2020年11月13日

スキューブのラッキースクランブル

前回、ピラミンクスのラッキースクランブルを紹介しましたが、他の競技ではあまりラッキースクランブルに出会えていません。ですが、それは「ラッキーをラッキーにできるだけの技量」がないためでしょう。333 で「ラッキークロスだ!」と思っても、却って焦って最後の中段合わせを忘れて崩壊したりしています。

そんななか、スキューブだけはいろいろラッキースクランブルをラッキーにできてきました。白眉は tribox Contest 2020 前半期 第3節 その1ですね。
B U B R B U L' R' L' U' L'
さすがにこの場合は青クロスにこだわりませんでした。z y2 で緑面が上、白面が前になるように持ち替えて
SkTrial20F3_1F.jpgSkTrial20F3_1H.jpg
右図は前から奥側を透視したものです。

J式スキューブの回転記号を再掲しておきます。反時計回りでは各記号に"-"が付加されます。
Skewb_rotationNew.jpg
ここで、o- のあと、対隅 e (n- g- n g) e- (s g s- g-) で完成です。

さすがにこのときの 5.650 は単発自己ベストで、近いタイムすら出せていません。上位陣になると、1〜2秒の最速を出していました。

最近ので言えば、tribox Contest 2020 後半期 第15節 の5つめ、
R U L R B' L' R L B R U'
y- で持ち替えて
SkTrial20L15_5F.jpgSkTrial20L15_5H.jpg
底面に左奥底の三つが入っていて、e で右も入り板も上がり、前反時計上板:s- (n- e n e-) s、緑面が揃ったのが見えるので
y2 で、反時計NW上げ:g- e (s e s- e-) g e- で完成です。

…焦って反時計NW上げを廻し損なって崩壊させてしまい、タイムは 1:38.950、お恥ずかしいですね。どちらかというと廻しやすい手順だと思うのですが。

私はほぼ確実に青クロスで、左は固定、可能な限り底と左が揃った組み合わせで始めようとします。底が浮いていたら、右側(E面かN面)か上面に来るようにし、3手以下で右と底が入る手順を探します。その過程で、奥を入れやすい状況があったら、手順を中断してそちらを優先します。

平均タイムが 17〜20秒の私の方法が参考になるかどうかは分かりませんが、手順が確立している後半に対してスキューブの前半は難しいものなので、次回もそれに関することを書けたらと思います。

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posted by じゅうべい at 14:12| Comment(0) | スキューブ

2020年11月10日

ピラミンクス、すごいスクランブルが出ました

tribox コンテスト のピラミンクス部門で先週、すごいスクランブルが出たので紹介します。3試技目、多くの人はこれが最速、何人かは二番目に速く、…一部の方は大崩れしていました。気持ちはとてもよく分かります。

久しぶりのことになりますが、J式回転記号は以下の通りです。もちろん、廻すのは頂点ではなく、面に対して頂点寄りの部分です。
Pyra_notation.jpg
(WCA表記ならそれぞれ、n→B, e→R, w→L, t→U)

番号システムについても再掲します。
V_edgeNo.jpg
向きは 0手もしくは 1手で位置が合う場合に向きが合うなら s (standard), 逆なら r (reverse) としました。詳細は '20/6/24 の過去記事をご覧ください。

スクランブル3: R B R' L' U' B' R L R U' R l' r' b'
trial#9top.jpgtrial#9base.jpg
かつてと同様に、右は上段を取り除いて、下面が上から見えるようにしたものです。

奥右左000青2s赤3s、つまり初期状態で V字が完成です。練習も含めて、初めて経験しました。

t- / t e n t n- e- t    (U' / U R B U B' R' U)

t- (U') でずらして、十字・左奥で完成ですが、さらにその初手がキャンセルされます。

私のこのときのタイム(5試技のうち、最速・最遅を除いた 3試技の平均)は 27.246 秒でしたが、このときだけは 6.050 を出しました。もちろん、単発自己ベストです。

普通の方はどう解かれたのでしょうね?一般的解法は知らないので分からないのですが…。

ということで、L4E (Last 4 Edge) も、状況によってはピラミンクスの解法として悪くありません。気が向いたらぜひお試しください!

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posted by じゅうべい at 11:37| Comment(0) | ピラミンクス

2020年11月06日

Face-turn Octahedron20:試し解き2

面転八面体、Face-turning Octahedron、
FaceturnOctahedron.JPG

試し解きその2です。

毎度のことですが、J式の回転記号は以下の通りで、反時計廻しは "-" を(本来は右肩に)つけます。面は大文字で示します。図示できていない真後ろの面の回転は a (面としては A)とします。
FaceTOct_notation'.jpg

全体の持ち替えも再掲します。一般的な記号 と同様に、
FaceTOct_notation_object.jpg
とし、手前から奥への垂直180°回転を x2、水平180°回転の後に手前の頂点を底面に接するように下げる回転を y2 x-、左から右への180°回転の後に手前の頂点を底面に接するように下げる回転を z2 x-、とします。

加えて、FTO Notes に従い、e 回転の動作で全体を廻すことを eo (o は object?)とします。解りにくいかとは思いますが、図と合わせてご確認ください。

今回は FTO NotesExample 2:
F B' U D BR' U' F' BR U R BL' F U BL D F' B BR F U' BL' R L' U' B

スクランブルは FTO Notes に合わせて、彼の言う U面、J式での前面(S)を白、彼らの言う F面、J式での底面(D)を赤で廻しました。スクランブル記号には違う様式もあるようです。いずれ統一されていくことでしょう。

試し解き1と同様に、右図は左図を縦180°回転(持ち替え記号では x2)したものになっています。
Ex2#1_ScrambleF.jpgEx2#1_ScrambleH.jpg

まずは青の六つ組から解いていきましょう。これも慣れと思いますが、
t n- b w b s で
Ex2#2_Blue6F.jpgEx2#2_Blue6H.jpg
辺が白→橙→灰と正しく並ぶ青六つ組が作れます。

続いて紫の六つ組です。できた青六つ組を縦180°、持ち替え記号で言えば x2 で底面に向き替えて
i- t- n- i- t- / i n- t- / i s t- s- t
Ex2#3_Purple6F.jpgEx2#3_Purple6H.jpg
で、辺の位置が合った紫の六つ組が左背面(I面)にできました。一つ目の"/" の前で 3-3 はできたのですが、辺位置を合わせるために 4-2 に組み直して、辺の白橙を切って合わせることで調整しています。

続いて、青の隅を合わせましょう。辺位置を確認して合わせます。
n s i b n b-
で揃いました。最後の底面回転で紫隅も一つ合わせていますが、分かりやすい状況と思います。
Ex2#4_BlueCornerF.jpgEx2#4_BlueCornerH.jpg
次は紫の隅ですが、位置はラッキーにもすでに合っていました。向き替えも持ち替えなしでそのままできます。
s i- b n b- i
Ex2#5_PurpleCOriF.jpgEx2#5_PurpleCOriH.jpg
黄が前面に来てくれているのでそのまま緑黄の塁合わせ手順を実行できます。まず一つ目は
n- (ej n ej- n-) n
と n- で共役することで最後の 2手がキャンセルできました。

二つ目はs- n- で共役(セットアップ)してej n ej- n- の手順を廻してから n s で戻しますが、手順の最後の n- 共役戻しの n とがキャンセルされ、
s- n- (ej n ej-) s
でよくなりました。ですので、二重共役の場合は前面→右奥面の順に廻して共役していくのがお得ですね。

続いて、赤橙白灰四面の塁合わせです。
左前面(W面)前の赤→上面(T面)左の灰→右前面(E面)上の橙の三点交換が見えます。
Ex2#6_RuiGR_F'.jpgEx2#6_RuiGR_H.jpg
n t ((s- i s) ej (s- i- s) ej- ) t- n-

y- で
Ex2#7a_RuiORY_F.jpgEx2#7a_RuiORY_H.jpg
左前面(W面)の赤と上面(T面)の白を交換しましょう。W面共役後に塁を左から前に上げる手順です。
w (ej (s- i s) ej- (s- i- s)) w-

赤面は揃ったので io- で背面(A面)に持ち替えて、上面白,前面青,底面黄とします。
Ex2#7b_RuiRW_F.jpgEx2#7b_RuiRW_H.jpg
左前面(W面)白→上面(T面)橙→右前面(E面)灰の三点交換が見えますね。t での共役を含めて、
t (n t ((s- i s) ej (s- i- s) ej-) t- n-) t-

so- で、前面青,上面橙,右前面灰になるように持ち替えて、
Ex2#7c_RuiWOY_F.jpgEx2#7c_RuiWOY_H.jpg
右前から上面の前に上げる手順で塁は全て揃います。
wj- (s n- s-) wj (s n s-)

続いて辺合わせ、まずは紫面を合わせる必要があります。x2 so で紫を上面,赤を前面にして、上三辺 時計廻し、
(e t e- t)x2
これは廻しやすいので、黄面も一辺だけですが合わせてしまいましょう。 so で黄を上にして
(e t e- t)x2

x2 で持ち替えて
Ex2#8_Last4Edge_F.jpgEx2#8_Last4Edge_H.jpg
残りは三辺交換を二回廻すしかありません。まずは i で共役して左→奥の手順を廻します。
i (ej wj- ej-) w- (ej wj ej-) w

共役は戻さない方が良さそうです。このまま wo- y- で持ち替えて青前面,橙上面で
Ex2#8b_Last3Edge_F.jpgEx2#8b_Last3Edge_H.jpg
この図だけでは解りませんが、E面奥の白の背面側の色は緑です。右→奥の逆手順を廻します。
e (wj- ej wj) e- (wj- ej- wj)

最後に b- で底面を合わせて完成です。

手数は、
青六つ組 6 + 紫六つ組 13 + 青隅 6 + 紫隅位置 0 + 紫隅向き 6
+ 塁:(緑黄 4+6) + 赤橙白灰 12+10+14+8) + 辺 8x2+1+8+8+1
= 31+(10+44)+34 = 119手、ちょっと長めになりましたが、仕方がありません。

FTO Notes ではこのスクランブルで 72手で完成させており、さらに「これは平均的な手数だ」などと述べています。私も多少はどうにかならないか検討してみましたが、大幅な改善は見出せませんでした。

それでも 333 の倍程度の手数でしょう。メガミンクスよりはよほど速く揃えられると思います。

9月半ばからこのパズルにかかりっきりでしたが、これでようやく一段落です。お付き合いいただき、ありがとうございました。

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posted by じゅうべい at 13:59| Comment(0) | 日記