まっしゅさんの動画、F2Lに関する雑談part1「はじめに」、素晴らしいですね。そこで引用されているご本人の「スピードキュービングにおける"正しさ"について」 もご覧いただければと思います。一部を引用すると、
>よく踏み固められた登山道があるのに、そこを外れて鬱蒼とした森へ分け入っていく人を見かければ「もしもしそっちはいばらの道ですよ」と声を掛けるのは親切心であり、あるいは善意のお節介です。
>我が道を行く人は、勝手に我が道を行けばいい。突き放すのではありません。
>
>しかし僕は言わねばなりません。ふもとの方は既にほとんど探索済みですよと。
>しかし僕は言わねばなりません。ふもとの方は既にほとんど探索済みですよと。
素晴らしい、まさにその通りです。
身近に速い人がいたら、その人に教えてもらった方が絶対にいいですし、速い人の素晴らしい動画はぜひ参考にしていただきたいものです。
私も、楽器もスキーもきちんとレッスンを受けることを推奨します。変な癖がついた後では直すのが大変、というのはどこでも言われることです。
ただ、スピードキューブについては
・身近に教えてくれる人がいることが少ない。
・ネット上の情報は素晴らしすぎて理解できない。
・能力の制限上、普通の解法を習得できない。
などのことがよくあります。別に日本上位を目指すのでなければ、好きに廻して構わないと思います。“好きに”というのがモチベーションになれば、続けることができますから。
ゴルフなどのスポーツの4スタンス理論などにも通じますが、体の動かしやすさには個人差があります。私はキューブについてはホールドが深めなので、背面(WCA表記で B, B', B2)が廻しやすく、前面(WCA表記で F, F', F2)が苦手です。視覚についても、色弱の問題だけでなく、動体視力にも欠けるので、まっしゅさんの動画など、何をやっているか全く理解できません。ただ「すげー」ですね。
普通のことが普通にできる人を、私は本当に羨ましく思います。ですが、人を羨んでも仕方がありません。私は、普通のことができない自分を受け入れて、その範囲でやっていくしかないとも思っています。
ということで、ここでは変わらずに、世間とはちょっと変わった独自のやり方を紹介させていただきます。
ルービックキューブ、333のD面クロスの続きです。繰り返しになりますが、大村さんのクロス動画 は秀逸ですので、一度ご覧になることをお勧めします。
J式の回転記号としては 島内先生由来の方位を基準としたものを用い、/ の後またはカッコの中に WCA式表記を添えることにします。
たとえば、tribox Contest 2020 後半期 第21節 その2
R B2 L' F2 U2 R' B' D2 B2 D' B L D2 F' R' U L2
(右は前から透過したもの、日本配色の青クロス・緑前で失礼します)
クロスだけを着色すると
となります。
私は最近は、”反転した辺”が複数ある場合、上下に揃えて側面回転することで、同時に中段に下ろすことを考えるようになりました。
この場合なら、t- (U') で
すると、e (R) の 1手で赤が入り、さらに次に緑を入れる準備もできてしまいました。
ここまでラッキーな状況もそうあるものではありませんが、説明するには分かりやすいと思いました。
あとは簡単ですね。s (F) で緑、n (B) で黄、t- w2 (U' L2) で橙が入って D面クロスが完成します。
もう一つの例としては、tribox Contest 2020 後半期 第19節 その5、
B R B2 D' R' D F L2 D' R2 U' R2 D2 R L' D2 B2 L' F2 B2
これもクロスだけ表示すると以下の通りになります。
t- (U') で黄と緑の上下段側面向きが合いますね。できればこの上下段の側面合わせは 緑−黄 または 赤−橙 の対面色で合わせたいものですね。選べる場合はその点も考慮しましょう。
ただ、今回は n2 (B2) で 橙−赤が対面で底面に揃います。これを逃す手はありません。
そのあとに t- (U')
e (R)
赤橙の組み合わせが緑黄とうまく合うように b- (D')
あとは s (F) で緑が、n- (B') で黄が入り、D面クロスが完成します。
私はこの b- (D') を右薬指で廻すので、丁度よく空いている左手の人差し指で背面、薬指で前面を廻すことで(指は底面に当てました) s n- (F B') が 1手で廻せました。この辺は慣れ不慣れ、得手不得手もあると思います。
また、tribox Contest 2020 後半期 第19節 その1、
L' B2 U2 L2 R U2 B2 D2 F2 U F' U2 B L2 R B2 D2 U' F' R2
を私は
n e (B R) で赤を入れ、
n w- (B L') で橙を入れました。
緑が跳ね上がってくれたので、次に s- (F') で入ってくれて、b- (D') で底面をずらして e (R) で黄も入ります。
実際にはもっといい手順もありそうですが、インスペクションタイムは 15秒ですし、私の現状ではこんなものですね。
手順で、上段または下段の側面を向いている辺を良い位置で中段にできないかを考えると読みやすくなると思います。とにもかくにも、対面色の把握は重要ですね。