2022年05月31日

Curvy Starminx14:純粋 隅向き替え

Curvy Starminx、中国語で 弧面深切五魔方、
CurvyStarminx.JPG


Megaminx PLL & more で紹介されていた S面 (F) の隣接二隅を持ち上げる手順(図はメガミンクスのもので失礼します)
Flip2AdjCorners_S.jpg
s (t- n-2 (g- n (t s- t-) n- g) n2 t) / F - U' bR'2 - G' bR - U F' U' - bR' G - bR2 U

を廻してみたのですが…(青上・桃前で、左から順にやや斜め上から、下段が見える正面、やや右後ろから)
CurvSanother2COfront.JPG CurvSanother2COlow.JPG CurvSanother2COhind.JPG

ついに下段にまで犠牲が波及しました。おとなしく普通の手順を廻した方が良さそうですね。

J式の回転記号を上から見た図として再掲します(カッコ内は WCAに近い表記、Kemi さんのサイトでは BR→B, BL→b)。

CurvyS_notation.jpgCurvyS_notationLower.jpg
右は下段側面の回転記号です。回転方向はその面を正面に見たときに時計回りはそのまま、反時計回りは"-"(本当は肩付き)で示します。回転は 72°ごととなるので、144°回転は時計廻しなら 2 を、反時計廻しなら -2 (これらも本当は肩付き)を添えます。

中層廻しは
CurvyS_notationInnerG.jpgCurvyS_notationInnerN.jpg
左は Kemi さんの Starminx 2 の解法では用いられていない廻し方です。Kemi さんの Rex Cube(そのサイトでは Star Cube)の解法サイトに似た中層回転があったので、表記するならその m を用いることにしましょう。右は Kemi さんの解法サイトで M で表される回転ですね。ただ、Kemi さんは降ろす方向を正方向としているのに対し、J式では上げる方向が時計回転となるので注意が必要です。

持ち替えについては、水平回転のみ y, y2, y-, y-2 (順に、時計廻し 72°,時計廻し 72°x2,反時計廻し 72°,反時計廻し 72°x2)を用いますが、他は [s] ([F]) など、その面を廻すように全体を持ち替える、つまりは移動が起こらない面をカギ括弧でくくって示すこととします。[s] ([F])なら T(上)面が E(右)面に、M(右前下)面が O(左前下)面に、N(右奥)面が G(右下奥)面に廻ります。対面は変化しないので、この場合、A(下奥)面はそのままです。分かりにくいとは思いますが、頑張りましょう。

適宜、WCA(に近い)表記を () の中または / のあとに加えます。

三葉移動・三中正時計移動(三中正、逆手順は三中反)・二辺向き替えについては紙面を食い過ぎるので略記で済ますことにします。以下の図をご参照ください。最初の手順に”正”、逆手順を“反”の字を添えます。時計回り・反時計回りを正時計・反時計→正・反で略してきたことの流用です。

基本
CurvyS_LeavesTopRight.jpg
o2 g-2 o-2 (g&- g) o2 g2 o-2 (g& g-) / Bo2 Lo'2 Bo'2 m Bo2 Lo2 Bo'2 m'

逆移動は
(g&- g) o2 g-2 o-2 (g& g-) o2 g2 o-2 / m Bo2 Lo'2 Bo'2 m' Bo2 Lo2 Bo'2

左前
CurvyS_LeavesTopFrontLeft.jpg
(n&- n) g-2 o2 g2 (n& n-) g-2 o-2 g2 / M Lo'2 Bo2 Lo2 M' Lo'2 Bo'2 Lo2

逆移動は
g-2 o2 g2 (n&- n) g-2 o-2 g2 (n& n-) / Lo'2 Bo2 Lo2 M Lo'2 Bo'2 Lo2 M'

CurvyS_LeavesLowerLeftFront.jpg
o2 g-2 o-2 (g& g-) o2 g2 o-2 (g&- g) / Bo2 Lo'2 Bo'2 m' Bo2 Lo2 Bo'2 m

逆移動は
(g& g-) o2 g-2 o-2 (g&- g) o2 g2 o-2 / m' Bo2 Lo'2 Bo'2 m Bo2 Lo2 Bo'2

奥中
CurvyS_LeavesTopBack.jpg
n {o2 g-2 o-2 (g&-2 g2) o2 g2 o-2 (g&2 g-2)} n- / B (Bo2 Lo'2 Bo'2 m2 Bo2 Lo2 Bo'2 m'2) B'

逆移動は
n {(g&-2 g2) o2 g-2 o-2 (g&2 g-2) o2 g2 o-2} n- / B (m2 Bo2 Lo'2 Bo'2 m'2 Bo2 Lo2 Bo'2) B'

魔術(魔術方塊に載っていたものの逆手順)
CurvyS_LeavesTopAndLowRightRev.jpg
w s-2 w- s2 e w- t2 w t-2 e- / L F'2 L' F2 R L' U2 L U'2 R'

三中正移動(三中反はこの逆手順)
CurvyS_CentersOCW.jpg
(w- n w) o (w- n- w) o- / (L' B L) Bo (L' B' L) Bo'

二辺向き替え
CurvyS_EdgesOrient.jpg
(s-2 o2 s-2) n- (s2 o-2 s2) n / (F'2 Bo2 F'2) B' (F2 Bo'2 F2) B

さて純粋二隅向き替えは、一般的な二隅向き替え手順
CurvS_2cornersFlip.JPG
(n e- n- e)^2 t- (e- n e n-)^2 t / (bR R' bR' R)x2 U' (R' bR R bR')x2 U

を廻した後(今回は青上・桃前で始めました。適宜、持ち替え後の向きを〜上〜前で示します)、
[e- / R'](黄上青前) e w e- w- / R L R' L' [y-2](黄上藍前) w e- w- e / L R' L' R [w / L](金上黄前) e- w- e w / R' L' R L

[y2](金上桃前) i- w e- w- e / b' L R' L' R [e- / R'](橙上金前) e w e- w- w / R L R' L' L ←最後は(金上桃前)後の i- の戻しをわかりやすくするため

[w- / L'](金上青前) 二辺向き替え [w- y- / L' y'](青上黄前) s / F 二辺向き替え s- / F'

[w- y- / L' y'](黄上金前) 三中反 [s / F](青上金前) 三中反 [e2 y / R2 y](橙上黄前) 三中正

[e2 / R2](青上桃前) n-2 / B'2 基本・正 n2 / B2 [s / F](赤上桃前) b-2 k- / D'2 Ro' 下・正 k b2 / Ro D2

[e / R](桃上金前) n / B 奥中・正 n- / B' [e](金上黄前) i- / b' 基本・正 i / b 左前・反

[s-2 / F'2](白上黄前) k / Ro 下・正 k- / Ro' [e / R](黄上橙前) i-2 / b'2 左前・正 i2 / b2 [y-](黄上金前) 奥中・反

g- / Lo' 下・正 i- / b' 奥中・反 i b- k-2 b / b D' Ro-2 D 下・反 b- k2 b g / D' Ro2 D Wo

[y-2](黄上白前) g b- / Lo D' 魔術 b g- / D Lo'

最後に [s- y2 / F' y2] の持ち替えをして完成です。

CurvS_pure2CO.JPG
一応可能です。

葉合わせになってからの 2行目の [e / R](桃上金前) n / B 奥中・正 n- / B' は、奥中の初手が n / B なので、実質は n2〜 / B2〜 で、最後も 〜n-2 / 〜B'2 になるのがうっかりしやすいかもしれません(3回目に廻した確認中に「あれっ?」となって危うかったです)。

これくらいの長手順ならびっくりしなくなっている自分もおかしくなっていると思います。もちろん、とても覚えられるものでもありません。

三隅正時計ひねりも同じくらいの手順で廻せることを確認しましたが、長くなってしまったので、それはまた次回に。

posted by じゅうべい at 16:05| Comment(0) | 球・円柱・12面体以上

2022年05月30日

Curvy Starminx13:純粋隅移動できますか?

Curvy Starminx、中国語で 弧面深切五魔方、
CurvyStarminx.JPG

そろそろ純粋隅移動についても検討してみようか、とまずは基本中の基本、Niklas(図はメガミンクス用で失礼します)
CTriOrtho_aS.jpg
e- t w t- e t w- t- / R' U L U' - R U L' U'

を試してみようと思ったのですが…。

いちおうはできたのですが、
CurvS_Pure3cornersOCW.JPG

手順を書き出して8行になりました。もちろん、基本・正や下・反などの略記を用いてです。もうちょっと検討してみないと、とは思っていますが…。

私がよく用いている上水・前緑で見える三隅は上の写真のようになっているので、上青・前桃(左赤・左奥白・右奥黄)
CurvS_topBfrontP.JPG

から、単純に e- t w t- e t w- t- / R' U L U' - R U L' U' を廻した状態が、
CurvS_Niklas.JPG

嘘でしょう?メガミンクスの隅移動手順は辺にも中にも影響しないのがウリだったのですが…。三辺移動×2 と三中移動があり、もちろん葉移動もありますが、それが辺と中を合わせていく間にさらに広がっていきます。

それでもこれはまだマシな方で、隣隅向き替え

(n e- n- e)x2 t- (e- n e n-)x2 t / ((bR R' bR' R)x2 U' (R' bR R bR')x2 U)

では、
CurvS_2cornersFlip.JPG

見えてる三面に関してはほぼスクランブルではと思うくらいの崩れっぷりです。ちゃんと逆手順を廻したら戻ったので、私の廻し間違いではありません。

すっかり忘れていましたが、隣隅向き替えには

s (t- n-2 (g- n (t s- t-) n- g) n2 t) / (F - U' bR'2 - G' bR - U F' U' - bR' G - bR2 U)

という12手手順もありましたね。こちらの方がまだマシになるかもしれません。

とにかく常軌を逸した状況ですね。

需要はないんじゃないかなぁとすら思いますが、時間をかけつつもいちおう手順整理はもうちょっとは頑張ってみる予定です。

posted by じゅうべい at 11:17| Comment(0) | 球・円柱・12面体以上

2022年05月27日

Roux、いいですねぇ

@Pyraminx_tanocさんのブログ記事、「RouxとCFOPの中間を担う解法について考えるつもりだった」読みました。ロマン溢れる記事ですね。素敵でした。

私は”かそきゅーぶ”で 3x3x3 の解法の一つ、Roux(ルー)法を知り、そこそこ頑張って記事を読んだものでした。…First Block が作れなくて挫折しました。そんなだから最少手数競技(FMC)も挫折するのですが、世間と違う解法にロマンを感じたことだけは間違いありません。

ですので、@Pyraminx_tanocさんの記事もその意気込みに感動しながら読みました。…8580通りはさすがに無茶がありましたね。ZBLL の 493通りも充分無茶な量の手順とは思いますが。

新たなことに取り組んだその意気込みは素晴らしいものだったと思います。今後のご活躍も期待しています!

…水木金とちょっと過剰に忙しかったので、今回はこれで失礼します。

posted by じゅうべい at 18:19| Comment(0) | 手順333