日曜日の朝は5歳の娘と妖怪〜ディズニーの番組をハシゴしていますが、合間のコマーシャルとしてルービックキューブが、背景の一部としてでなく、おもちゃの一部としてでもなく、流されるようになって驚いています。”地頭を育てる”というキャッチフレーズには違和感を覚えるキューバーも多いでしょうけど、親が子供にキューブを買うきっかけになってくれるのであれば、悪くない売り方だとは思います。
ただ、そのメガハウスのホームページも見ましたが、”歴史”にキューバーの個人名が一切出ていないこと、”商品”ページでフロッピーキューブを”ルービックフラット3x1”、ピラモルフィックス Pyramorphix を”ルービックピラミッド”などと売っているのは不安を感じました。ルービックフラット3x1については岡本勝彦さんのサイト、キューブパズル工房 にて”権利関係の協議を行い、円満に解決しましたので、私はこれらの製品を正規品と承認しました。”とあるので、また、ボイドキューブもそのキューブパズル工房のサイトにメガハウス商品が掲載されているので大丈夫でしょうけど、ピラモルフィックスは Speedsolving.com Wiki でも Jaap氏のサイト でも示されているように、Manfred Fritsche が開発したもので、彼がパテントを持っています。また、Uwe Meffert によって販売されているものです。
ルビク・エルノーさんもやり手の商売人ですし、メガハウスと手を組んで、「Rubik's のロゴがないものはすべて偽物であり、販売停止を求める」などと言い出したらやっかいですね。そのときにはむしろピラモルフィックスについては彼らが負けることになりますが、その過程で様々なパズルが入手困難になったら嫌なものですね。
前置きが長くなりましたが、というわけで今回はピラモルフィックスについてです。
私は ShengShou 製 を買いました。YJ や QiYi 製もありましたが、最近の ShengShou 製品は引っかかりがかなり改善されて廻しやすいです。箱の入り方も改善されておしゃれになり、箱の大きさも小さくなりました。
分かってしまえばアレなので、その解き方で解いて問題ないのですが、これだけ派手に変形してくれて、知らない人には訳が分からなくなってくれるものは、専用手順で解きたいものですね。ちなみに、もう一層増えた Master Pyramorphix はお握り型が可愛らしくて、娘が3歳頃によくいじってくれたものですが、相対的に変形度合いが減るので、普通に解くのが良さそうでした。
解法としてはメガハウスの商品サイトのもの、Meffert's のもの、kameneiji氏の megaminx's diary あたりが図入りでわかりやすいでしょうか?Kemi さんのサイト は端的で、Jaap氏のサイト には図がありません。それにしても、相変わらずですが、世間の普通の解法が全く理解できません。
私は以前より 海永氏のサイト で勉強していたので、そちらを踏まえた解法を紹介させていただきます。
まずは、せっかくなのでその外形の変化を紹介します。
正四面体です。ただ、ピラミンクスとは回転軸が違うので、解くときには普通はこの形では持ちません。
後ろの本(島内先生の『ルービック・キューブと数学パズル』です)にピントが合ってしまいましたが、ご容赦を。このように稜(みね?)が平らになる、数学の空間図形で”ねじれの位置”と呼ばれる向きになるように持ちます。
上稜を 90°ねじった形です。海永氏は”H字形”、Meffert では"Frog"と呼ばれていました。私は
この部分が蛙で、
こちらを稜(みね)としていますので、上記 H字形は”対面蛙”となります。この形にできたら、正四面体に簡単に戻せるようになります。
対面蛙から片方の蛙を 90°曲げるとレバー型になります。
土台部分はそのまま、レバー部分が写真の左から順に、左、前、右、奥と 90°づつ、自在に回転できるようになります。子供のおもちゃのようで楽しいですね。ちなみに、レバーは左か右にある状態からしか対面蛙に戻せません。レバー前とレバー奥はそこそこ頑固です。レバー前はレバー以外の稜をどのように廻しても、組み合わせが変わっただけで、形状としてはレバー前から変わりません。平らな面を下にすると、
高速船のようにも見える形になり、楽しげではありますが。
レバー奥も、ピラミッドの頂点を切り落として底面から生やした形状になります。試してみてください。とにかく、レバー前とレバー奥から脱出するには、レバーを左右のどちらかに廻さなくてはなりません。
対面蛙、H字型から蛙を 90°ではなく 180°廻すと着陸船型になります。
可愛らしくていいですね。この形では上部は制限なく、くるくると回ってくれます。これもまた楽しげでいいですね。
これらの形の関係が分かったら正四面体には戻せることでしょう。そこからの解き方についてはまた次回に。
ちなみに、試しに解いてみて、1/5/12 = 42.51/1:07.02/1:13.47、
北村暁さん には遠く及びません。
解き方の問題もあるでしょうけど、判断が悪く、指も回っていないのはよく自覚できます。