本題とは関係ありませんが、Excel で「5試技中、最高・最低を除いた3試技の平均値を求めたい」というときには、Average ではなく、TrimMean 函数を使いましょう。引数二つのうち、最初のものはデータ範囲ですが、二つ目の”割合”には 3/5 などと、平均を求めたい値の数÷全体の数を入力しましょう。
あと、前回の隅移動についてですが、333 でも 222 でも PLL 判断で必要になる、「見えている二側面が、両方対面色なら対角交換、片方が対面色でもう片方が対面色でない場合は対面色の反対面が色が揃っている」はスクエア1でも変わらず、重要な知識となります。
この例では、日本配色では前緑, 奥黄, 右赤, 左橙なので、上段は対角交換、下段は左面が揃っていることになります。
さて、隅向きと隅位置を合わせた後は辺の向きを合わせます。ただ、隅位置合わせを先にしてしまったので、/直方体/ で紹介されている
(0,-1)/(-3,0)/(4,1)/(-4,-1)/(3,0)/
などは利用できません。CubeZone の三辺向き替え手順も利用できません。
一方で、隅位置が決まっているので、下段のどこの辺を入れたいかを判断して手順を選ぶことができます。…まずは下段を合わせましょう。333でも下面クロスで、以後はひっくり返して見なくても済むようにするではありませんか。
以下に辺上下交換の手順を紹介していきますが、基本的には最後の / のあとの上下段合わせは実戦では意識しません。気にしなくて良いでしょう。逆手順を検討する時には有用になると思います。
まずは縦対角
(0, -1) / (1, 1) / (-1,0)
基本手順ですね。手前⇔奥を縦として、上下段の反転している辺を合わせてこの手順を廻しましょう。(1,0) / (-1, -1) / (0, 1) でも構わないので、その時に使いやすい方を使いましょう。
ポイントは、上段奥の辺を下段の前に入れる場合はこのままで良いのですが、上段前に見えている辺を真下、つまり前面に見えている隅二つの間に降ろしたい場合、
(6, -1) / (1, 1) / (5, 0)
を用いるというところです。私もまだ、ついついそのままの手順で廻してしまったりしますが、可能な限り、一辺でも多く辺向き替えの時点で辺位置も合わせていきたいところです。
残りの手順は Jaap氏のサイトから流用していますが、一部はそれを元に私が改変したものです。四辺向き替えも Jaap氏のサイトに掲載されてありますが、四辺向き替えは成形で可能な限り発生させないようにするべきものと思っているのと、縦対角二回で対応できてしまうので使っていません。
LL垂直交換(LL垂直)
(0, 2) / (0, 3) / (1, 1) / (-1, -4) / (0, -2)
この LL(上下とも L型)は頻繁に発生するのでこの手順は重宝します。手前と右のΓΓのときには
(1, -3) / (0, -3) / (-1, -1) / (1, 4) / (-1, 3)
で対応できます。ただ、後述する右垂直交換と手順が混じるのが怖くて、使わなくなりました。きちんと上下とも LL の位置を奥と右に合わせましょう。
LL奥右交換(LL交換)
/ (0, 3) / (0, -4) / (1, 1) / (-1, 3) / (0, -3) /
LL垂直があるのに、なぜわざわざ LL交換も用意してあるのか?これが辺位置を一箇所でも多く合わせるための工夫です。両方を駆使して一箇所も合わない場合には、諦めて LL垂直を用いますが、辺向きが合った時点で下段が二の字(辺位置合わせのときに説明します)になっていることが確定しています。
目と指と判断が速い人々には不要な手順でしょうね。333 で、F2L・CLL・ELL 全手順を覚えて普通に廻せるようになってようやく 1分を切れるようになった者としては、手順をまるで覚えてなくて、始めたその日に 40秒を切れる人が理解できません。忙しくてスクランブルを廻せなくても、手順の再確認なら空き時間にできます。その辺が若者とは違う、年齢がいった社会人の戦い方なのかもしれません。
それはさておき上記の続きとして、一辺だけ交換する手順を紹介します。三辺向き替えは縦対角で一辺だけ残した状態にして以下の手順を選択して廻します。上述したように、四辺向き替えは縦対角→/ (3, -3) / →縦対角などで対処します。
右垂直交換(右垂直)
(1, 0) / (0, -3) /(-1, -4) / (1, 1) / (0, 3) / (0, 3) / (-1, 0)
純粋な上下垂直交換手順も Jaap氏のサイトには掲載されていますが、あまりに手順が長くて実用的ではありません。右面で垂直交換し、上面で前⇔奥での交換も発生するこの手順が廻しやすいと思います。
下に降ろしたい辺を右に持っていき、その辺が下段の隅に合うように降ろす時に、下段から上段に上げる辺が右面に来ている時に用います。
右下げ前上げ(右↓前↑)
(3, 0) / (-3, 0) / (0, 5) / (0, -5) / (3, 0) / (0, 5) / (-3, -5)
成形でもないのに 5 や -5 を廻すことはあまりないことでしょうが、慣れれば問題なく廻せます。最初の位置合わせは無駄に感じるかもしれません。私は判断が遅いので、とにかく向き替えが一辺だけ残っていたら、向きを変える上段の辺を何も考えずに右辺に持っていくようにしています。
上段の辺を下段に降ろして隅と位置が合うようにした時、下段から上段に上がる辺が前面にあった時にこの手順を用います。この手順は Jaap氏のサイトに載っていますが、図にあるような辺の三点交換となっています。
右下げ左上げ(右↓左↑)
(0, -4) / (0, 1) / (-3, 0) / (0, 5) / (0, -5) / (3, 0) / (0, -1) / (0, 1)
Jaap氏の手順から私が派生させたもので、上図のような三点交換になります。 (0, 5) / (0, -5) の前に一手間加える分、それが終わった後には再度の (0, 5) が不要になります。結果的に、右↓前↑より速く廻せていると思います。
この手順も他の手順と同様で、上段の辺を右に合わせてそこから垂直に降りるようにした時に、下段から上段に戻す辺が下段の左に位置している場合に用います。
図の矢印が点線になっているのは、小片・大片の区分分けの線と交じりそうになったので変えただけで、特に意味はありません。
右下げ奥上げ(右↓奥↑)
(0, -1) / (0, -2) / (0, 3) / (-5, 0) / (5, 0) / (0, -3) / (-5, 0) / (5, 2) / (0, 1)
上段の辺を右に合わせてそこから垂直に降りるようにした時に、下段から上段に戻す辺が下段の奥に位置している場合に用います。類似手順中、これだけが下段ではなく上段で (-5, 0) / (5, 0) を廻します。一旦 (0, -3) を挟んだ後に再び (-5, 0) / (5, 2) / と来て、長めの手順になってしまいました。発生した時にはややガックリしますが、頑張って廻すしかありませんね。
手順を覚えるのは手間だとは思いますが、ここで一手間掛けておいた方が次が楽になります。お勧めします。