の解法についてですが、揃っている大歯車を合わせて、左右に分離して右だけ廻したり、
ここで分離したまま左上を 60°反時計回転に廻すと大歯車の黄面が上に、青面が前に向きます。あら、左下の小歯車も青面が前を向いてしまいました。簡単でラッキーでしたね。
前後に分離して前だけ廻したり、
上下に分離して上だけ廻したり、
していたら、大歯車・小歯車1つ(どちらかもしくは両方)以外はなんとなく揃ってしまいます。
ズレていて揃えたい歯車を左奥下に置くのが Kemi さんのサイト、右前下に置くのが Ruwix、左奥上に置くのが ふれきしびりてぃさんのブログ、右前上に置くのが Z-CUBE の付録手順です。Jaap 氏のサイトにも解法はありますが、ちょっと分かりにくかったですね。
私は右手で廻すので、ズレている歯車を左奥に置く、Kemi さんのやり方を踏襲しています。ただ、一読しただけでは、理解が悪い私には手順が理解できませんでした。左右分離して右上の歯車を廻すことを”R面を廻す”と表現しているようです。
歯車系のパズルはとにかく回転量が多く、ひたすら手間が掛かる印象を持ってしまいました。このギアトランスフォームも、360°回転が基本です。白面が上を向いている状態から、再びその白面が真上を向くまで回転させます。それが左右分離の場合であれば R、360°x2 = 720°回転で R2、反時計回りに 360°廻したら R'。大変ですね。
実は分離せずに廻す方が廻しにくいです。机か膝の上に置いて、対角になるように持って右手が手前から置くに、左手が置くから手前に来るように廻す感じになりますが、持ちにくく廻しにくいですね。一方、分離した場合は、廻さない方は置いておけるもしくは持っておけるので、残りを片手で廻せば問題ありません。
ズレている歯の数も数えなければなりません。小歯車(5歯あります)なら、ズレは時計方向に 1歯,2歯、反時計方向に 1歯,2歯、の四通りがあります。大歯車(8歯あります)は偶数歯しかズレないので(奇数歯ズレていたらネジを緩めて填め直してください)、起こるズレは時計方向に 2歯,4歯、反時計方向に 2歯、の三通りがあります。反時計方向に 4歯は時計方向に 4歯ズレているのと変わりません。
まず、ズレている歯車のズレの完成に戻すために必要な歯の数と向きを確認します。続いて、その歯車を左奥下に置いて、上下分離して右上を、ズレているのが小歯車ならズラしたい歯数x360°、ズレているのが大歯車なら戻したい歯数÷2x360°、戻したい向きに廻します。続いて前後分離して右上を同様に廻します。最後に左右分離して右面と左面をそれぞれ合わせて合体させれば完成します。
Kemi さんのサイトにも説明がありましたが、右上前の歯車を 360°x n (-2, -1, 1, 2 のどれか)廻しても、廻した歯車と同種類の歯車は向きが変わりません。また、上下・左右・前後に分離して廻した場合、右上前の歯車を廻しても左下奥の歯車は回りません。
廻すのが大歯車の場合、右奥と右下の小歯車は 8 x -n、左上は上下分離と前後分離のどちらでも回るので 8x -2n だけ回ります。右奥と右下の小歯車は、元々ズレていないところを同じ量だけズラされるので、最後の左右分離廻しで合わせられます。左上の小歯車は 5歯で一回転なので、-16n 回るということは実質 -n歯回ったことになります。元々、左下奥が +n歯廻せば揃うということは -n ズレていたということなので、左上前のズレの量と揃い、こちらも左右分離で左面を合わせることで揃えることができます。
廻すのが小歯車の場合、右奥と右下の大歯車は 5 x -n、左上は 5x -2n だけ回ります。右奥と右下の大きい歯車が最後の左右分離廻しで合わせられるのは上記と同様です。左上の大歯車は 8歯で一回転なので、-10n 回るということは実質 -2n歯回ったことになります。元々、左下奥が +2n歯廻せば揃うということは -2n ズレていたということなので、こちらも左右分離で左面を合わせることで揃えることができます。
字だけ読んでいても全然分からないかもしれません。試してみましょう。スクランブルは先週の TORIBO Contest、2021 前半期 第18節 の 2x2x2 その1を試してみましょう。
R' U' F2 R2 U2 R2 U' R' U2 R U
廻すのは常に右上で、R なら左右分離、U なら上下分離、F なら前後分離し、添え字無しなら正時計360°、' ありなら反時計360°、2 なら 720° 廻し、2文字ごとに x 持ち替え、手前面が上に来るようにして廻す歯車が大・小それぞれ廻せるようにする、というのでいかがでしょう?
私は世界配色でも青クロス・右赤左橙なのをご容赦ください。上のスクランブルを廻してみると、
となりました。右の写真は x2 持ち替えで下面が見えるようにしたものです。
ギアの噛み合わせの関係で、きちんと 360°廻せないことも多々ありますね。ぐにゃっとなることも多発しますし、再現は難しいかもしれません。
ともあれ、上記のようにスクランブルできたとしましょう。大歯車から合わせるのが分かりやすいと思います。まずは左右分離して右の大歯車を廻すと 120°回転(一周の三分の一)で右面に赤が揃いました。
ここで分離したまま左上を 60°反時計回転に廻すと大歯車の黄面が上に、青面が前に向きます。あら、左下の小歯車も青面が前を向いてしまいました。簡単でラッキーでしたね。
なら、右上前の小歯車も合わせてしまいましょう。この左右分離のまま、右前下の大歯車を 360°x2 時計廻しすると揃います。
合体させて、x' 持ち替えで上面が前に来るようにすると
上分離して右上前の大歯車を廻していれば、少なくとも右奥か左前のどちらかの小歯車が揃います。360°時計廻しで、ありゃりゃ、小歯車は右奥も左前もどちらも揃ってしまいました。
水平反時計持ち替え、 y' で
大歯車のズレの量を調べます。慣れないと読みにくいものですが、歯を置き換えていくように数えていくと分かるでしょう。時計廻しに 4歯廻すと揃います。
y x 持ち替えで大歯車が左奥下にくるようにして、
上下分離して、右上前の小歯車を 4÷2x360° = 2x360° 時計廻しします。
続いて前後分離して同じだけ右上前の小歯車を廻します。
あとは左右分離して、右面を揃え(45°+360°くらいで合いました)、
左面を揃えれば(180°+2x360°くらいで合いました)、合体して完成です。
どちらを廻しても支障がない場合は大歯車を廻した方が速く廻せますね。
大歯車・小歯車がどちらも一つづつズレているときには順番に合わせていくのがいいでしょう。最後の左右分離合わせを一気にやってしまうことも検討しましたが、カウントミスや持ち間違えでのトラブルが多発しました。
いずれにせよ、そんなに難しいパズルではありません。ギアキューブの練習用にはもってこいでしょう。