2021年10月29日

J式スクエア1の追加手順3:隅対角移動の辺移動

J式スクエア1の隅位置合わせ時の辺移動についての続き、今回は隅の対角移動を含む手順です。

U_Diagonal.jpgD_Diagonal.jpgUD_Diagonal.jpgU_Diag_D_Right.jpgU_Right_D_Diag.jpg

左から順に、上対角,下対角,上下対角,上対角下右,上前下対右、となっています。

一般的な移動手順ではこのように動きますが(ということで、去年の二月ごろ、これで図を作りました)、様々な手順の統一のために、

対角移動は、左前⇔右奥の交換
隣隅移動は、左前⇔右前の交換

とさせていただきます。絵と異なるのはご容赦を。

また、いつも通り、島内先生由来の方位システムで、前面を S, 右面を E, 奥面を N, 左面を Wと表記させていただきます。
U_SWwNotation.jpg

対角移動は、上対角・下対角・上下対角とも出現頻度は 3%づつ。謎手順を覚えるよりは、基本手順だけで対応し、左前隅と左辺のブロックが右奥隅と右辺のブロックと丸ごと交換されることを知っておく方が現実的と思われます。さらに左前隅と前辺が揃っているのなら、こうさんが仰る通り、それが上段なら (1, 0)、下段なら (0, -1) ずらして手順を廻せば良いでしょう。

名称の後は辺の交換を表します。上下段とも動く場合は、ハイフンの前が上段の辺の交換、後ろが下段の辺の交換を示します。

ただ、まぁせっかくリストアップしたので紹介しておきます。まずは上下対角から。

上下対角EN-SW: (-2, 0) / (2, -4) / (0, 3) / (1, 1) / (-3, 0) / (2, 6)
上下対角WE-SN: (0, -1) / (-3, 3) / (3, -3) / (0, 1)
上下対角SW-EN: (0, 2) / (4, -2) / (-3, 0) / (-1, 1) / (0, 3) / (6, -2)
上下対角WE-WE: / (-3, 3) / (3, -3) /

すべて、中段の向きが変わります。

一般的には / (3, -3) / (-3, 3) / でしょうか?これは隅が左奥⇔右前で交換され、辺は奥と前(SN)交換となります。知っておいたら、廻す直前に (3, 0) か (-3, 0) して多少の調整ができるかもしれません。

上対角・下対角は

上対角SW: (-5, 0) / (3, 0) / (3, 3) / (3, 0) / (5, 0) / (0, 3) / (3, 3) / (0, 3) / (-3, 0)
上対角SE: (1, 0) / (2, 2) / (3, 0) / (0, -3) / (4, 1) / (3, 0) / (-3, 0) / (5, 1) / (0, 3) / (0, -2) (中段替えあり)
上対角SN: (1, 0) / (3, 3) / (3, 0) / (3, 3) / (3, 0) / (3, 3) / (2, 0)
上対角WE: / (3, 3) / (3, 0) / (3, 3) / (3, 0) / (3, 3) / (3, 0)

下対角SW: (0 ,5) / (0 ,-3) / (-3 ,-3) / (0 ,-3) / (0 ,-5) / (-3 ,0) / (-3 ,-3) / (-3 ,0) / (0 ,3)
下対角SE: (0 ,-1) / (-2 ,-2) / (0 ,-3) / (3 ,0) / (-1 ,-4) / (0 ,-3) / (0 ,3) / (-1 ,-5) / (-3 ,0) / (2 ,0) (中段あり)
下対角SN: (0 ,-1) / (-3 ,-3) / (0 ,-3) / (-3 ,-3) / (0 ,-3) / (-3 ,-3) / (0 ,-2)
下対角WE: / (3, 3) / (0 ,3) / (3, 3) / (0 ,3) / (3, 3) / (0 ,-3)

最後の WE (左⇔右)交換が一般的な手順で、短くて良いですね。SN交換にしたければ、三段目を用いるよりは基本の WE交換の前に (3, 0) か (0, -3) を入れておけば充分。無理することもありません。

上前下対角・上対角下前は出現頻度も高めで(約1割)、工夫できたら面白そうですが、基本手順に追加できるものは二つだけ。4 とか 5 とか廻すことも多く、判断に時間を掛けて長手順を廻すくらいなら、隅移動だけ判断して後は高速手順を廻す方がよっぽど時間短縮につながりそうです。

ただ、これもせっかくリストアップしてしまったので紹介します。

上前下対角WE-WE: (-3, 0) / (0, -3) / (0, 3) / (0, -3) / (0, 3) / (3, 6)
上前下対角WE-SE: (-3, 2) / (1, -2) / (5, -4) / (-2, 1) / (5, -4) / (3, -2)
上前下対角WE-NW: (4, 0) / (2, -1) / (1, -2) / (2, -1) / (-5, 4) / (2, 6)

上対角下前WE-WE: (0 ,3) / (3 ,0) / (-3 ,0) / (3 ,0) / (-3 ,0) / (6 ,-3)
上対角下前WE-SE: (-2 ,3) / (2 ,-1) / (4 ,-5) / (-1 ,2) / (4 ,-5) / (2 ,-3)
上対角下前WE-NW: (0 ,-4) / (1 ,-2) / (2 ,-1) / (1 ,-2) / (-4 ,5) / (6 ,-2)

これらも全て中段の向きが変わります。

基本手順が WE(左⇔右)交換であることを知っていれば、ふっかさんが仰るように(ちょっと違うかも)、その後の辺移動の先読みができそうです。

三段目の対角&辺NW交換は「前右面を持っていたら見える面の辺」、前右隅と前・右の辺のどちらが揃っているときに崩さずにすむという点で有用です。手順もやや可愛らしくて覚えやすいのもお得です。

ただ、まぁ、覚えるのが大変なわりにはタイム短縮につながっていない感触があります。現実的に、上記の前・対角&NW交換の他は、上下前の一連手順だけで充分でしょう。

これらを修練するよりは、凧−凧からの隅向き替えをリストアップして、下段をいちいち確認せずに感覚で廻せるようになる方が良さそうに感じています。そちらについてはこれからおいおい頑張ります。

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posted by じゅうべい at 13:42| Comment(0) | Square-1

2021年10月28日

J式スクエア1の追加手順2:上前・下前の辺移動

J式スクエア1の隅位置合わせ時の辺移動についての続き、今回は上前と下前です。

U_Front.jpgD_Front.jpg

そうそう、隅移動の頻度を集計してみたところ、上下前は全体の 45% を占めました。続いて、上前 15%, 下前 10%, 上対角下前・上前下対角がそれぞれ 10%, 上対角・下対角・上下対角 がそれぞれ 3%, 隅移動なしは 1% でした。全てが記録できているわけではありませんが、全ての結果とトリコンのみの結果がほぼ一致するので、だいたいこんなものでしょう。

集計には Excel の "=LOOKUP(1,0/FIND($D$1:$D$6,A1),$E$1:$E$6)" といった異様な函数を用いました。便利ですよ。詳しい説明は”教えて!goo"の記事をご覧ください。

上前と下前の頻度の差は不思議ですね。おそらく統計的に有意でしょう。私の廻し方の問題かもしれないので、他の方のデータもほしいところですが、まぁ、こんな記録をする人はそうはいませんね。

ともあれ、上前・下前の隅移動をするときに辺をどのように移動するかの手順を以下にリストアップしました。いつも通り、島内先生由来の方位システムで、前面を S, 右面を E, 奥面を N, 左面を Wと表記するのはご容赦を。

U_SWwNotation.jpg

上前・下前移動手順は、隅を移動しない面は辺も移動しません。基本手順は こうさんの /直方体/ふっかさんのサイトとも私と同じ手順を用いていて安心しました。私は立方体の迷宮で学びました。

上前SW(基本、一般的な手順): / (3, -3) / (3, 0) / (-3, 0) / (0, 3) / (-3, 0) / (3, 0)

上前SE:(4, 0) / (0, -3) / (0, 3) / (0, -3) / (3, 0) / (-3, 3) / (-1, 0)

上前SN:(3, 0) / (0, 3) / (3, 3) / (0, 3) / (4, 0) / (3, 0) / (3, 3) / (3, 0) / (2, 0)

上前NW:(4, 0) / (3, 0) / (-3, 0) / (3, 0) / (0, 3) / (2, 5) / (1, 4) / (3, 3) / (-1, 0)

上前NE:(3, 0) / (3, 3) / (1, -2) / (-4, -1) / (0, 3) / (3, 0) / (-3, 0) / (3, 0) / (-3, -3)

上前WE:(1, 0) / (-1, -1) / (-3, 0) / (3, 0) / (1, 4) / (-3, 0) / (3, 0) / (2, -4) / (-3, 0) / (-3, 1) (中段替えあり)

手順は Jaap氏のスクエア1についてのサイトの Method 5, Phase 4 から流用しています。上下前と違って上前・下前は WE が鼓移動でなく交換できるので、判断は楽になりましたが、ちょっと長手順ですね。

下前SW(基本、一般的な手順): / (3, -3) / (0, 3) / (-3, 0) / (3, 0) / (-3, 0) / (0, 3)

下前SE: (0 ,-4) / (3 ,0) / (-3 ,0) / (3 ,0) / (0 ,-3) / (-3 ,3) / (0 ,1)

下前SN: (0 ,-3) / (-3 ,0) / (-3 ,-3) / (-3 ,0) / (0 ,-4) / (0 ,-3) / (-3 ,-3) / (0 ,-3) / (0 ,-2)

下前NW: (0 ,-4) / (0 ,-3) / (0 ,3) / (0 ,-3) / (-3 ,0) / (-5 ,-2) / (-4 ,-1) / (-3 ,-3) / (0 ,1)

下前NE: (0 ,-3) / (-3 ,-3) / (2 ,-1) / (1 ,4) / (-3 ,0) / (0 ,-3) / (0 ,3) / (0 ,-3) / (3 ,3)

下前WE: (0 ,-1) / (1 ,1) / (0 ,3) / (0 ,-3) / (-4 ,-1) / (0 ,3) / (0 ,-3) / (4 ,-2) / (0 ,3) / (-1 ,3) (中段替えあり)

上前手順を Excel で上下反転手順にして出力しました。さらに画面上の手順を廻して戻して確認しているので大丈夫でしょう。下前SW だけは、慣れもあるので立方体の迷宮の、上前SW の 2手めと 4手めを入れ替えただけの手順で廻しています。

問題は、上下前と違ってこれらの上前・下前手順はもともと上下前より長手順な上にさらに2手以上増えるものが多く、加えて、上前手順では目的の下段の辺の調整ができず、手順を覚えるだけのメリットがあるか疑問なところですね。

あ、私は "/" ごとで 1手と数えます。

SE交換は こうさんの仰るように 1ずらしで対応できますが、変形の度合いから私は別手順で覚える方が間違いにくく感じ、それならこちらの手順でも問題ないとも感じています。

SN交換は既存の手順ではできなかったと思うので、追加するならまずはこれからかもしれません。次が NE、その隅は移動しないので判断しやすいように感じています。あとはおいおい、気が向いたら覚えても悪くないかもしれません。

posted by じゅうべい at 10:44| Comment(0) | Square-1

2021年10月27日

初心者向け、高橋メソッドの紹介

知り合いが「どのキューブを買ったら良いか分からない」とメールをくれたので、tribox サイトの QiYi QiHang 3x3x3 WThunderclap 3x3x3 V1Thunderclap 3x3x3 V3 M, QiYi Valk 3 などを紹介したらサンダークラップを買ったそうです。「磁石ありは負けた気がする」と磁石なしを買ったとか。二児の母ですが、下の子の手の掛かりが少し楽になったのかもしれません。すぐに届いたようで、「ぬめぬめ動く!」と感動していました。

その次のメールで「高橋メソッドを習得しました」とありました。私からは、tribox の初心者用手順がタダで手に入るとか、Cube Voyage の初心者用手順とか伝えたのですが、メールが行き違いになったようです。

その高橋メソッド、すごいですね。基本的に"右手順" U R U' R'、ごくまれにその対称形の"左手順" U' L' U L、にセットアップを加えるだけで揃えていきます。あ、クロスはデイジーでした。8533法に似ているのでしょうけど、下段→中段→上段と揃えていくので、バッファーを利用するマニアックさも感じずにすみます。

ちゃんとトリガーを教えているのにも好感を持ちました。語り口が穏やかな年配の男性によるものですが、初心者に分かってもらおうという工夫が様々に感じ取れました。手順の覚え方として、時計をイメージさせるのも悪くないですね。

ただ、上面の辺を合わせ終わった後の、上面隅の合わせが、ラッキー頼りと手間が煩雑になるのが気になりました。せっかく上面まで揃えてきて、ひっくり返すのがもったいなすぎて、さらにそれで崩れることがあって補正する必要も出てくるなんて…。anti Sune と U-perm くらいは別手順として覚えて良いと思います。

その高橋メソッドで、小学二年生でも 3x3x3 を解けるようになったそうです。しかも 1分30秒で。私は 1分半を切るまで二年かかりました。…トリコンには幼稚園児もいたりしますけど、まぁスペシャルな幼児は置いておきましょう。私の娘はまだデイジークロスも分かってくれません。

子供は合う手法・合わない手法が様々です。切り口をいろいろと用意しておくと対応もしやすくなるように感じます。
posted by じゅうべい at 10:21| Comment(0) | 手順333