2020年07月31日

Master Pyramorphix1

諸般の事情で更新頻度を落とします。日々見に来てくださっている方々には申し訳ありません。週一更新くらいで続けていきたいと思いますのでよろしくお願いします。

Pyramorphix が三層になると Master Pyramorphix になります。私は LanLan製 を買いましたが、現在は購入できないようで残念です。ShengShou製YJ製QiYi製、などは購入できるようなのでお早めに。Megamorphyix など、四層以上のものは手を出したことがありません。どれもお握り型に膨らんでいるのが可愛らしいですね。

MasterPyramor_solved.JPG

スクランブルしてみたらこんな感じに。

上稜に対して左前を緑、右奥を黄で、tribox contest 2020 後半期 第3節 の 333 その1、
F B' D2 R' L U F D' B' U R2 B' U2 F' B2 L2 F' R2 U2 L2

でスクランブルしています。

…ただ、Master Pyramorphix になってしまうと、把握不能な変形謎パズルではなく、ちょっと変わった 3x3x3 としてしか捉えられません。解くのも、どこが中心体でどこが辺・隅に当たるのかを把握して、LBL(Layer by Layer、下面から中段、上面と順に解いていく、一般的な解法)で解いていくのが無難、となります。センター回転手順は必要になるので、Kemi さんのサイト を参考にしていただくことをお勧めします。

F2L も一般的な上面を揃える手順も下面の中心体の向きを変えません。…変えないはずです。J式は cross→F2L→CLL→ELL と解いていく CFCE 式なので、CFOP(上面を OLL→PLL で解く)の OLL・PLL にどのような下段を巻き込む手順があるかを把握していません。たぶん大丈夫とは思うのですが。この手の変形パズルでセンター回転を気にしすぎてもキリがないので、まずは底面を色だけでなく形も合わせるつもりで組んでいきましょう。

…丁寧に示したら長くなりそうです。続きは次回に。

posted by じゅうべい at 13:58| Comment(0) | Pyramorphix

2020年07月30日

Pyramorphix6:試し解き2

変形四面体パズル、ピラモルフィックスについて、せっかくなので前回に引き続き、別のスクランブルでも解いてみましょう。
回転記号は以下の通りになります。
Pyramor_notate.jpg
いつもながらの J式表記です。WCA表記では t→U, e→R, n→B, w→L, s→F, b→D となります。反時計回りは t- などと、WCA表記で用いられるプライム記号" ' " の代わりに "−" をつけて示しますが、本来肩付きの表記を無理せずにそのまま表記するのも、いつもと同様です。

可能な限り、J式表記の後にカッコ書き、または "/" のあとに WCA表記も併記するようにします。

tribox Contest 2020 後半期 第3節 222 のスクランブル、その2
R U' R2 U2 F' R' U' F U2 F' U'
Scramble#2_222.jpg
今回もまず、222 で Guimond で解いてみましょう。世界配色・緑前白上でのスクランブルを示します。

持ち替え z2 y' で、そのままで右前・前棒になっていました。b e- t e (D R' U R) で白黄が上下面を向きます。

またもそのままで 奥左右 e2 t e2 (R2 U R2) と言いたいところですが、最後を w2 (L2) にすると上に白が揃います。

Scramble#2_222_2.jpg
あらら、上段は向きだけでなく位置も揃ってしまいました。下段も右面が揃ってしまっています。

ですので、b (D) のあと、下前 e s- e n2 e- s e n2 e2 (R F' R B2 R' F R B2 R2) を廻し、と思ったらこれで完成してしまいました。右面が揃っているので b (D) ではなく、水平反時計回転 (y') で持ち替えてしまうと、最後に上下段合わせが発生してしまいます。

ということで、222 Guimond としては解きやすいスクランブルではありましたが、ピラモルフィックスではどうなるでしょう。上稜が左奥→右前になるように持ち、左前が緑、上稜を挟んだ向かい側が黄、右前やや下を赤に持ってスクランブルすると、

Scramble#2a.JPG Scramble#2b.JPG
レバー形、レバー前です。左列に青と黄を含む隅があることを意識して、s (F) でレバーを左、時計方向に廻してみましょう。

Scramble#2c.JPG
e (R) で対面蛙(H字形)になります。

Scramble#2d.JPG
n (B) でも n- (B') でも正四面体に戻ってくれますが、奥隅が青黄があって n- で写真で見えている左上の青と同じ向きに青が揃うので、n- (B') してみました。

Scramble#2e.jpgScramble#2er.jpg
右図は 90°右から見たものです。残念ながら、青と対になる黄が揃っていません。上隅は前が時計廻し、奥が反時計廻しが必要です。つまり上奥面に青を揃えるので、下左前に見える青は右奥に 180°回転させる必要があります。それは、右図で上奥に揃えられる黄の二隅が上前に来ればいいとも言えます。b2 (D2) より t2 (U2) の方が廻しやすいですし。すると、右図の下前にある黄はすでに向きが合っていることになります。t2 (U2) を廻してみると、

Scramble#2f.jpgScramble#2fr.jpg
ここで左図でいうと、右下奥は向き替えなし、右上前が反時計、左上奥が時計、左下前が反時計廻しで隅の向きが揃います。上が右前・左奥とも反時計廻しなら、一手順で合いますね。右下奥を持って正四面体底面を反時計回転させて持ち替えましょう。

Scramble#2g.jpgScramble#2gr.jpg
ここで三隅回転手順、(w s- w- s)^2 / (L F' L' F)x2 を廻します。右下をつまんで廻すと廻しやすいですよ。

これで赤青二面が揃います。緑黄の臍交換となるので、上稜を挟んで左前・右奥にその二面がくるように持ち替えて

四臍時計巡回:t n2 e- n2 t- / U B2 R' B2 U'
(反時計巡回:t n2 e n2 t- / U B2 R B2 U' でも構いません)

を廻して臍二組二点交換の状態にします。そこで交換する二組の面を上稜を挟んで左前・右奥に来るように持ち替えて、

t n2 e2 n2 t- / U B2 R2 B2 U'

を廻せば完成します。

私は手順などは把握していましたが、ここで書くことによって、どう廻したらいいか、どう判断したらいいかについて、だいぶ整理できた気がします。これも慣れなのでしょうね。

posted by じゅうべい at 14:38| Comment(0) | Pyramorphix

2020年07月29日

Pyramorphix5:試し解き

5歳の娘が3x3x3 のルービックキューブを、出迎えで分かりやすいパターンなら一面を揃えてくれるようになりました。生後10日でキューブを握らせたりもしましたが、世間の幼児として、これが普通なのでしょう。333を一分以下で解く幼稚園児は、将棋なら奨励会に入れるレベルの特別な子なのだと思います。

変形四面体パズル、ピラモルフィックスについて、J式の解き方は一通り紹介したので、試しに解いてみましょう。

回転記号は以下の通りになります。
Pyramor_notate.jpg
いつもながらの J式表記です。WCA表記では t→U, e→R, n→B, w→L, s→F, b→D となります。反時計回りは t- などと、WCA表記で用いられるプライム記号" ' " の代わりに "−" をつけて示しますが、本来肩付きの表記を無理せずにそのまま表記するのも、いつもと同様です。

可能な限り、J式表記の後にカッコ書き、または "/" のあとに WCA表記も併記するようにします。

tribox Contest 2020 後半期 第3節 222 のスクランブル、その1
R' F' U' F U F R2 U2 R' U2 R
Scramble#1_222.jpg
222 で廻してみたらこうなりますね。らしくなく、世界配色・緑前白上で廻しています。

せっかくなので Guimond で解いてみますか。

持ち替え z2 y で白黄で右下だけ前に向くので、t (U) で右前・前棒 b e- t e (D R' U R) で白黄が上下面を向きます。

下面は左奥にだけ黄があるので t- (U') のあと 奥右左 e2 b- e2 (R2 D' R2) と言いたいところですが、最後を w2 (L2) にすると上に白が揃います。

Scramble#1_222_2.jpg
前面は上下段とも緑赤の組み合わせ。対面色ではないので奥面は揃っていません。右面は上は揃っていて、下は対面色の組み合わせ、つまり下段左面が揃っています。

ですので、t- b- (U' D') のあと、上下前 e2 t- e2 t2 s2 t- e2 (R2 U' R2 U2 F2 U' R2) を廻し、最後に t (U) で上下段を合わせれば完成します。

では、ピラモルフィックスではどうなるでしょう。絵を描くのが大変だったので写真を撮りましたが、背景の抜きの甘さは相変わらずですね。どうぞご容赦ください。


いきなり 対面蛙(H字形)でありがたいですね。裏面(写真中央)で青隅が揃っていますが、写真左および右で分かるように、その裏の色は赤と緑で揃っていません。

左の写真から 90°水平回転して e (R) で正四面体に戻します。
Scramble#1a.jpg
左上奥と左下前の組み合わせは、初期状態で合っていない組み合わせであることが分かっていたので、t2 (U2) で組み替えます。
Scramble#1b.jpgScramble#1br.jpg
ラッキーにも左図の右列、右図なら左上から右下に向かう列が揃ってしまいました。一方、左図の左列は赤が揃って見えますが、その裏は色違いなので、ここは向きを変えなくてはなりません。そこが上になるように持ち替えて、
Scramble#1c.jpg
上右前は反時計廻し、上左奥は時計廻しが必要です。順に廻していくしかありません。

まずは前反時計:(e- s e s-)^2 / (R' F R F')x2
Scramble#1d.jpg
y2、つまり水平方向に 180°回転するように持ち替えて
Scramble#1e.jpg
前時計:(s e- s- e)^2 / (F R' F' R)x2
Scramble#1f.jpg
残念ながら、中心体(臍)の赤黄交換が残ってしまいました。このまま持ち替えなしで
臍四点(反時計)置換 t n2 e n2 t- / U B2 R B2 U' を廻すと、
Scramble#1g.jpg
臍二組二点交換になってくれました。緑黄の組み合わせが上の稜を挟むように持ち替えて
Scramble#1h.jpg
臍二組二点交換 t n2 e2 n2 t- / U B2 R2 B2 U' を廻して完成です。

222 が 19手で完成したいるのに対し、ピラモルフィックスは 8手手順x2 + 5手手順x2 = 26手かかりました。やっていることはむしろ単純なのですが…。

手順などはいろいろ工夫できるのでしょうけど、とりあえずこれで解けるので、悪くはないのでは、と思っています。

posted by じゅうべい at 14:16| Comment(0) | Pyramorphix