222 の解法として私が選んだ Guimond method は第一段階では、上下面を特定の対面色だけ、私は日本配色なので青白だけにします。その前段階として、下面4つのうち3つが対面色の状態にして、そこで状況に合った手順を廻します。
上図の左が”右奥”、右が”右前”と J式で呼称している状態です。対面色のうち、底面を向いていない一つを右列に置いた時、対面色が奥を向くか、前を向くかの二択になります。
もちろん、対面色が全て底面を向いてくれていても構いません。そのときには Ortega 同様、OLL 手順を廻します。ただ、U, T, L, H の4種類は Guimond 専用手順を廻した方が手順も短くて楽ですね。
これらの状況に持っていくのに掛かる手数は 0手か 1手です。たとえば 2020年前半期 第17節の tribox コンテストその1
R' F U' R U2 R' U2 F' R F R
は青(世界配色なら黄色)で 0手で右前が出来上がっています。殆んどの状況下で 1手以下で右奥か右前か底面揃いにすることができます。
どう探しても 1手以下で底面3つを揃えられない場合もあります。たとえば 2020年前半期 第14節の tribox コンテストその5
U' R U R' U F' R U F' R U'
このような場合は赤橙で探します。この例では橙が並んでいるのを底面手前に用意して n- (B') で右奥にすることができます。とにかく 1手以下で準備します。これならインスペクションで充分に読めますね。
右奥の場合でも右前の場合でも、状況はそれぞれ8通りあります。さらに上面を廻す必要もありますが、それぞれの状況に合う位置にして、上下面を対面色で揃える手順を廻します。
以下の手順は Guimond Tutorial で紹介されていますが、揃っている対面色の数が 3→2→1→0 となるよう、順序を変えました。白が合わせる対面色を、灰色が向きを替えなくてはいけない箇所を示し(Guimond Tutorial とは逆です)、線で対面色の向きを示しました。OLL の表などと同様です。名称は J式オリジナルですが、とにかく私が、名前がついていないと把握できない性質なので…。手順は J式表記の下にWCA式をカッコ内に示しました。
右奥
1. 三白左前 2. 対角降り 3. 奥棒 4. 奥揃い白右
b- s e t- e- e- t- e b- e t- e- e- t2 e
(D' F R U' R') (R' U' R) (D' R U' R') (R' U2 R)
5. 奥揃い白左 6. T右向き(右T) 7. 白なし左揃い 8. 四反時計
(e- t e t-)x2 b- e2 t e- s t2 e- s s e2 t- e2 s e
((R' U R U')x2) (D' R2 U R') (F U2 R' F) (F R2 U' R2 F R)
右前
1. 三白左奥 2. 対角昇り 3. 前棒 4. 前揃い白右
b- e t e- s- e t e- b e- t e e t2 e-
(D' R U R' F') (R U R') (D R' U R) (R U2 R')
5. 前揃い白左 6. 右T 7. 白なし左揃い 8. 四時計
(e t- e- t)x2 b e2 t- e n- t2 e n s t- s- w s2 w-
((R U' R' U)x2) (D R2 U' R) (B' U2 R B) (F U' F' L F2 L')
図の間に下線が入ること、手順の位置が多少ズレることはどうぞご容赦を。
多くの手順が右奥と右前で回転(時計・反時計)を逆にしたものになっています。右前・四時計だけ右奥・四反時計の鏡手順の逆手順にしてありますが、Guimond Tutorial にもあるように、e- (R') OLL Pi にしてしまってもよいでしょう。これは右奥・四反時計についても同様です。
OLL は四つは専用手順が短く、廻しやすいです。
UG(向き替えの二つを奥に置いて): e t2 e t2 e (R U2 R U2 R)
TG(向き替えの二つが奥、左と右を向いている状態で): n t- n- e- t e (B U' B' R' U R)
LG(向き替えの二つが左前と右奥、前と右を向いている状態で): e n t2 n- e (R B U2 B' R)
HG(向き替え面が手前と奥を向いている状態で): e2 t2 e (R2 U2 R')
残りは普通の手順で問題ないでしょう。
S=(上面を向いている一つを左奥に置いて): w- t2 w t w- t w (L' U2 L U L' U L)
aS=(上面を向いている一つを左奥に置いて): e- t- e t- e- t2 e (R' U' R U' R' U2 R)
Pi=(揃っている二つを左面に向けて): n- (e- t- e t)x2 n (B' (R' U' R U)x2 B)
これらの手順を使って対面色が上下面を向くようにします。上面・下面をそれぞれ一色にする手順はまた次回に。