2022年09月09日

二桁の掛け算

圧倒的に需要がなかったようですが、かつて二桁の掛け算について書いていたので載せておきます。


最後に手を入れたのが三年前で驚きました。

最初は、大学院時代の研究室の秘書さんの娘さん用に書いたのですけど、どんどん長くなりましたね。二桁の掛け算についてだけで 61ページ、やや狂気ですね。ですが、著作の出版がいろいろとある友人に見せてみたところ、「内容はともかく、長さはこの倍はないと出版は無理だろう、検討もしてもらえない」と言われて驚いたものでした。

受験の時に、解き方が分からなくても計算力だけでどうにかする”パワー数学”を標榜していましたね。スマートさよりも、手数をかけてでも確実に、というのは今も変わらず、だからこそ、キューブ系パズルが速くならないのでしょう。

十等一和については、YouTube やマンガ『Dr. Stone』でも取り上げられているので、知っておいても悪くないと思います。あとは、倍半,百付近二乗,足して百演算くらいで充分でしょう。って、二桁の掛け算を趣味にしている人は傀儡魔法1号の速解きをしている人より少なそうです。

中国ではスマホ決済が加速して、みんな計算ができなくなっているそうですね。日本でも「計算?スマホでやれば良いでしょ?」という時代になっていくのでしょうね。これも時代の流れ、寂しいけど仕方がないことなのかもしれません。

posted by じゅうべい at 10:06| Comment(0) | 日記

2022年09月08日

倍数判定法と大村周平さんの動画など紹介

少し前のことになりますが、Pyraminx_tanoc さん8月19日のツイートに "19 の倍数の判定法"が紹介されていました。19 = 20 - 1 であることを利用した判定法ですね。

つまり、21 = 20 + 1 なので同様に行うと、”調べたい自然数の1の位の数字と10の位以上で分け、1の位の数字を2倍し、10の位以上を1/10 にして大きい数から小さい数を引く”ことによって、0 または 21 になったら 21 の倍数です。

63 なら 6 - 3×2 = 0 なので、63 は 21 の倍数、399 も 39 - 9×2 = 21 なので 21 の倍数です。

17 = 20–3 を利用すると操作は”1の位の数字を2倍し、10の位以上を1/10 にしてから 3倍して加える”となります。51 なら 5×3 + 1×2 = 17 なので、51 は 17 の倍数と判定できます。

でも…「1224以下の素数って200あんねん」などと言ってる方は 100以下の素数・合成数は全て把握していますよね。なので、大数を2桁以下に減らして判定する方が現実的と思います。

新聞でも見たことがある有名なネタが 7の倍数の判定法で、”調べたい自然数を下2桁とそれ以上に分け、下2桁の数に、それ以上の数を1/100 にした数を 2倍して加える”操作の結果が 7の倍数なら、元の数も 7の倍数です。

たとえば、3213 なら、32×2 + 13 = 64 + 13 = 77 なので 7の倍数です。もちろん素数大富豪で著名となった 1001 チェックをかけると 3213 - 1001×3 = 210 なので、もっと速く 7の倍数と判定できますが。

この方法の強みはその拡張性で、調べたい自然数を下2桁とそれ以上に分けたあと、

11の倍数:下2桁の数に、それ以上の数を1/100 にした数をそのまま加える。
(100 = 11×9 + 1)
 例:54483→544 + 83 = 627→ 6 + 27 = 33 なので 11の倍数。

17の倍数:下2桁の数と、それ以上の数を1/100 にし、さらに 2倍した数の差を、結果が正となるように取る。
(100 = 17×6 - 2)
 例:4386→43×2 - 86 = 0 なので 17の倍数。

13の倍数:下2桁の数に、それ以上の数を1/100 にし、さらに 4倍した数の差を、結果が正となるように取る。
(100 = 13×8 - 4)
 例:4303→43×4 - 3 = 172 - 3 = 169 = 13^2 なので 13の倍数。

19の倍数:下2桁の数に、それ以上の数を1/100 にし、さらに 5倍した数を加える。
(100 = 19×5 + 5)
 例:4313→43×5 + 13 = 215 + 13 = 228 → 2×5 + 28 = 38 = 19×2 なので 19の倍数。

29の倍数:下2桁の数を 2倍し、それ以上の数を1/100 にし、さらに 3倍にした数の差を、結果が正となるように取る。
(200 = 29×7 - 3)
 例:5017→50×3 - 17×2 = 150 - 34 = 116 = → (1×3 - 16×2)×–1 = 32 - 3 = 19×2 = 29 なので 29の倍数。

最後のはさすがに無理がありますね。私はこれまで 29×3 = 87 = 100–13 より、上桁を 13倍して下二桁に足して「しんどいなぁ」と思っていたので、多少は楽になりましたが、それでも実戦投入するにはキツそうです。

引き算よりは足し算の方が絶対に楽で、23 の場合は 8倍して足すのですが (23×4 = 92 = 100 – 8)、これなら意外と可能です。

自転車通勤中に、車のナンバープレート四桁を二桁の数に分けて暗算で掛け算する、というのがここ十年ほどの趣味となっていますが、先日見かけたのが 69-58でした。

69×58 = 69×29×2 = (69–20)×(29+20)×2 = (49^2–20^2)×2 = (2401–400)×2 = 4002、こんなに面倒くさそうな掛け算がシンプルな形になって驚いたものですが、ほんまかいなと思って、58 = 29×2 から、29 の倍数判定をかけました。そのときは 13倍の方を用いたので、40×13+2 = 522 → 5×13+22 = 87 = 29×3 ときれいに 29 の倍数であることが確認できましたが、新型を使えば、40×3–2×2 = 116 = 58×2 = 29×4 もしくは 116→1×3–16×2 = –(32–3) = –29 と 29 の倍数であることが判定できますね。

もちろん、69×58 = 69×(59–1) = (64+5)×(64–5)–69 = 4096(←2^12)–25–69 = 4002 でもいいですね。

いえ、お恥ずかしい、結果からの逆算になりますが、3×23×29 = 2001 は 1001チェックと並ぶ基本的な合成数計算なので、69 (= 23×3) や 58 (= 29×2)を見た時点で、その計算を考えに入れるべきでした。

ちなみに、50付近と 100付近の二乗は (50±a)^2 = 2500±a×100+a^2, (100±a)^2 = 10000±2a×100+a^2 で、気軽に暗算で求められますが、詳細をここに書くのは長くなりすぎるので自粛しておきます。

ルービックキューブ関連とは一切関係のない趣味満開のネタで失礼しました。

上記が長くなりすぎたので、大村周平さんのブログ記事『ロシア-ベラルーシでのWCA大会中止アナウンスを読み解くいくつかのヒント』、SCJ の WCA大会運用方針(動画および pdf)、WCA大会が今後しばらく開催されないことに関する一連のツイート、に関しては紹介するに留めます。そこで引用されていた爲末 大さんのツイート

「その人が本当に現状を変えようとしているかは
 @具体的にどうするか
 A自分ならどうするか
 B何をやらないか
 の三つの質問をしてはぐらかすかどうかで浮き上がります。
 理想的で、自分以外の誰かがやることで、やることとやらないことを選ばなければ、どのようにも言えるからです。」

は本当にその通りだと思います。

私に関しては、WCA大会には無理して参加しない、運営を手助けしたい気持ちはあるけど現状では参加すら無理、ですね。

頑張ってくれている人がつぶれてしまわないことを願います。

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posted by じゅうべい at 10:46| Comment(0) | 日記

2022年09月07日

傀儡魔法1号の世界記録動画の紹介

やや遅くなりましたが、望月シンジさんトリコン 3x3x3 目隠し 1位、おめでとうございます。って、分析と実行を合わせて 33秒って理解不能ですね。私の開眼での実行のみでも 33秒は殆んど出したことがありません。すごい方は本当にすごいものですね。

なんとなく SpeedSolving.com Wiki非公式世界記録のページを久しぶりに見に行ったのですが、2x3x4 と 3x4x5 については記録がなくて驚きました。最近のちょっとよく分からない新作パズルよりは私はやや古風な、シンプルなパズルが好きなようです。

その非公式世界記録リストに Moyu Puppet Cube V1、つまり傀儡魔方1号
Puppet1_solved.JPG Puppet1_te.JPG
の記録が載っていました。単発 2:26.55mo3 2:44.37、今年の 4月10日の記録ですね。Vitaliy Sokolov さん、ロシアの方のようです。同じ方かもしれませんが、解法動画も見つけました。喋りはなく、画面の文字はラテン文字なので(概要欄の上部にはキリル文字)、充分に理解出来ると思います。

昨年の私の記録が、単発 / ao5 / ao12 = 3:05.29 / 4:47:54 / 5:24.54、冗談で自称世界記録をうそぶいていましたが、そんなに悪くもなかったようです。動画の指の廻りはきれいでスムーズで素晴らしいのですが、成形と小角合わせは私の手順も悪くなさそうです。

久しぶりに廻してみたくなりました。世界的に品切れのアイコサメイト Icosamate の試し解きとか、2x2x2+Skewb SuperZ とか、やりたいことはいろいろあるのですが、時間を見つけていろいろ試してみたいと思います。

posted by じゅうべい at 11:04| Comment(0) | Pyramorphix