スクエア1で、成形→隅向き替え→隅位置合わせ→辺向き替えとやったら、あとは辺の位置を合わせて(中段向き替えが発生していればそれも修正して)完成です。成形が終わったら、後はあっという間ですね。
Cube Zone や Sarah's Cubing Site などには辺移動手順は100種掲載されていますが、最初からそんなに覚えられる人はいないでしょう。覚えた方が速いとは思いますが、私も全部覚える気はありません。まずは基本的なものだけで充分でしょう。
上NE (L-perm)…中段あり
(3, 0) / (-3, 0) / (0, 3) / (0, -3) / (0, 3) / (2, 0) / (0, 2) / (-2, 0) / (4, 0) / (0, -2) / (0, 2) / (-1, 4) / (0, -3) / (-3, 3)
この手順さえ覚えておけば、この手順を延々と繰り返すだけで全ての状況に対処することができます。まぁ、実際にはそれには耐えられないので、他の楽な手順を使って、最後に残った二辺をこれで交換することになります。
名称については勘弁してください。島内先生の本でルービックキューブを勉強したのがきっかけなので、奥が N, 右が E, 前が S, 左が W の方位式名称が抜けません。”上辺の NE交換”を略して”上NE”となっています。
最初の (3, 0) は無駄と思われるでしょうけど、交換する二辺を NE に合わせるようにしておくと、下NE が出現した際、次に示すの上下NE(これも Jaap氏のサイトで勉強したからですが、/直方体/ では違うのですね)を用いて、上NE に変換できます。もちろん、下NE をそのまま廻せるに越したことはありませんが、そうでないときには下NE を上下NE→上NE で対処するのは有効でしょう。
ちなみに、下NE は上記手順を上から透視した方向として同じ向きに上下を交換するだけです。
(0, -3) / (0, 3) / (-3, 0) / (3, 0) / (-3, 0) / (0, -2) / (-2, 0) / (0, 2) / (0, -4) / (2, 0) / (-2, 0) / (-4, 1) / (3, 0) / (-3, 3)
慣れれば、さほど苦しまずに廻せるようになります。私は手順の確認の際には毎回、上NE の後に下NEを廻すように練習しています。修得をお勧めします。
よく知られたことではありますが、この手順は中段の向きを替えます。手順開始時点で、最後に中段向き替えが必要かどうかまで判断できるはずですが、余裕がない時には無理しない方がいいでしょう。とにかく、スクエア1の辺移動手順中、最長手順です。左右を順に廻していくことが続くので、途中で混乱しないようにしたいものですね。途中で、矢印−弾が発生して、クイッと向きを変えるのが、私としてはお気に入りです。
上下NE (L+L-perm)
(0, 2) / (0, -3) / (1, 1) / (-1, 2) / (0, -2)
/直方体/ では、交換する 2辺を上ES-下SW に置いて (1,0) / (0,3) / (-1,-1) / (1,-2) / なのですね。私は Jaap氏のをそのまま利用しています。
確かに、とにかく廻しやすいので、余計な手順を覚えるよりは、L+L-perm で合わせていって、最後に上NEが残ったらそれを廻す、というのも分からないではありません。指と目が速い人はそれでいいでしょう。ですが、手順をそこそこ覚えておけば廻す量は確実に抑えることができます。好きずきなのでしょうね。
上縦 (I-perm)
(3, 0) / (3, 3) / (-1, 0) / (2, -4) / (4, -2) / (0, -2) / (-4, 2) / (1, -5) / (3, 0) / (3,3) /
/直方体/ には載っていない手順でした。L-perm と L+L-perm があれば不要なのでしょう。ですが、位置合わせをしながら L+L-perm を二回やってから L-perm はさすがに無駄が多過ぎる気がします。
最初の (3, 0) は Jaap氏の手順にもありました。下縦を、次の上下縦を廻すことで上縦に変換できるのは NE と同様なので、隣辺交換は NE に、対辺交換は縦(NS)に置くように決めています。手順もそれで揃えてしまえば、判断も楽になりますし、混乱せずにすみます。
ちなみに、この手順の途中の (2, -4) / (4, -2) / (0, -2) / は盾−盾(上下とも盾)を横向きに揃えて上部分を交換する頻出手順です。ただ、盾の上部分が左に向くのはこの上縦ともう一手順だけで、やや変わり種です。樽−樽を一旦反時計方向に戻してから、正時計方向に廻して上下盾を作ります。上下盾から復旧する時には「交換する段を 4 廻す」と念じて廻しましょう。その後、交換するのと逆の段を縦に合わせて / します。
盾−盾の後の樽−樽のX字での交換も、他でも見られる手順です。併せて把握しておきたいものですね。
この手順も、可能であれば下縦も廻せるようになることをお勧めします。
上下縦 (I+I-perm)…中段あり
(1, 0) / (5, -1) / (-5, 1) / (5, 0)
これは /直方体/ でも紹介されていますし、お馴染みでしょう。5, -5 は頑張って廻しましょう。中段の向きが変わることにも気をつけておきたいですね。
上時計
/ (0, -3) / (0, 3) / (0, -3) / (0, 3) / (1, 0) / (0, -3) / (0, 3) / (0, -3) / (0, 3) / (-1, 0)
これは立方体の迷宮に載っていた手順で、Jaap氏のはもう少し短いです。”上面三角時計廻し”と言っていましたが、四辺を廻すことはあまりないので、J式のスクエア1で時計と言えば N(奥)→E(右)→S(前)→N の三点交換、反時計は N→S→E→N の逆向きの三点交換を意味します。
この手順の恐ろしいところは、/ のあと、廻すのと違う段を左右に 3 振ることを二回繰り返し、廻す段を 1 もしくは -1 ずらしてからまた違う段を左右に 3振るだけ、という手順の簡単さにあります。上記手順の 3 を -3, -3 を 3 に変えても問題なく手順として成立します。つまり、下時計が気軽に覚えられることになります。さらに、上反時計は最初の / の前に (1, 0)、下反時計なら (0, -1) を加えるだけ。一気に四手順を修得することができます。
なかなか巡り合うことのない手順ではありますが、発生したらラッキーなので、ぜひ修得しておきましょう。
上縦下NE…中段あり
(1, 0) / (0, -1) / (0, -3) / (5, 0) / (-5, 0) / (0, 3) / (0, 1) / (5, 0)
こんな簡単な手順を、上下NEの繰り返しで解くのはもったいな過ぎるでしょう。
この手順で、隣接交換を NE に置かずに廻し始めてしまうとドツボに嵌まるので注意が必要です。
1. 縦の段を 1 (上から透視した)時計周りに廻す。
2. その逆の段を 1 上から見て同じ方向に廻し、/ の後さらに 3 同じ方向に廻す。
3. 縦があった段を 5 (上から透視した)時計周りに廻し、/ のあと同じ 5 だけ戻す。
4. 逆の段を(上から透視した)反時計回りに廻して上が手前向き(基本の向きの上下逆)の凧−凧にして /。
5. 逆の段を 1 ずらして上下の色を揃えるようにして /。
これも簡単に上下逆手順を作れます。上NE下縦なら、
(0, -1) / (1, 0) / (3, 0) / (0, -5) / (0, 5) / (-3, 0) / (-1, 0) / (0, -5)
となります。これを縦→NE で廻していたら地獄を見ますね。
この辺りまで習熟しているだけでかなり辺移動が楽になることでしょう。ぜひ試してみてください。