実的です。リストの手順でも、かなり読みにくいものもいろいろあり、「よく見つけたな」と自分で感心するような手順もありました。多数回解いて慣れてきたら読みやすくもなると思いますが、まずは読み切ることより離れることを優先した方が良さそうです。

4手くらいのラッキーV字を引いたら、L4E まで完全に読めそうですが、そちらもまた要修行のようですね。

ためしに先週のトリコン、2022 後半期 第9節のスクランブルを解いてみましょう。

J式ピラミンクスの回転記号は以下の通りです。もちろん、廻すのは頂点ではなく、面に対して頂点寄りの部分です。
Pyra_notation.jpg
(WCA表記ならそれぞれ、n→B, e→R, w→L, t→U)
J式ピラミンクスは配色固定式 (color stable, CS) で、隅(頂点ではない三面体)の黄赤青が奥、黄青緑が右前、黄赤緑が左前、赤青緑が上にくるように持ちます。

状態の把握のための記号化については、まず下段の三隅については、奥→右→左の順に、そのままで向きが合っている、つまり黄が下を向いているのなら 0、時計廻しが必要なら +、反時計廻しが必要なら - としました。

次に青黄・赤黄がどこにいて、どういう向きを向いているかについて、以下のように番号を振りました。
V_edgeNo.jpg
奥面を上→右→左の時計周りの順に 1, 2, 3、前面を右→下→左の順に 4, 5, 6、です。向きは 0手もしくは 1手で位置が合う場合に向きが合うなら s (standard), 逆なら r (reverse) としました。上記スクランブルの場合は、青黄→青、赤黄→赤と略して、
青6r 赤3s となります。

位置 5 だけ例外で、前面に黄色が向いていれば青黄でも赤黄でも s になります。他は同じ位置でも青黄と赤黄とで s・r が逆になります。赤が 3 で下面に黄なら s、青が 3 で下面に黄なら r になります。

その1:R U' L U B' L U B U L B b
PyrTrial22L09_1aT.jpgPyrTrial22L09_1aB.jpg
右は上段を取り除いて、下面が上から見えるようにしたものです。

奥右左--0 青5r 赤 4s、ですね。リストにはありませんが、e t- (R U') から王道の、n e n (B R B) で V字が完成します。

頂は随時直して、
SkTrial22L09_1bT.jpgSkTrial22L09_1bB.jpg
上反時計・奥右下、t (U) で 上反時計・左右下 t w- t w e t e- (U L' U L R U R')、最後に t- (U') で戻して完成です。

その2:R' U B L' B' L' B' L' U' R' L u r b'
SkTrial22L09_2aT.jpgSkTrial22L09_2aB.jpg
奥右左+-- 青4s 赤 3r、これまた残念ながらリストにはありません。n e で奥に青辺が合わせられますが、そのときに赤辺を赤隅と合わせるために 2手目に w を入れて n w e (B L' R)、さらに w で残すは青隅だけなので、n- e n、通して n w e w n- e n (B L R L B' R B) で V字が揃います。頂を合わせて、
SkTrial22L09_2bT.jpgSkTrial22L09_2bB.jpg
あらら、これまた上反時計・左右下 t w- t w e t e- (U L' U L R U R')でしたね。

私も久しぶりにピラミンクスでもトリコンに参加してみようと思いましたが、事前の csTimer での練習で 20秒台後半から 30秒台を連発したので自粛しておきました。V字は読み間違って入れ直しが続出しますし、L4E も判断に時間を喰った上に読み間違って廻し間違って手順追加を繰り返し、修行のやり直しの必要性を実感しました。

せっかくなのでまたちょっと練習し直してみようと思います。

続きを読む
posted by じゅうべい at 16:20| Comment(0) | ピラミンクス

2022年09月02日

J式ピラミンクスのV手順リスト

約二週間まえ、8月18日にJ式ピラミンクスの V字作りの手順をリストアップする、と書いたのですが、いろいろ用事があったのもあり、ようやく一通りのものが完成しました。

どうもピラミンクスは苦手のようで、以前作ったリストの途中で、8割くらいが間違っている箇所を確認しているときには発狂しそうになりました。途中からは割り切り、5, 6手以下の分かりやすい手順だけ確認するに留めることにしました。

いつも通りの概要を再掲すると、J式ピラミンクスの回転記号は以下の通りです。もちろん、廻すのは頂点ではなく、面に対して頂点寄りの部分です。
Pyra_notation.jpg
(WCA表記ならそれぞれ、n→B, e→R, w→L, t→U)
J式ピラミンクスは配色固定式 (color stable, CS) で、隅(頂点ではない三面体)の黄赤青が奥、黄青緑が右前、黄赤緑が左前、赤青緑が上にくるように持ちます。

状態の把握のための記号化については、まず下段の三隅については、奥→右→左の順に、そのままで向きが合っている、つまり黄が下を向いているのなら 0、時計廻しが必要なら +、反時計廻しが必要なら - としました。

次に青黄・赤黄がどこにいて、どういう向きを向いているかについて、以下のように番号を振りました。
V_edgeNo.jpg
奥面を上→右→左の時計周りの順に 1, 2, 3、前面を右→下→左の順に 4, 5, 6、です。向きは 0手もしくは 1手で位置が合う場合に向きが合うなら s (standard), 逆なら r (reverse) としました。上記スクランブルの場合は、青黄→青、赤黄→赤と略して、
青6r 赤3s となります。

位置 5 だけ例外で、前面に黄色が向いていれば青黄でも赤黄でも s になります。他は同じ位置でも青黄と赤黄とで s・r が逆になります。赤が 3 で下面に黄なら s、青が 3 で下面に黄なら r になります。

スクランブル例として、U L U R U L' R B' r' b' u' では以下のようになります。
trial#1top.jpgtrial#1base.jpg
右は上段を取り除いて、下面が上から見えるようにしたものです。

この場合は、奥右左++0 青6r赤3s、となります。V字を作る手順は e- w n e- w- (R' L B R' W') としていました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
と、ここまでは 8月18日に書いたものの再掲です。

作成した V手順のリストを以下に示します。簡略化のため、奥右左と青赤の字は省略してあります。

Pyraminx_V.jpg

333手順、全体の 3240通り (奥右左の 3通り^向き 3通り = 27、それぞれに対して青 6箇所、赤位置はそれを除く 5箇所、それぞれ向きが 2通りで、6x2x5x2 = 120) の十分の一に過ぎませんが、「こんなふうにピラミンクスの V を作っている人もいるんだなぁ」と参考にしていただければ嬉しいです。

WCA表記で逆手順も載せておいたので、Twizzle Explorer にコピペすることで状況が確認出来ると思います。もちろん、実際に逆手順を廻してみて戻してみるのが、手順の理解には一番とは思いますが。

私のピラミンクスのトリコンでの最高記録はこのブログ上部にもあるとおり、平均で17.813秒、ピラミンクスを廻すのが下手、という指の問題もあるとは思いますが、かなり遅い方と言えます。偉そうなことを言える立場にはありませんし、再確認した上で入力したこのリストにもさらにまた間違いも多々あるとは思います。ミスはご指摘いただけたら修正しようと思います。ただ、これらの手順を廻してみて、「V first も悪くないな」と試してみる方が増えてくださったら、それはとても嬉しく思います。

V字ができたあとは L4E で完成です。向き替え,上時計・反時計,前時計・反時計,十字に整理すると 41手順しかないので気軽に試せますね。お勧めします。

posted by じゅうべい at 14:07| Comment(0) | ピラミンクス