先週の TORIBOコンテスト のスキューブではすごいスクランブルが出ました。
その5:B L B R U L B U R U R'
z y2 持ち替えしたらこんな感じに。右はいつも通り、前から透過した背面の配色です。日本配色なので、世界配色の方は黄と青を読み替えてください。
青底の CS (color stable) を標榜している私ですら、さすがにこれは赤底で解きました。多くの人々が平均タイムの三分の一くらいの最速タイムを叩きだしていました。…お恥ずかしい、赤の対面色である橙がどう動くのが正しいのかをとっさに判断しきれず、最遅 19.717 秒を出してしまいました。他が調子が良かっただけに残念です。
J式スキューブの回転記号を再掲しておきます。反時計回りでは各記号に"–"が付加されます。
上記スクランブルでは、前反時計W上げ、w s w– s– を廻すのはもちろんですが、このときに他がどう動くかも把握しておきたいものですね。
まず板については 2020年4月21日に書いていたようですが、
左から順に、板E上げ,N上げ,W上げ,S上げ
で図のように他の板が動きます。前面から上げる場合は隣の前面とその奥の面で交換され、奥面から上げる場合は前面が交換されます。
ですので、このスクランブルでは E面に青が完成することまで容易に読めます。なら、w s w– s– y2 より、インスペクションで y2 しておいて、e n e– n– した方がいいですね。…私はできませんでしたが。
「この手順で、上隅がどうなるかもまとめておきたいよなぁ」と以前から思っていましたが、サボっていました。そのツケを食らいましたね。これを機会に図を作ってみました。
まずは、前隅 時計廻しから。 ←上板が間違っていました。'21.9.6、お詫びして修正します。
左から順に、上板,板E上げ,N上げ,W上げ,S上げ、です。
前隅 反時計廻しでは、
これも同様に左から順に、上板,板E上げ,N上げ,W上げ,S上げ、です。
基本的に上板以外は前時計と前反時計は逆手順なので、廻る隅は逆方向に回り、不動の隅は変わりません。理由は分かりませんが、前時計上板と前反時計W上げ、前反時計上板と前反時計E上げ、が隅向き替えに関しては一致します。
これらの移動を全て頭に入れるのは大変そうですが…。
スキューブの上隅の向き替えは対隅と Pi上げしかありません。移動もしません。向きが変わらない隅は右上か左上、あとは前上がどう変わるかを覚えれば充分です。
右側上げ(E・N)は左上隅が不変、左側上げ(W・S)は右上隅が不変、逆サイドの上が変わらないというのは分かりやすいですね。
前上げ(E・S)は前上隅が前下隅と逆回転、奥上げ(N・W)は前上隅と前下隅の向き替え方向が一致します。これも分かりやすいですね。
上板だけ特別で、前下の底面が向いている側の上隅が向き替えなし、前上は前下と逆方向に向き替えします。
この辺は慣れるしかないでしょう。この知識を生かせるだけのスクランブルもなかなか来ませんし、解いている最中の一瞬でこれらが判断出来るようになるにはかなりの修練が必要でしょう。私は…気が向いたら頑張ってみます。
ということで、先週の TORIBOコンテストのスキューブその5、
前反時計W上げなので、右上が変わらず、前上は反時計回転、ということは、前上・右上とも青が上を向きます。つまり、橙が側面を向くのでこの E面が Pi (Π)の上側となります。揃っている面を W面において手順を廻すものなので、y2 持ち替えした W面の対面の E面(前隅を廻すときの W面)が Pi の下部、つまり PiE 上げとなります。またこの前隅を廻すときの S面(前左面)の下隅は黄、そこに前面交換で緑が来るので、青面が揃っていることを考慮に入れると S→N→W の反時計移動も読むことができます。
結局、この図から y2 (スクランブルからなら z 持ち替えだけ)して、e n e– n– / 反時計PiE上げ:n– s– e– s– e– n– e– s– で完成します。途中の n– n– を n にできたらさらに強者(つわもの)ですね。
習得出来たらインスペクションで楽々読み切れるレベルだと思います。この前に一手加わるとだいぶ困難になるでしょう。その辺もきっと修練と慣れなのでしょうね。
私はまぁ無理せず、ぼちぼちやります。