2022年09月30日

SuperZ 2x2x2+Skewb3:解法の概略

近所のTSUTAYAが 10月下旬で閉店になるそうです。娘が小さい頃から世話になっていて、ここ数年、毎週二本以上借りていたのでショックです。本屋もますます減ってしまいますね。この手の賃貸業は一世を風靡しましたが、いまや Netflix や Amazon Prime に押される一方ですね。

その話を妻と娘にしたら、なんと娘がしくしくと泣き出しました。まだ自転車で通える範囲にもう一軒あるのですが、「あるものがなくなる」のは悲しいものなのですね。それは子供に顕著ですが、大人も同様だと思います。

私は信号待ちで 3x3x3 の基本手順を廻していますが、今週は廻し損なうことが続いています。元々良くない頭廻りと指廻りも、さらに徐々に失われていくことなのでしょう。金や交友関係だけでなく、持っている技術や知識、意欲までも失われていくのは、人間は老いていくものである以上已むを得ない事ですが、寂しいことですね。

などと先のことを憂いても良いことはありませんね。考えられる対策は検討しつつも、今を全力で生きていきたいと思います。

それにしても hugeBLD tips bot、すさまじいですね。私はまだ、3x3x3 の目隠し競技にも挑めていません。今年もあと三ヶ月、手順をまとめて、年内に一度くらいは開眼で確認しながらでも目隠しの手順で解いてみたい、くらいには思っていますが…。

面転八面体(Face-Turning Octahedron, FTO)の2 look TCP 解説動画もすごそうですが、そもそもその解法が私には理解できません。J式 FTOKemi さんの解法のアレンジで、分かりやすいけど速くないのが特徴です。自分が持っていない他人の才能を羨んでも仕方がありませんから、私はまずゴールに到着できることを優先します。

SuperZ 2x2x2+Skewb
SuperZ_turn222.JPG SuperZ_turnSkewb.JPG
についても同様で、私の解法は、判断しやすく、確実に完成できることを優先しています。「あれとこれがこう合体するから、それにはこれをここに移動して」という判断がこの界隈では多いのだとは思いますが、私はとても付いていけません。

J式 SuperZ では、まず隅向きを確認して、捻りの必要性の有無を検討します。

私は 2x2x2 は Guimond で解くので、どの対面色の組み合わせでも構いませんが(さすがにこのパズルでは私はステッカーを貼り替えていないので、赤−橙,青−緑,黄−白のどれかになります)、0手か、せいぜい 1手廻して、下面は揃うか、一隅だけ側面を向いている状態のどちらかにすることができると思います。…稀に 2手必要なこともありますが、その場合は“仕方がない”と諦めましょう。滅多にありませんから。

Guimond の 右前の 8種、右奥の 8種、もしくは下一面完成状態での上面状態と比較して、向きが違っている隅があったら、その隅が正しい位置になるように捻ります。スキューブ回転ですね。とうぜんその周囲の 3隅は位置も向きも変わってしまいますが、そこからまた隅向きを検討します。もう捻りは必要ないはずなので、Guimond でも Ortega でもいいので、とにかく 2x2x2 として隅位置を合わせてしまいましょう。

あとは三角板を二点交換(実は二点交換x2)で合わせていきます。

回転記号については、2x2x2 については普通の J式の記号、島内 剛一先生の S式に由来する
SuperZ_noteFace'.jpgSuperZ_noteCorner.jpg
を流用します。詳細はその回転記号についての記事をご覧ください。…そこでは w (L) は廻さないと書きましたが、廻す手順も使うことになったので、訂正します。

ここでこの解法の基本手順(二阶斜转魔方还原教程を参考にしました)が、

{(d- q d q-)(p- c p c-)}{(p- c p c-)(d- q d q-)}

となります。

廻してみると分かりますが、スキューブの基本手順ですね。前半が、スキューブの J式記号で言えば

時計 平
MCenterOCW.jpg
(m- s m s-) (e- g e g-)

27 algorithms method #03 です。

後半は 反時計 平
MCenterCCW.jpg
(g e- g- e) (s m- s- m)

つまり、上隅の向きを捻ることなく、板を時計移動させて、さらに反時計移動させて戻しているだけです。

スキューブにおいては全く意味のない手順ですが、実はこの手順はなんと前(S)面と右(E)面の板を 180°回転させます。
SuperZ_ex4SE.jpg
このパズルにおいては、面180°回転と言うよりは三角板の右上⇔左下・左上⇔右下の対角交換と捉えた方が分かりやすいですね。

おそらく、スキューブアルティメット(Skewb Ultimate) も フィッシャースキューブ(Fisher Skewb) も同様の手順で解けるのでしょう。知っている方は“常識でしょ”と思われるかもしれませんが、私は知りませんでした。

これを利用すると、
SuperZ_ex4ElTr.jpg
この場合は、n- () n で共役(セットアップ)すれば、この前右面 対角交換手順で揃えることができます。手順を全て書くと、

n- {(d- q d q-) (p- c p c-)}^2 (d- q d q-)} n

手順の中央部分は繰り返しになるので、記号を用いて省略表記しました。

SuperZ_ex4ErTl.jpg
は前奥での鏡状態なので、鏡手順を用いて

s {(c p- c- p) (q d- q- d)}^2 (c p- c- p)} s-

となります。どちらも、実際は前面の三角板が右上⇔左下・左上⇔右下交換していますが、ここでは省略しています。

やっぱりスキューブで廻し慣れている手順は廻しやすくて良いですね。王道は前⇔上の交換とは思いますが、廻しやすいことは重要ですね。もちろん、試してみる方は、それぞれ廻しやすい向きに持ち替えて頂いて構いません。

私は、この省略表記された中央部分を逆回転させてしまうことが多いですね。きちんと意識付けしておかないと危ういです。

これを、2x2x2 の移動・向き替え手順を用いれば、いろいろ手順を拡張していくことができるのですが、それらはまた次回に。

posted by じゅうべい at 11:31| Comment(0) | 立方体と曲線

2022年09月29日

SuperZ 2x2x2+Skewb2:内部構造

SuperZ 2x2x2+Skewb
SuperZ_turn222.JPG SuperZ_turnSkewb.JPG

解いてみましたが、現状では 15分くらいが限界です。ロシア語の動画の 3:33.75ってとても信じられません。

いえ、Superantoniovivaldi さん および PeteTheGeek196 さん の、2x2x2 移動で位置を合わせて、スキューブ回転で隅と三角板を合わせ、位置を戻して、と繰り返していく王道の解法が速いのでしょうけど、スキューブ回転で、隅と三角板を同時に 6つ合わせなければいけないのが大変で、どうセットアップするか、どう戻すかが、どうにも理解できませんでした。

何度か挑戦したのですけど、やっぱり諦めました。分かりません。

ということで、J式では手間が掛かり、手数も長大なものとなりますが、判断が単純で、手数をこなしていけば確実に完成させられる方法を採用します。

などということをやっていると、外れてきてしまう(pop する)ことが多々あります。三角板一枚くらいなら填め直せば良いのですが、

SuperZ_core.JPG
コアの内層までいってしまうと、そのタイムアタックは諦めざるを得ません。

SuperZ_innerParts.JPG
左側がコアの内層、右側は外層の部品です。

せっかく内層まで吹き飛んでくれた場合は、それを機会にと、内部にまでシリコンスプレーや潤滑剤を塗布しましょう。

嵌めるのはさほど大変ではありません。力をかけて隙間を作ったら、そこに嵌め込むことができます。内層部品→外層部品→隅→三角板の順に嵌めていきましょう。幸い、実質的なパリティー(解けなくなる向き替え)は存在しないので、向きを気にせずに、適当に嵌め込んで問題ありません。

とにかくひっかかりがキツいので、机の上に押しつけて形を整え、ひっかかりを感じながら丁寧に廻しましょう。コアまで吹っ飛ばしてしまうのが一番の時間のロスになります。

posted by じゅうべい at 11:08| Comment(0) | 立方体と曲線

2022年09月28日

SuperZ 2x2x2+Skewb1:回転記号

無事に父母の元から帰ってきました。高速バスは車内は満席、待合所も激混みでしたね。以前と同様にみなさんが気軽に移動するようになってきたのを感じました。

バスの出発を待つ間、激混みの待合所に長時間いたくなかったので、屋外で SuperZ 2x2x2+Skewb の解法を考えながら廻していたのですが、気がついたら 4,5人の少年がスケボーを周囲で楽しんでいました。もし目撃された方がおられたら、かなり奇異に感じられたことでしょう。どちらも、互いに気にし合う余裕もないまま、それぞれ楽しんでいた感じですね。

SuperZ_turn222.JPG SuperZ_turnSkewb.JPG

無事に完成しました。
SuperZ_solved.JPG

白のビニールテープに番号を書いて貼ってあります。どこがどう移動するかの確認用ですが、もう移動は把握できたので、これからは剥がれていくに任せていくと思います。

シリコンスプレーを充分に塗布し、そこそこ自然研磨も進み、自分自身でも廻し慣れてきたので、大きく崩壊することはなくなりました。面の三角板が一つ外れることがたまにある程度です。とはいえ、ひっかかって全然廻せないことも頻発し、なんとか形を整えて、数度廻そうと試みてようやく廻ってくれる、ということが良くあります。

解法としては、Superantoniovivaldi さん および PeteTheGeek196 さん の、2x2x2 移動で位置を合わせて、スキューブ回転で隅と三角板を合わせ、位置を戻して、と繰り返していく方法が王道かもしれませんが、私にはどうも合いませんでした。

この SuperZ が発売された頃、このサイトの David Gear の紹介ページのアクセスが見られました。当時は首を傾げたものですが、考えてみれば、面の中央に四分割された小片があり、隅は 120°づつ回転する点で、とても共通点がありますね。私も、このパズルを David Gear と同様に、まず 2x2x2 として軽く合わせて、隅向きを確認してスキューブ回転で合わせ、改めて 2x2x2 部分を完成させています。

隅向き・隅位置を変えず、面内の二等辺三角形だけを合わせていく手順は、二阶斜转魔方还原教程 の手順を参考にさせていただきました。RUBIKworld (スペイン語)の解き方も似ているのですが、何か手数が多めでした。

言ってしまえば、それだけで解けてしまうので、回転の引っかかりを除いたら David Gear よりよっぽど簡単に解けてしまいます。あ、一つ一つの手順もこちらの方が長めですね。ストレスは多めで楽しみは少なめ、と言ったら、このパズルがちょっと可哀想かもしれませんが、やはり David Gear は名作だと思います。残念ながら David Gear は現在、tribox でも TheCubicle でも品切れですが、HKNowStore と Meffert Puzzle ではまだ購入が可能なので、興味がある方はぜひご検討ください。

って、今回は SuperZ 2x2x2 Skewb の紹介でした。こちらも現在は tribox では品切れですが、TheCubicle, HKNowStoreZiiCube などの海外サイトではまだまだ問題なく購入できるので、興味がある方はぜひお早めにお買い求めください。

回転記号については、2x2x2 については普通の J式の記号、島内 剛一先生の S式に由来する
SuperZ_noteFace'.jpg
を流用します。East, North, West, South, Top, Bottom に由来します。WCA表記で言えば、e→R, n→B, w→L, s→F, t→U, b→D、となりますが(以下、WCA表記をカッコ内または / のあとに表記したりします)、このパズルでは w (L) と b (D) は廻しません。回転記号は小文字、同じ文字で示される面は大文字で示すことにします。奥(N)面の回転記号は、それを正面から見たときに時計方向になる向きを n とします。

('22.10.3: w (L) は廻す手順を用いるようになったので訂正します。図も差し替えました。)

スキューブ回転は、J式の記号 は 2x2x2 と重複してしまうので、Clover Cube Plus の記号を流用しました。
SuperZ_noteCorner.jpg
その理由として、右上前隅を Corner の C として廻している海外動画サイトを見たからです。前面を y- (水平反時計)持ち替えして、

d: ad dextram ラテン語で”右へ”
c: ad sinistram ラテン語で”左へ”の、si〜より(s は south で、前面回転記号なので)
p: pod 脚(tripod で三脚など)
q: 上面が左→右で c→d なので脚部も左右で対の記号で

と、うまく Clover Cube Plus と整合性を持たせることができました。

右側四隅にしか記号を付けていませんが、それはこちら側しか廻さないからです。それ以上手を広げると大変すぎますね。

時計廻しはその記号をそのまま示し、反時計廻しには "-" を添えます。本来は右肩付きですが、このブログサイトでは肩付きの書式設定ができないので、そのまま並べています。面回転のみ、180°回転に "2" を添えることがあります。

面と隅の回転記号を合わせて示すと
SuperZ_notation.jpg

うわっ、全然分かりませんね。今後は、それぞれ分けた図を用いることにします。

解法についてはまた次回に。

posted by じゅうべい at 10:17| Comment(0) | 立方体と曲線