せっかくなので(って何がせっかくなのだか)、前回に引き続き、先週のTORIBO contest、'21前半期19節 のスキューブ も試し解きしてみましょう。今回はどのスクランブルが特に解きやすいとかはなく、分散していたようでした。
まずはその3、
B R U L U L U R' U R' B
右図は前から奥側を透視したものです。私は日本配色なので、世界配色とは黄と青が入れ替わっているのはご容赦を。
今回はどのスクランブルも CN (color neutral、底面色を固定せずに解く)が効果を上げるようには感じられませんでした。そういうときに迷わずにすむのが CS (color stable、底面色固定、そんなことを言っている人はいないと思いますが…)の良さだと思います。青隅を左下において廻しやすそうなのは、x 持ち替えでしょうか?J式スキューブの回転記号(基本は島内先生の方位システム)を再掲しておきます。反時計回りでは各記号に"-"が付加されます。
底が s n- で右と揃い、合わせて g で三つ組みが完成する典型的なパターンで読みやすいと思います。ただそこで、g の前に s で奥まで揃ってしまうのがミソですね。s n- s g で、
前時計W上げ、s w s- w-、これは廻しやすくてラッキーですね。W面と上面の交換の他に前面も交換されるので、N面の橙は揃ったままですが、さすがに読めませんでした。が、
前に側面の底に橙が見当たらないので、赤底の対面の N面に橙が揃っていることが持ち替えずに分かります。y- 持ち替えして、時計PiE上げ、(g s g s) e (g s) e- で完成です。
トップクラスなら上隅の回転まで覚えていて、インスペクションで完読みしているのでしょうね。恐ろしい限りですが、2x2x2 よりは読みやすい気がします。
私はこれを見間違いの廻し間違いで最遅を出してしまいました。お恥ずかしい限りです。
その4、
U L' B' U' L U R' U R' U' L
はそのままで g 底 n 奥 e 右と入ってくれるラッキーパターン、さらに s で前も入り、板N上げ、n- e n e- で分かりやすく 二の字PiS上げ、e- s (e- g e-) s (e g- e) n で完成です。私はこれが最速でした。板N上げを e n- e- n で廻してしまうと y2 持ち替えの二の字SE上げになってしまうのですが、この辺は指運もあるのでしょうね。
その5、
B L B' R' L' R B R L B' L
z- y 持ち替えの
が自然に感じられます。g- で底が、e- で右が入る読みやすいパターンで、さらに最初に n- を入れておくと g- で奥がいい位置に来てくれます。n- g- n- e- で右底奥が揃い、s で時計S上げ、s e- s e s、このキャンセル(合わせて s- e- s e s)まで読めたら良いのですが、私にはまだ難しいですね。
底と側面板がそれぞれ異なっているので判断が分かりやすいですね。y 持ち替えで、二の字PiS上げ、e- s (e- g e-) s (e g- e) n で完成です。その4で廻したばかりなので廻しやすかったはずです。
私は y2 持ち替えで、n- のあとに s- で底と右を揃えて g- でその両者を底面に向け、s- n で奥を入れてから、前時計W上げ、s w s- w-、黄が底と板が合ったのを確認して y 持ち替えで反時計PiS上げ、g- (s e- s e-) s g e- で完成、と読んだのに、初手を n にするミスでいろいろ遅くなってしまいました。
やりようはそれぞれですが、工夫もできる上でどれを選ぶかの運もあり、面白いと思います。