2021年09月29日

Master FTO の試し解き

四階面転八面体、Master FTO
MFTO_VBWO.JPG
準備に時間が掛かってしまいましたが、試しに解いてみたいと思います。スクランブルは FTO Notes

Example 1: L’ U’ R BL F’ R’ L BL’ U B’ D L B’ F’ R’ BR’ BL BR F’ D’ BR’ BL U D’ BR

を全て内層1層廻しで廻してみることにします。つまり、以下の回転記号、
MFTO_notation'''.jpgMFTO_notationInner.jpgMFTO_notationSj'.jpg
で言えば、全て j の添え字付で廻すことにしました。R→e, BR→n, L→w, BL→i、はいつも通り(?)で問題ありませんが、この FTO Notes の 持ち方にはやや癖があるので、U→s, F→b, B→t, D→a、となるのでお気をつけください。J式表記に変換すると、

wj- sj- ej ij bj- ej- wj ij- sj tj- aj wj tj- bj- ej- nj- ij nj bj- aj- nj- ij sj aj- nj

(j を抜いてすっきりさせると、w- s- e i b- e- w i- s t- a w t- b- e- n- i n b- a- n- i s a- n)
となります。

白上・青前でスクランブルすると以下の通りになります。
MFTOex00_ScrF.jpgMFTOex00_ScrH.jpg
右側は縦180°回転、全体の持ち替え記号
FaceTOct_notation_object.jpg
で言えば x2 した図となります。これを毎回併記するようにします。…見て分かるものでもないので、実際に廻していただいた方が良いでしょう。

内層廻ししかしていないので、隅位置は変わっていません。青と赤に至っては中(センター)まで揃っています。ですが、翼・辺を合わせていく過程で崩れるので、あまり気にしなくて良いと思います。

まずは翼合わせ、つまり
MFTO_wings.jpg
この組み合わせを揃えていきます。

左奥の紫赤と右下の橙桃はせっかく揃っているので、崩したくありませんね。うまくずらして揃えましょう。

まずは e- b- i t e&- で
MFTOex01_Wing1F.jpgMFTOex01_Wing1H.jpg
これはお得ですね。前上の青橙,右奥上の青白,左下の緑黄,奥下の赤緑と 4つも一気に揃ってしまいました。

続いて a- (緑赤よけ) n- (青白よけ) t (青橙よけ) b (緑黄よけ) e&- で
MFTOex02_Wing2F.jpgMFTOex02_Wing2H.jpg
前上で黄橙が揃います。あとは手順で合わせるしかありませんね。

以前紹介した翼合わせ手順、ij- (ej n ej- n-) ij (n ej n- ej-)
MFTOset_3Wings.jpg
は最初の ij- ej が e# となり、さらには e廻しで全体を持ち替える eo でも構わないことが分かりました。E面の三角形を把握しながら廻すと良いでしょう。下面が前面に来ることを意識するとなお確実です。I面(左背面)に左人差し指を当てると廻しやすい気がします。さらには、I面を左手で持って E3層廻ししても構いません。

最後も ej- ではなく、e&- と二層廻しにした方が廻しやすいでしょう。手順としては、

eo (n ej- n-) ij (n ej n- e&-)

となります。逆手順も

e& (n ej- n-) ij- (n ej n-) eo- にできますが、最後の持ち替えは不要ですし、その前の n- も翼合わせに関係なく、さらにもう一つ前の ej- も二層廻しで構いません。すると、

e& (n ej- n-) ij- (n e&)

が翼合わせの逆手順となります。だいぶ短くなりましたね。残念ながら正手順は初手の持ち替えをしないと下段廻しなどが発生して廻しにくく、また移動も把握しにくいので、私は eo 持ち替えをしてから廻すようにしています。

さて、この逆手順、e& (n ej- n-) ij- (n e&) を廻すと
MFTOex03_Wproc1F'.jpgMFTOex03_Wproc1H'.jpg
続いて t- のあと、再び逆手順、e& (n ej- n-) ij- (n e&) を廻すと
MFTOex04_Wproc2F'.jpgMFTOex04_Wproc2H'.jpg
と翼の組み合わせが全て揃いました。

続いて辺をその翼の組に入れていきます。これも前に紹介した手順、(e t& e- t&-) ej (t& e t&- e-) ej- で
MFTOmove_3EdgeNSI.jpg
と、この図で示す三点交換が実現できますが(いつもと表示向きが異なっているのでご注意を。中央の三角が T面(上面)です)、最初の e は移動に関係がないので不要で、最後は e& にまとめられますね。中央の ej は e& e- なので、書き直すと、

(t& e- t&-) e& (e- t& e t&-) e&-

すごくすっきりしました。内層回しがない(?)だけで全然廻しやすさが違いますね。逆手順もそのまま、

e& (t& e- t&- e) e&- (t& e t&-)

コミュテーター手順っぽいけど絶妙に違うところも何とも言えません。

さっそく廻してみましょう。s のあと逆手順、e& (t& e- t&- e) e&- (t& e t&-) で
MFTOex05_Edge1F'.jpgMFTOex05_Edge1H'.jpg
つづいて n s- 正手順、(t& e- t&-) e& (e- t& e t&-) e&- で
MFTOex06_Edge2F.jpgMFTOex06_Edge2H.jpg
e- s- n- i- 逆手順、e& (t& e- t&- e) e&- (t& e t&-) で
MFTOex07_Edge3F.jpgMFTOex07_Edge3H.jpg
さらに a- b- a- s 逆手順、e& (t& e- t&- e) e&- (t& e t&-) で
MFTOex08_Edge4F.jpgMFTOex08_Edge4H.jpg
と、黄青赤桃面の辺が翼の組に入りました。最後の場合は、青橙青→橙青橙→青青青、と三点交換によって疑似二点交換を実現しています。

続いて白緑橙紫面ですね。x2 持ち替えで上の右図が前上右左を示すように変わります。そこから、

s i- 正手順、(t& e- t&-) e& (e- t& e t&-) e&- で
MFTOex09_EdgeR1F.jpgMFTOex09_EdgeR1H.jpg
i w a- i 正手順、(t& e- t&-) e& (e- t& e t&-) e&- で
MFTOex10_EdgeR2F.jpgMFTOex10_EdgeR2H.jpg
b- w i e n- 逆手順、e& (t& e- t&- e) e&- (t& e t&-) で
MFTOex11_EdgeR3F.jpgMFTOex11_EdgeR3H.jpg
e s- a w i 正手順、(t& e- t&-) e& (e- t& e t&-) e&- で
MFTOex12_EdgeR4F.jpgMFTOex12_EdgeR4H.jpg
全ての辺が翼の組の間に入りました。

あとは普通に面転八面体、Face-turning Octahedron として解けば良いですね。で済ませても良いのですが、多少気をつけるところもあるので、また次回に説明したいと思います。

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posted by じゅうべい at 15:08| Comment(0) | Octahedron