しばらく前から、スピードキュービング愛好者の間で目隠し競技がトレンドになっているのは感じていましたが、9x9x9 のキューブを目隠しで解く nagoyancube さんの記事、衝撃的でしたね。一回の挑戦で 3時間くらい掛かるとか、練習で 16のブロックに分けて一つのブロックが 5分掛かるとか(練習だけで 80分!)、気が遠くなる世界ですね。最中にトイレに行きたくなったり顔が痒くなったら集中力を削ぐというのも、それは分かりますが、それを乗り越えて集中を長時間続けないといけないというのは恐ろしく感じました。
私はかつて赤子が泣いて FMC(最少手数競技、一試技に一時間)を断念したことがありました。今では小二のその娘も、変わらず寝言を言ったり唐突に起きてきたり、いろいろとやらかしてくれます。そもそも、私は開眼ですら 6x6x6 も解いたことがありません。5x5x5 で 10分を切れません。4x4x4 の目隠し(4BLD)に取り組むことすらないでしょう。3BLD は年末までに一度挑戦できたら、とは思いますが…。
さて、Icosamate
の続きです。
以下のJ式回転記号は、隅を大文字、その隅を軸としての回転が小文字となっています。
真っ二つになるように廻るので混乱しやすいのですが、T-S の稜を意識することで向きを保ちやすく感じています。
さて、出迎えである程度隅を揃えられたものの、それ以上は揃ったところが崩れていきそうになったら Superantoniovivaldi さん の 二点交換x2 手順の出番です。
I⇔N と T⇔S の二点交換x2 が
e- w e w- (Superantoniovivaldi さん の記号で R' L R L') または w e- w- e (L R' L' R) で実現できます。馴染みの分かりやすい手順で良いですね。
この手順を二回繰り返す、つまり (e- w e w-)^2 ( (R' L R L')x2 ) および (w e- w- e)^2 ( (L R' L' R)x2 ) を廻すと、隅位置としては元に戻りますが、それぞれ捻りが加わります。時計回り 72°回転を +1, 反時計回り 72°回転を –1 とすると、
(e- w e w-)^2 / (R' L R L')x2 → T –1, S –1, I +1, N +1
(w e- w- e)^2 / (L R' L' R)x2 → T +1, S +1, I –1, N –1
位置移動のみならず、向き替えにも威力を発揮します。汎用性があっていいですね。
e- w- e w (R' L' R L) なら O⇔S と T⇔N の二点交換x2
e w e- w- (R L R' L') では M⇔S と T⇔I の二点交換x2
と移動方向もいろいろ変えられます。
Superantoniovivaldi さん は向き替えの段階になったら (e- b- e b)^2 を愛用していましたが、S –1, M –1, A +1, G +1 という向き替えは私には見にくく感じられました。全部 e w- e- w 系で良いと思います。
TSW の三隅移動も上記手順の流用で可能です。
(w e- w- e) o (w e- w- e) o- / (L R' L' R) Bo (L R' L' R) Bo' で、T→S→W→T の左上三隅時計移動、
o (e- w e w-) o- (e- w e w-) / Bo (R' L R L') Bo' (R' L R L') (上記の逆手順)で、左上三隅反時計移動、
うまく共役(セットアップ)を用いて、I⇔N をキャンセルしていますね。
これらを駆使すれば、少なくとも隅位置は揃えられます。隅向きについてはまたの機会に。