2021年08月03日

David Gear 9:スクランブルの提案

最初は全然関係ない話題から。

早起きは三文の得』の由来について調べてみたところ、Carrer Picks というサイトに”早起きは三文の得』の由来は中国の『宋樓鑰詩』という書物にあります。『宋樓鑰詩』では、「早起三朝當一工」という記述が残されており、「3日早起きすれば、一人前の仕事になる」という意味でした。”とありました。多くのサイトでも引用されています。

ところが、この書物が見つかりません。樓鑰は実在するようで、コトバンク によると南宋の時代の学者(1137–1213)だそうですが、中国の古詩・漢文検索サイト 捜韻 で 樓鑰についての一覧 を見つけることができ、そこそこ探してみましたが、見つかりません。

一方、時代は元に下りますが、魯明善(1271−1368)による『農桑衣食撮要』の下巻 の末尾に「一日之計在寅。晏眠早起,三朝當一工。居家以勤謹爲先。」とあるのを見つけました。寅は朝の 3〜5時のことなので、直前の 一家之計在和。, 一生之計在勤。, 一年之計在春。などと併せて「一年の計は元旦にあり、一日の計は早朝にあり」といったことを言いたいのでしょう。"三朝當一工。"は DeepL翻訳 では「早寝早起きをすれば、3日分の仕事ができるようになります。」と訳されましたが、Google翻訳 では「早く寝て早く起きて、3つの王朝の仕事になりましょう。」、意訳すれば、「早寝早起きは長期にわたる仕事を保証してくれる」となるでしょうか?中国古典の感覚からすると、”三朝”は朝三日分よりは、王朝三つ分の方がしっくりくる気がします。

この時代、ネットの情報は鵜呑みにできませんね。気になったら、きちんと調べた方がしっくりくるように思います。

その点、キューブ系パズルの情報は廻したらすぐに確認できますし、スピード競技においては勝てない方法は廃れていくので、情報の新陳代謝も早いように感じています。私も変な情報は載せられませんね。

というのはほぼ言い訳で、せっかく調べたことを誰かに言いたくなっただけです。失礼しました。もちろん、私はこの分野の専門家ではないので、上記の調べ物に誤りがある可能性も充分にあります。その場合は申し訳ありません。

それはさておき、デビッドギア、David Gear's cube
DavidGear左黄右列青白.JPG DavidGear歯車小回転.JPG
についてですが…、あれだけ多くの手順を用意したので、状況に応じた手順を用いればあっという間に解けてしまうだろうと思っていましたが、思いっきり甘かったです。

現在 20回解いて 1/5/12/20 = 7:26.50/ 10:42.86/ 12:04.02/ 12:49.99、この手の表記に馴染みがない方に説明すると、連続した1回/5回/12回/20回の平均(average of を略して ao と示される場合は、最速・最遅を抜いたものを平均します)記録のうち、最も速い記録を並べたものになります。先頭は最も速い 1回、つまり最速記録になります。

平均 8分、最速 5分くらいを気軽に目指していましたが、まだ遠いようです。「どう解いたらいいか」を迷うようではまだまだですね。

いろいろ見つけた手順が、意外と使い物にならないのも残念でした。ただ、最後に 3つの入れ替えが残った場合は 2x2x2 での移動手順を駆使して、

左下・右前下三点移動(手順としては上前下対角 一三平行 上前下対角 一三平行)
Wheel3RotateL23R3'.jpg
[e- t e- n2 e t- e {e (t- + t- –) e2 (+ t – t-) e2 t2 e- } ]^2
/ [R' U R' B2 R U' R { R (U' G U' G') R2 (G U G' U') R2 U2 R' }]x2

に持ち込むのは有効のようです。

スクランブルについては 2x2x2 のものを流用しています。面を廻したら、それが時計廻しだったら隅歯車も時計回りに、反時計廻しだったら、隅歯車も反時計回りに廻します。tribox コンテストの 2x2x2 スクランブルはどうも 180°回転をスクランブル中に 3回含むようなので、1つめと 3つめは ++、隅歯車を時計方向に 120°x2 廻し(以前もお話ししたように、これは隅歯車を反時計回りに 120°廻すのとは結果が異なります)、2つめは ––、隅歯車を時計方向に 120°x2 廻すのでいかがでしょう?

たとえば、その先週の TORIBOコンテストの 2x2x2 の第一試技は
U' R U2 R' U' R' U2 F R' F U2
なので、隅歯車の回転を加えると
U' – R + U2 ++ R' – U' – R' – U2 –– F + R' – F + U2 ++
となります。
その結果は
Sc21L4a.jpg

となりました。背面は表しにくいので右下隅に、前から透視した形で示しています。

割と廻しやすいスクランブルとは思いましたが、詳細を説明するのはまた次回にとさせてください。

posted by じゅうべい at 14:56| Comment(0) | 歯車