ようやく Curvy Starminx
の絵ができあがりました。このパズルの解法について紹介していきたいと思います。
解法動画としては"Curvy Starminx tutorial"で検索すると twistypuzzling さんの動画や QBAndo さんの動画などが見つかります。…すみません。中身はちらっとしか見ていません。中国語では 弧面深切五魔方(弧面転〜だったりもします)なので、"弧面深切五魔方 解法"で検索をかけると Bilibili の動画が見つかります。試し解きをしてる方もおられました。4倍速の動画でしたが 36分20秒06、いかに Pyraminx tano*c さんが速いかがよく分かりますね。単発最速 13:21.96 や ao12 で 15分切りなんて本当に世界トップレベルだと思います。
解法については「Kemi さんのサイトを見ていれば充分でしょ」と言いたいところなのですが、いくつか致命的な間違いがあり、そのまま廻しても絶対に解けません。残念です。
Pyraminx tano*c さんのブログでの解法は去年のアドヴェントカレンダー直前には連作になっており、其の壱でメンテナンスとコーナー、其の弐でエッジを下層から最上面まで順に、其の参でセンター合わせ((R' L R L')×21 での純粋2センター交換x2 ってすごいですね)、其の肆でインナー合わせのやり方が紹介されています。ただ、そのインナー合わせはよほど能力が高い人でないと難しいでしょう。センター合わせ手順も Kemi さんのサイトを引用していますが、その片方の手順は間違っているので…。私は諦めました。
魔術方塊は左側のメニューの各種異型魔方探討にあるStarminx系列方塊探討で解法を Starminx 1(隅廻し), Starminx 2(面廻し)および Pyraminx Crystal の解法と併せて紹介してくれています。冒頭で紹介されるのが Starminx 1 の解法なので、そこは注意が必要です。Curvy Starminx に専用的に必要となる隅移動の手順として Kilominx の解法ページのリンクも張られています。ミスもなく、記号も一般的なもので、中国語(台湾なので繁体字)が読めなくても問題なく理解できます。現在、最もお勧めできる解法サイトと言えるでしょう。
ただ、解法がシンプルすぎ、またやや廻しにくい手順に感じました。この辺は好き好きとも思いますが。
私は上記の解法では解けなかったので、Kemi さんの解法を基本として、Pyraminx tano*c さん及び魔術方塊の手順を取り入れて J式解法としました。
私はメガミンクスは青底・水色上・緑前で解くので、同様に着色しています。見やすさのために、ここでは白は灰色、クリーム色は薄橙にしてあります。
部位の名称については、
とさせていただきます。葉は Clove Cube Plus・Rex Cube からの流用です。
回転記号(および回転面の名称)は J式メガミンクスのものを流用して(カッコ内は一般に用いられることが多い記号)上から見た図として
下段側面は
とさせていただきます。島内先生の流儀で、回転面を大文字、その面の回転を小文字て表します。回転方向はその面を正面に見たときに時計回りはそのまま、反時計回りは"-"(本当は肩付き)で示します。回転は 72°ごととなるので、144°回転は時計廻しなら 2 を、反時計廻しなら -2 (これらも本当は肩付き)を添えます。 上面なら t2、上面を反時計方向に 144°廻すのであれば t-2 となります。t2 は t-3 と等しく、t3 や t-3 と表記することはありませんが、硬くて廻しにくいときにはそれを意識して反時計方向に廻すことも有用な手段です。
島内先生のS式は方位を意識したものとなっており、側面を右→奥→左→前、と順に時計廻しを繰り返していく手順を、東→北→西→南と移動していくとみて”世界一周”と名付けておられました。私の J式もそれを踏襲していますが、左奥は北と西の間なので、日本の旧方位表記の”亥”にちなんで i(面の名称としては I)を用いています。
上面は top より t (面としては T面)、下面、つまり上面の対面は base より b (面としては B面) となっています。これも S式に合わせてあります。
下段側面は J式オリジナルですが、右奥下を艮(北東の方位:うしとら・ごん)より g (G面)、右前下を巳(南南東の方位:み)より m (M面)、左前下を坤(南西の方位:こん、kon の k も n も既に他で使われていたので)より o (O面)、右奥下を乾(北西の方位:けん)より k (K面)、下段奥を十二支の始まりをアルファベットの始まりになぞらえて a (A面) としています。
Kemi さんおよび Pyraminx tano*c さんの回転記号は J式の n が B, i が b(小文字), o が Bo (おそらく B opposite、B の対面), m が bo (おそらく b opposite、b の対面), g が Lo (おそらく L opposite、L の対面)、などとなっています。照合するときにご参考いただければと思います。
このパズルには Rex Cube 同様に内層があり、そこだけを廻すことが重要になります。J式 Rex Cube では ej, wj を用いていましたが、J式 Curvy Starminx で内層を廻す三葉交換手順においては下段廻しが基本で e, w をあまり廻さないことと、Curvy Starminx ではどこを廻しているか混乱すると簡単に崩壊してしまうことから、複層廻し→外層逆廻しで表すことにしました。
g の複層回転(w を廻してから全体を持ち替えるのと同様)を g& で表します。g& のあと g- で外層だけ戻すと内層回しになります。Kemi さんの手順を私が分かりやすくするために持ち替えたときにこの回転が生じましたが、Kemi さんは用いていない回転方向です。
gj と表しても良かったのですが、g& g- と分けて表記します。
こちらは Kemi さんの解法での M- に相当します。n の複層回転(o を廻してから全体を持ち替えるのと同様)を n& で表します。n& のあと n- で外層だけ戻すと内層回しになります。Kemi さんの回転記号では、中層は上から降ろす向きが正回転、上げる向きにプライム記号(M' など)をつけていますが、J式ではそれとは逆となるのでご注意ください。
Pyraminx tano*c さんの”Curvy Starminxの解法を自分なりに考えてみた話”ではこの中層回転の向きが Kemi さんの向きと逆になっていて死にました。そこで紹介されている葉三点交換手順の”R2' L2 R2 M R2' L2' R2 M' ”は J式では
e-2 w2 e2 g& g- e-2 w-2 e2 g&- g
となります。
…このとき交換される三葉が、I面→N面→E面だったのにも苦しみました。最初の方に「上の写真の赤面をF面として、上の白をU、右の青をR、左の緑をLとして扱います。」と書いてあるのに、つい写真の正面が F面(J式の S面)と勘違いしてしまっていました。
J式では移動するものが見やすい位置にあることを優先しました。私がメガミンクスで下段廻しに慣れているのも大きいかもしれません(たとえば、三隅正隅向き替えなし(平,たいら)手順が s-2 o s- (e-2 s o- s- e2) s-2、三隅反平が e2 (g- e s2 e- g) e s-2 e2)が、o 回転・g 回転が頻出します。一方で、上記の n& n- は o&- o でも同じなのですが、右手で廻すことを優先しました。持ち替えはトラブルの元なのですが…。
とにかく廻すのが大変なパズルです。シリコンスプレーを頻回に塗布していましたが、このほど潤滑剤として、TheCubicle の DNM-37 と Silk を購入して、まずは DNM-37 を試しているところです。効果については、これから試した上でお伝えしたいと思います。