2021年01月19日

傀儡魔方〜 Puppet One の紹介

tribox (最近、店名およびブランド名を”トリボ”に変更したそうですが、社名は変更されてないそうなので、ここでは以前との整合性や私の慣れもあり、tribox と表記させていただきます)で紹介されていたのが、
です。MoYu (魔域文化)のサブブランドの魔方教室 (Cubing Classroom) の製品ですが、「900円でお安いし、ちょっと変わった感じで楽しそう」とつい買ってしまいました。Puppet One は以下の写真ですが、

Puppet1_solved.JPG Puppet1_te.JPG

…地獄を見ました。

上の右の写真は 2手しか動かしていませんが、ちょっとぼおっとしていたら、ここからも復元できない気がします。確か、ちょっとうっかりして「3手くらい試して、すぐ戻せば大丈夫」などと思って、復旧不能になった記憶があります。

そこから、立方体にも戻せません。驚異の回転制限、一面すら揃いません。出迎えで入れようとしても、すぐそこに合わせるべきものがあるのに、その方向にだけ廻せません。

「これだけ回転制限がきつかったら、むしろ一方向性に変形していけるはず」などと試してみますが、全然です。まったくもって抜け出せません。

私はあくまで自力で解決しようとする心意気に欠けるので、あっさりとネットに頼ることにしました。ブランド名として MeiLong もあるので、”MeiLong Puppet solution"などで検索をかけてみました。

…見つかりません。

いくつか YouTube の動画もありましたが、パズルとして紹介している程度。その一つではコメント欄に「解法解説を誰が世界で初めて作るかの競争が始まったってことだね」などとあったり、「分解して戻そうとしたけど、壊れちゃった、戻らないよ」とあったり、世界的にもボロボロのようです。

ただ、ちょくちょく見ているサイト、魔術方塊でこのパズルが紹介されているのは見ていました。そこでの名称は”魔域傀儡魔方(Puppet Cube I & II) 1號2號”でした。傀儡は訓読みで”くぐつ”、音読みで”かいらい”で、傀儡政権などの語で用いますね。あやつり人形の意味で、パペットやマリオネットと同じ意味のようです(糸繰りかそうでないかなど、分類に差を見る場合もあるようです)。

”傀儡魔方 solution”で検索をかけてみたら、さすがは本場中国、いくつかの解法動画を見つけることができました。bilibili は中国の動画共有サイトだそうです。

私は基本的に動画は見られない(見ても理解できない)ので、立方体の復元だけ必要なところだけを繰り返し繰り返し見てどうにか把握し、なおかつ偶然のラッキーで復元に成功しました。

文章および記号で説明しているサイトも見つけました。残り部分はここを読んで、いろいろ試してどうにか完成させられました。…立方体への復元へは「いろいろやり方があるよ」程度でした。中国語は Google 翻訳か Deep L にでもぶちこめばどうにかなりますが、実質は記号を見るだけでどうにかできます。

ちょっと分かりにくかったりもするので、解法を確立したらまたここで紹介させていただこうと思います。

ちなみに、Puppet Two の方が簡単、などとそこでは言われていますが、私は恐ろしくてまだ手を出せていません。そちらはまたおいおい。
続きを読む
posted by じゅうべい at 10:29| Comment(3) | Pyramorphix

2021年01月15日

七彩星5:試し解き

七彩星、tribox では YJ Coloful Stars、せっかくなので試しに解いてみましょう。

回転記号はこれまでにお話ししたように、三段とも一気に位置を変えるときや中段調整の特別なときだけ、
SevenStar_notation.jpg
を用いますが(付録の解説の R2 が図の e2 となります)、そのとき以外は n2 および i2(場合によってはその次の w2 も)は廻さないので、スクエア1と同様の 上段(時計廻しを正), 下段(”上から見て”反時計廻しを正) / (この"/" が J式の e2, 一般の R2 に相当します)で表記していこうと思います。そのあと、括弧書きで一般的な表記方法も添えようと思います。上段を時計回りに 72°(扇形一つ分)、下段を反時計回りに 144°(扇形二つ分)廻す場合は
1, 2 /
です。…スクエア1の正式表記は上下段の数字を括弧でくくりますが、それは省略させていただきます。

スクランブルは csTimer の LxMxN の 2x2x3 (Tower Cube) のものを用いました。F2 は 上図の e2 から時計回りで次の切断面とします。

U' F2 U  F2 U2 R2 D' R2 U  R2 D'
7StarTrial#1_ScrA.JPG 7StarTrial#1_ScrB.JPG
右の写真は、左の写真から手前を奥に 180°回転、持ち替え記号で言えば x2 したものです。以下も同様です。

上面に三つ組みが、下面に三角を挟んだ二つの扇形が反転色で存在しています。まずはそこを揃えたいですね。

0, 1 / (D R2)
7StarTrial#2_setSideA.JPG 7StarTrial#2_setSideB.JPG

次は三角と扇形の組み合わせ、幸い組み合わせも上から透過して見たら同じ方向です。

0, 2/ -1, 0 / (D2 R2 U' R2)
7StarTrial#3_setTriA.JPG 7StarTrial#3_setTriB.JPG

三角二つが残ったら、まず切断面の奥と手前の配置して切断面を廻します。

-1, 0 / (U' R2)
7StarTrial#4_setTri2A.JPG 7StarTrial#4_setTri2B.JPG

できた(扇-三角)x2 を 扇-三角同士の中間を切断面に合わせて廻せば、上下面の色合わせは完成します。

1, -1 / -1, 1 / 0, -1 (U D' R2 U' D R2 D')
7StarTrial#5_setMLayerA.JPG 7StarTrial#5_setMLayerB.JPG

中段は、緑-青が逆になっているだけですね。中段EN二点交換・上段ESN時計移動手順を廻しましょう。

/ 2, 0 / -2, 0 /  (R2 U2 R2 U'2 R2)
7StarTrial#6_setTBLayerA.JPG 7StarTrial#6_setTBLayerB.JPG
あとはいろいろやりようがありますが、上反時計下時計(上時計下反時計の逆手順)でも廻してみましょうか。

0, -1 / -2, -2 / 2, 0 / -2, 2 / 1, -2 (D' R2 U'2 D'2 R2 U2 R2 U'2 D2 R2 U D'2

72° 時計方向に持ち替え、持ち替え記号で言えば y して、鏃(やじり)三点反時計移動で完成です。

(/ 1, 0 / -1, 0 /) -1, 1 / (-1, 0 / 1, 0 /) 0, -1 ( (R2 U R2 U' R2) U' D (R2 U' R2 U R2) D' )

そんなには難しくないので、いろいろ試してみるといいでしょう。

ちなみに、タイムを計ってみたら 1:35.17、廻しにくいし、引っかかるし、スピード競技に向いたパズルではありませんね。色合いが可愛いので、子供にいじらせてみるのが丁度良いのかもしれません。

posted by じゅうべい at 15:21| Comment(0) | Pentacle Cube

2021年01月14日

七彩星4:上下段同時移動

冷え込みが続きますね。昨日は -1℃、土曜日には -4℃まで記録し、県西部では雪まで派手に積もりました。引っ越してくるまではここ(内緒)は南国と勘違いしていましたが、夏は暑く、冬は湘南地方よりも寒く、なかなかの気候です。まぁ、東京都でも多摩市は気温が 23区より 2℃低いとか、例年雪が積もるとか知人に聞きますし、土地それぞれなのでしょう。健康に気をつけてお過ごしください。

七彩星、tribox では YJ Coloful Stars、の続きです。回転記号はこれまでにお話ししたように、三段とも一気に位置を変えるときや中段調整の特別なときだけ、
SevenStar_notation.jpg
を用いますが(付録の解説の R2 が図の e2 となります)、そのとき以外は n2 および i2(場合によってはその次の w2 も)は廻さないので、スクエア1と同様の 上段(時計廻しを正), 下段(”上から見て”反時計廻しを正) / (この"/" が J式の e2, 一般の R2 に相当します)で表記していこうと思います。そのあと、括弧書きで一般的な表記方法も添えようと思います。上段を時計回りに 72°(扇形一つ分)、下段を反時計回りに 144°(扇形二つ分)廻す場合は
1, 2 /
です。…スクエア1の正式表記は上下段の数字を括弧でくくりますが、それは省略させていただきます。

スクエア1と同様に廻せるのなら、スクエア1と同様の手順が使えるのでは?と試してみたところ、中段を維持したままでの上下二点交換が、スクエア1と同じ手順で実現できました。
いわゆる”上下前”、
UD_Front.jpg

スクエア1なら
/ -3, 0 / 3, 3 / 0, -3 /
ですね。これが七彩星なら
7StarPillar_TB_xSE.jpg
/ -1, 0 / 1, 1 / 0, -1 / ( R2 U' R2 U D R2 D' )

で、スクエア1と同様に切る線を挟んだ左右での上下二点交換が実現できます。スクエア1が 90°(回転記号で 3 や -3)で 1ブロックを為していることも改めて認識できますね。

上下同時の三点移動は、私の分かりやすさのために、切断線の右側二辺と一番奥、J式で言えば E, I, N の三点移動にさせていただきますが、初期位置をいじることで変更可能です。スクエア1とはちょっと違いますね。

上下段 三辺 時計移動
7StarPillar_TB_OCW.jpg
1, -1 / 2, -2 / -2, 0 / 2, 2 / 0, -2 ( U D' R2 U2 D'2 R2 U'2 R2 U2 D2 R2 D'2 )

上下段 三辺 反時計移動
7StarPillar_TB_CCW.jpg
/ -2, 2 / 2, 0 / -2, -2 / -1, -2 ( R2 U'2 D2 R2 U2 R2 U'2 D'2 R2 U' D'2 )

それぞれの回転方向を時計移動とは逆に回すことで実現しています。もちろん単純に、上下三辺時計移動の逆手順でも構いません。

上時計 下反時計
7StarPillar_TOCW_BCCW.jpg
1, 2 / 2, -2 / -2, 0 / 2, 2 / 0, 1 ( U D2 R2 U2 D'2 R2 U'2 R2 U2 D2 R2 D' )

どれも、反転した三つ組みをどかして、もう一つ三つ組みを作って、戻すことを二回しているだけです。

上下持ち替えが面倒な場合は、スクエア1と同様に手順を上下反転するだけで、下三点だけの移動も可能です。
7StarPillar_BOCW.jpg
0, 1 / 0, -1 / 1, 0 (/ 0, -1 / 0, 1 /) -1, 1 / 0, -1 ( D R2 D' R2 U (R2 D' R2 D R2) U' D R2 D' )

五芒星パズルは気軽に試して手順を作ったりできるのが楽しいですね。…同じ五芒星が描かれるパズルでも、メガミンクスは簡単にはいきませんが。

posted by じゅうべい at 10:12| Comment(0) | Pentacle Cube