お盆はいかがお過ごしだったでしょうか?私は娘をプールに連れて行ったり、川遊びで川に流されたり、とあまりキューブ系パズルはいじれずに過ごしました。二歳の甥はルービックキューブ、3x3x3 を廻したがりますが、すぐに飽きて投げてくるので危険です。
妻子親戚がいるキューバーのお盆はこんなものなのでしょう。今年はコロナ禍で帰省しづらい分、親戚づきあいが多少は軽減されたかもしれません。
さて Master Pyramorphix
の続きですが、過去記事を読み直して、その読みにくさに愕然としました。読んでいただいた皆さん、ありがとうございます。
中段まで入ったので次は上面です。世間では向きを合わせてから位置を合わせますが、J式ではまずは隅合わせから行います。
まだまだバラバラに感じますね。下段一面と構造上は同形で、3色ある頂点と小三角が3x3x3 の隅に相当します。左の写真では、そのうち、緑の小三角がすでに入れたい位置に入っています。
回転記号についてはピラモルフィックスの流用ですが、J式表記で以下の通りになります。
WCA表記では t→U, e→R, n→B, w→L, s→F, b→D となります。反時計回りは t- などと、WCA表記で用いられるプライム記号" ' " の代わりに "−" をつけて示しますが、本来肩付きの表記を無理せずにそのまま表記するのも、いつもと同様です。
J式を主に示し、WCA表記はカッコ書きか / のあとに併記するようにします。
隅位置を合わせるに際して、中心体(マスターピラモルフィックスではステッカーが二色あるもの)は当てになりません。中段として入れた台形状の小片をガイドにしましょう。
隅の位置移動手順は Niklas:e- t w t- e t w- t- / R' U L U' R U L' U' だけで充分でしょう。
右奥→右前→左前→右奥、と三隅が捻られながら時計回りに移動します。隅位置が合っているものを左奥に置いて手順を廻します。
Niklas だけで全てを済ますのが面倒であるなら、反時計回りの
t w t- e- t w- t- e / U L U' R' U L' U' R
および隅平行、つまり 右奥⇔右前・左奥⇔左前を発生させる手順として U1、
e- s- t- s t e / R' F' U' F U R
も併用できれば手間が省けます。この手の変形キューブは手間が掛かれば掛かるほど、うっかりからの大崩壊が発生するので、省ける手間は省きたいものですね。
小三角は向きがないので位置合わせだけで充分ですが、三色ある隅は向き替えが必要です。
写真では小三角をガイドとして見ると、奥の三色隅は向きも合っています。手前の三色隅は反時計廻しが必要です。
残念ながら、ピラモルフィックスで活躍した (s e- s- e)^2 / (F R' F' R)x2 は使えません。中段が浮いてしまいます。浮いた中段を戻したら、前隅の向きは変わりませんが、今度は他の隅の位置がずれてしまいます。
廻したい隅を右前に持って、普通に Sune, anti Sune を廻すので良さそうです。
Sune(正時計回転):w- t2 w t w- t w t2 / L' U2 L U L' U L U2
anti Sune(反時計回転):e- t- e t- e- t2 e t2 / R' U' R U' R' U2 R U2
anti Sune(反時計回転):e- t- e t- e- t2 e t2 / R' U' R U' R' U2 R U2
二つの小三角の回転は把握できないので、実質右前隅だけ時計回転します。
もちろん、辺への影響がない手順も存在しますが、
三隅正時計:t2 (n w- n2 w)^2 t2 e n e- n- / U2 (B L' B2 L)x2 U2 R B R' B'
三隅反時計:n e n- e- t2 (w- n2 w n-)^2 t2 / B R B' R' U2 (L' B2 L B')x2 U2 R B R' B'
左面廻し w, w- (L, L') や奥面廻し n, n-, n2 (B, B', B2) が廻し慣れてない人には難しく、また 14手手順は長いでしょう。ミスして崩壊を誘引しやすいと思います。移動した辺は後で直せば問題ありません。
三色隅の両方とも時計廻し、もしくは反時計廻しをしたいときには小三角が手前になる向きで手順を廻してください。
三色隅の片方が時計廻し、片方が反時計廻しの場合は、時計廻ししたい隅を手前に持って
n- (e- t- e t)^2 n / B' (R' U' R U)x2 B
3x3x3 でいう四隅Pi上げ右向き、を廻せば両方の三色隅の向きが合います。これは短めで廻しやすい手順ですね。
隅が合ったら、あとは辺が合えば少なくとも形状は元に戻りますね。それはまた次回に。