は一隅向き替えなどが発生しなければ本来はあまり難しくないパズルです。
以下の、J式スキューブの回転記号、
まずは辺上にある小三角、稜(りょう)と読んでいますが、それを合わせます。これが全ての指標となります。灰色に着色されたものを合わせましょう。





を流用すると、e, w, m とその反時計廻し("–"を本来は肩付きで表示しますが、このブログでは肩付きができないのでそのまま示します)は日常的に廻します。スキューブと違って、たとえば e– (反時計廻しに 120°、面一つ分)と e2 (時計廻しに 120°×2、面二つ分)は違うので注意しましょう。面に位置する歯車は同じ位置に移動しますが、隅の歯車の向きが 180°変わることになります。…それ以外の角度になってしまっていたら、前回の“一隅向き替え”を頑張って試してみましょう。
隅の歯車の向きについては、毎回隅向きを合わせていたら面倒くさくもなるので、終盤に合わせれば良いとも思いますが、向きが合っていなかったら e3 など 360°回転で合わせられます。この 360°回転が面倒ですね。歯車パズルの弱点だと思います。
基本的には n, s, o、そして奥下の a (上図では示していません)は廻しません。「構造上、廻せない」とも言えますが、実は g は廻します。n, s 隅を左手の親指・中指でホールドして、右手親指を E面(右面)の歯車、右手中指を N面(奥面)の歯車に当てながら外側に捻ることで g回転は実現できます。白面歯車は位置を変えず、底面にあった黄面歯車が右面に上がってきます。
…右側の写真は右手の指が変わっていますね。右手親指を底面、人差し指を右面に当てて回すとこの指になります。どちらでも廻せますよ。手順の流れでは親指を右面に当てて廻しそうですが、それも好き好きでしょう。
もちろん、これは z y 持ち替えでの w なのですが、持ち替えずに廻すことで手間と混乱を減らすことができます。
まずは辺上にある小三角、稜(りょう)と読んでいますが、それを合わせます。これが全ての指標となります。灰色に着色されたものを合わせましょう。





左から順に、e, w, m w, m– e–, m– w で稜が合います。
稜が合った面を下に持ち替え、次は側面の稜を e, e–, w, w– で合わせます。多くても三回の合わせ作業で全ての稜が揃います。
隅向きが面と合っていないところがあったら e3 などの 360°回転で合わせてしまいましょう。稜が揃っていれば隅の歯車の色もその稜の色と合うはずです。合っていない場合は四隅ひねりか一隅ひねりを駆使して合わせましょう。
基本的にどれも Y交換子(Sledge Hammer)か、それに共役(セットアップ)を加えたものになります。交換子や共役という用語(元々は数学の群論の用語)については島内先生の本をぜひご覧ください。
三面正時計:e w– e– w
三面反時計:w– e w e–
右列三巡 上を右:m– (e w– e– w) m
左列三巡 上を左:g (e w– e– w) g–
面歯車の三面交換だっと思ったら隅歯車の周囲三面だったりして素直に合わせられない場合があります。あきらめて一面を崩しましょう。そのような場合はたいてい単純な正時計・反時計合わせでは合わないので、列三巡手順を用いましょう。これも、右列三巡は上下をひっくり返しても左列系にはなりません。移動方向が逆になるだけです。あきらめて両方の手順を覚えましょう。中間部分は三面正時計に揃えたので把握しやすいと思います。
ここまで揃ったら隅の小三角の位置と向きを合わせるだけになります。この小三角は、対角交換の移動しか起こり得ません。
まず、向きはともかく、小三角の位置が合っているのかどうかを確認します。位置合わせが必要であれば、その移動方向が上面の前⇔奥、下面の左⇔右になるように持ち替えます。
対角交換_下奥を下:(e w– e– w)^3
合っている小三角が上面に来るように持ち替えて廻しましょう。
対角交換_向き替えなし:g (e w– e– w)^3 g–
向き替えがない対角交換の場合はこの手順で。
向き替え_下前を下:(e w– e– w)^3 g (e w– e– w)^3 g–
対角交換を二回廻せば位置は元に戻ります。ひねりのみを実現するにはこれが一番手順は短そうに感じています。
e w– e– w だけでも歯車がロックしたり、一隅捻りが発生したり、と危険に満ちていて、それを三回繰り返すなどは大変な作業にはなりますが已むを得ません。右上・左上の隅歯車の向きを意識しましょう。普通の場合は前半の e w– で右上と左上の両方の隅歯車が稜を上にした向きになり、後半の e– w でそれが戻ってくるということを常に意識して廻しているしかなさそうです。さらに g, g– を廻した後は左上の隅歯車の向きが右上の隅歯車の向きと逆になります。この辺も慣れるしかありませんね。
小三角が三隅捻られていたらこの向き替え手順を二回廻さなくてはなりません。26x2 = 52手、長いですね。頑張りましょう。
ネタさえ分かってしまえば、解く難しさはありません。カラカラと気持ちよく廻ってくれますし、キューブ系パズルに無縁な方に適当に廻してもらって、廻す気持ちよさを味わってもらったあと、ひょいひょいと復元してみせたりするのも良いでしょう。
ネタにあふれたパズルではありますが、気持ちよく廻せるのはそれだけで素晴らしいと思います。残念ながら tribox では先週で品切れになってしまいましたが、また入荷してくれることを祈っています。