4層のピラミンクスであるマスターピラミンクス Master Pyraminx、
を試しに J式で解いてみましょう。
スクランブルが csTimer にもあるのはありがたいですね。ただ、まずは Harsha Paladugu さんの動画 のもので試してみましょう。
R Rw Lw L' R' Rw' L Bw' L' B' Bw'
Lw Rw' R Uw' U Lw Uw' Lw' U' Rw'
Lw Uw' Lw' U R Lw' U' Bw' L B Rw L
Rw U' Uw Lw R' Uw' u' l b
…長いですね。普通のピラミンクスのスクランブルと同様に緑前・黄底でスクランブルすると
となりました。右側は底面を手前から持ち上げて見た図です。動画でも同様になっていることを確認しました。
毎度のことになりますが、J式回転記号は以下の通りです。ピラミンクスのものを流用しています。頂点とその次の層だけ廻す場合はそのまま、さらにもう一層、面以外の三層を合わせて廻す場合は & を添え字に加えます。反時計廻しの場合は – (WCA記号なら ' )を添えます。2回ぶん廻す、つまり 240°回転は、ピラミンクス系ではあまり用いられませんね。
WCAのスクランブル時の回転記号表記の場合、それぞれ、n→B, e→R, w→L, t→U となります。
まず頂点を合せましょう。記号は特に示しませんが、上を時計廻し、左と奥を反時計廻しして合せます。
WCAのスクランブル時の回転記号表記の場合、それぞれ、n→B, e→R, w→L, t→U となります。
面廻しの記号については
とします。面廻し記号を w添え字で廻す方は c→Rw, s→Bw, i→Lw になると思いますが、それらの方々も 底面廻し(J式の b、世間では D?)とRw 以外は廻さないようですね。そちらの表記をカッコ内に示す場合は、複層廻しを添え字なし、単層廻し(頂を入れると 2層)の場合は s を添えて示すことにします。
持ち替え記号 (Rotation) は [ ](カギ括弧)でその軸の記号をくくって示すもののようですが、ここでは、水平持ち替えを y, y-、右下を固定しての持ち替えを x, x-、奥下を固定しての持ち替えを z, z- で代用することにします。…左下固定の持ち替えが発生しないことを祈ります。
まず頂点を合せましょう。記号は特に示しませんが、上を時計廻し、左と奥を反時計廻しして合せます。
奥稜の上の翼は直下の辺と反転状態にあるので使いにくいですね。全体を反時計回りに 120°廻しましょう。上に示した y- 持ち替えで、
奥稜の黄赤と合せたい辺は右下にいます。向きを考えて、b- e& (D' R) で合せます。
t (Us) で黄赤が合うので、それに合せて右上の翼(緑赤)と合うように左の辺を緑赤にします。今回はたまたまそのままで合ってくれましたね。t (Us) を廻すと、
となります(底面は変わりません)。続いて、今度は奥稜の上翼が緑赤、先ほど左稜で合せたばかりですね。s (Bw) で合う位置に置けます。右上の翼は緑黄なので b w& (D L)でその辺を左稜に持ってくると、
となり、t (Us) でその二つの翼と辺が合います。
今度は奥稜の上翼は青赤、その右面の色が辺の前面にくるようにするので s- (Bw')、そのときに右上翼は青緑でそれは奥稜の辺の色なので合せられません。揃っていないものを適当に左稜に持ってきましょう。w&- (L') で良いでしょう。t (Us) で、
再び奥稜上が青赤になったので s- (Bw')、右の黄青は上下反転が必要ですね。e&- b e&- (R' D R') とします。今度は t- (Us') で、
今度は再び黄青合わせになったので s- (Bw')、左上の赤黄は t- (Us') でそのまま揃います。
次は緑黄、b- e&- (D' R') で右稜にセットし、
緑青が奥稜にあることを見つけ、「あ、残りは三点交換だ」と気付きました。いえ、セットする前に気付きたいものですね。慣れてくるとなんとなく”そろそろ終わりだな”と分かります。y 持ち替えで
この三点交換は頻出します。というか、他の三点交換はあまり見かけません。基本的に、奥稜翼と右辺を合わせようとするからなのでしょう。この、
という三点交換は w& (L) で
t (w& e- w&- e) t- / (Us L Rs' L' Rs) Us'
に変換できるので、併せて
w& t (w& e- w&- e) t- / L Us (L Rs' L' Rs) Us'
で揃えられます。共役としては、最後に w&- (L') を廻すべきですが、三つ組みが全て揃ってしまったら、次はピラミンクスとして解く状況になるので不要となります。
その手順を実行すると、
となります。私は Polish V〜L4E で解くので、y- z 持ち替えで、
n& w&- e& n&- e&- n& (B L' R B' R' B) で
右稜が合っているので、t&- (U')、
で、前反時計・左奥替え t w- n- t- n t- w t を複層廻し、t& w&- n&- t&- n& t&- w& t& (U L' B' U' B U' L U)、最後は合わせで t- (U') に変えて廻すと、
あとは 中 反時計廻しですね。(e& wj- e&- wj-)^2 / (R L' Ls R' L' Ls)x2 で完成です。
手順としては、前面から中心を廻したい方向に二層廻しをし、その逆方向に中層を前から奥に回します。最初に廻したのと逆方向に回し、その逆側の中層廻しはやはり前から奥に回します。それを二回繰り返すだけですね。
…すごい手間をかけて、ものすごく分かりにくいものを書いてしまいました。図を見て読んでもこれでは分からないでしょう。ぜひ実物を廻しながら確認していただければと思います。