2020年02月28日

J式メガミンクス:ELL向き替えなし辺移動

J式メガミンクスの ELL (edge permutation and orientation in the last layer)は Megaminx PLL & More の手順を採用していますが、分類は独自のものです。その ELL は、その場での向き替えを除いたら、三角正,縦平行,横平行の三種類に分類されます。それぞれの向き替えがないものを”〜平(たいら)”と表現しています。…”向き替えなし”だと文字数が長過ぎるので。

辺向き替えのときにお伝えした通り、手順の紹介は以下の図に従った J式の後、カッコ書きで WCA表記(一部独自表記)を示しています。

Mega_notation.jpg

手順を理解しやすくするために J式では括弧で、WCA表記ではハイフンで分かち書きをしています。

三角正・平
Triangle_plane.jpg

e- t- (e t- e- t) t e
(R' U' - R U' R' U - U R)

”三角”は島内先生の本『ルービック・キューブと数学パズル』における”単純三角”を省略した表記です。”正”は時計周り、反時計回りの”反”に対する表現です。J式ELL では三角は E→S→W→E のみを意味します。他で発生していたら持ち替えるか上面を廻します。

この三辺の反時計回り、E→W→W→Eは”三角反”と表現しますが、t- (U') で三角正になるので覚えておきましょう。

この手順は途中に Y交換子(いわゆるスレッジハンマー)が入っていますが、覚えてしまったら最後の前は t2 (U2) と連続して廻してしまいますね。

ちなみに、以下の状況は三角正に変換できます。

交叉
Cross.jpg
t2 (U2) で三角正になるので覚えておきましょう。


縦平行・平
VertParallel_plane.jpg
s- t- s t-2 s- t-2 s t-
(F' U' F U'2 F' U'2 F U')

S辺は移動せず、右側・左側がそれぞれ手前と奥で交換するという手順をまとめて”縦平行”と呼んでいます。”平行”はやはり島内先生の本で使われていた表現です。

縦平行は三角正とともに頻出し、また以下の状況も縦平行に変換できます。

鏃(やじり)・正時計
Arrohead_OrthoCW.jpg
t (U) で縦平行になります。側面の中心色と合った辺を手前の S面 (F) に持ってきて手順を廻しましょう。

鏃・反時計
Arrohead_CountCW.jpg
鏃も反時計なら t- (U') で縦平行になります。回転方向が一致していて、覚えやすくていいですね。


横平行・平
HorParallel_plane.jpg
e t2 (t e- t- e)(t- e- t e) t-2 e-
(R U2 - U R' U' R - U' R' U R - U'2 R')

横平行はあまり出現しませんが、上面をどう廻しても横平行である状況が変わらないのが特徴です。それだけに、慣れてないとパニックに陥りますね。

途中、Y交換子→Z交換子が連続しますが、慣れてしまったら e t-2 (R U'2)〜で廻した方が良いのでしょうね。私はまとまりで覚えてしまったのでできませんが。

333 で廻したら隅がいろいろなところに置換して面白かったです。FMC に使える手順かもしれませんね。

スクエア1の成形で、茸−帆立に間違いがありました。お詫びして修正します。該当ページだけでなく、こちらにも修正後の絵と Excelシートを掲載しておきます。


posted by じゅうべい at 11:09| Comment(0) | メガミンクス

2020年02月27日

J式メガミンクス:回転記号とELLその場回転

できるだけ回転記号は世間のみなさんと合わせていきたかったのですが、メガミンクスの ELL・CLL に話が至ってはもはや仕方がありません。

J式は島内 剛一 先生が提唱した S式をアレンジしたものなので、面を上下東西南北 (上面がT, 下面がB, 側面は正面から反時計回りに S, E, N, W)、回転記号は面記号が大文字であるのに対し、小文字で表記します。反時計回りには上付きで "-" を加えます。最小回転角度二回分の回転には上付きで "2" を加えます。ただ、このブログでは文字の上付き・下付きが表現できないようなので、それらはそのまま表記します。

メガミンクスにおいては、F2L では WCA式表記方法で問題がありませんでしたが、ELL・CLL では背面左も普通に廻します。正面から反時計回りに面の記号を示すと、F (J式で S), R (J式で E), B もしくは BR (J式で N), その次が問題となります。正面から時計周りに示すと F (J式で S), L (J式で W) の次ですね。

かつて子供用に買った 二層チーズケーキ の解法を考えていた時にも同様の回転面が存在し、命名に困りました。北と西の間で西北、乾(いぬい)にちなんで I と名づけました。

MegaNote_surface.jpg


となります。回転記号に関しては以下の通り、小文字になります。


Mega_notation.jpg

J式は(S式同様に)手順中の持ち替えを認めません。S式はルービックキューブを数学(群論)で扱う上での必要性からそのようになっていますが、J式は単に私が混乱するからという理由によります。すると下段もそのまま持ち替えずに廻すことになります。最下段(上面の対面)をそのまま廻す機会はありませんが、あえて名づけるのなら B面 (bottom) となります。

Mega_notationLower.jpg
分かりにくいこと、この上ありませんが(以下、J式表記の後にできるだけ WCA表記を括弧内に加えるようにします)、例えば E面 (R) と N面 (B) に接する下段が G面 (回転記号では g)、S面 (F) と W面 (L) に接する下段が O面 (回転記号では o)、となります。

G は東北を意味する艮(うしとら)の音読み、ゴンから名づけました。K は乾(いぬい)の音読み、ケンに由来します。すると南西を意味する坤(ひつじさる)の音読みはコンなので困りました。K は既に使われています。よって二文字目の O を採用しました。

S面 (F) と E面 (R) に接する下段の方位である南東の巽(たつみ)に至っては、音読みのソンで S も O も N も既に使われてしまっています。そこで真南よりやや東の方位名、巳(ミ)より M を採用しました。

N面 (B, BR または bR) と I面 (BL または bL) に接する下段の方位は本当に残っている文字がなく、「十二支は北である子(ね)から始まるから、最初のアルファベットの A でいいや」としました。

これらの下段名称はスキューブでも採用しています。でも、K回転を用いることはありませんね。A回転も事実上用いません。メガミンクスにおいては g, g-, o, o- だけで充分です。慣れれば持ち替えせずに気軽に廻せますよ。

まずは ELL の基本手順、辺のその場での向き替えを紹介します。できるだけ、J式表記の次に括弧書きで WCA表記を加えるようにします。n は bR, i は bL (Megaminx PLL & more を参照しました), g と o はどうにもならないので大文字で G・O で示します。ただ、どこの向きが変わるかは J式表記でご容赦ください。

向きが替わる辺を薄灰色で着色しています。

ES 隣辺上げ(以下、向き替えを”上げる”・”上げ”と表記します)
Flip_ES.jpg

e- t- (s e- s- e) s- t s e ←手順の見通しを付けやすくするため、手順のまとまりを括弧でくくっています。
(R' U' - F R' F' R - F' U F R ←こちらのハイフンは手順の見通しを付けやすくするための分かち記号です)

EW 対辺上げ
Flip_EW.jpg

e- t- (e t- e- t) s- t s e
(R' U' - R U' R' U - F' U F R)

S 以外四辺上げ
Flip_4edge.jpg

w- (t- w t- w-) (i- t n- t n i) w
(L' - U' L U' L' - bL' U bR' U bR bL - L)

これらの手順は ELL を二段階に分けて行う(位置を合わせてから向きを替える)なら必須の手順となるでしょう。ただ、実戦では”向きを替えながら位置を合わせる”ので、出現頻度はさほど高くはありません。とはいえ、最初に覚えておく手順達ではありますね。


posted by じゅうべい at 11:25| Comment(0) | メガミンクス

2020年02月26日

J式メガミンクス:S2L

メガミンクスについて、今日は S2L についてです。絵は F2L に引き続き、青クロスなのでご容赦を。

これまた世間の人々には釈迦に説法ですが、私は、隅一つと辺二つの組み合わせのうち、辺を一つ F か F' にずらした位置に入れておき、残りを F2L の手順で I か T を作り、

S2L_1I.jpg
I なら U' F' U F、

S2L_1T.jpg
T なら R U R' で

S2L_2.jpg
の形にして、F で

S2L_3.jpg
と揃えています。逆側から入ることもありますね。そのときには最後が F' になります。

立方体の迷宮 では下隅を入れてから両脇の辺を一つづつ入れていくのですが、さすがにそれは無駄が多いことを感じていました。辺をずらして入れておいて F2L 手順で入れる Cube Voyage の方法はとても参考になりました。

私は、色覚の問題もあって、とにかく必要な小片を見つけるのに時間がかかるので、見つけた辺を片端から入れていくようにしています。目につきやすいのが図にも用いた 藍-白・藍-黄 なので、それを最初に入れることが多いですね。次が緑か橙、[女乃](ない、クリーム色)が三、四番目、灰色がたいてい最後になります。

灰桃金を入れる時には全て無彩色、濃い灰色・薄い灰色・光沢のある鉄色と認識しているのに、橙黄金のときには金を黄色系の光沢色と認識しているのが不思議ですね。

Cube Voyage には、トップキューバーは7ブロック同時に組むとか、入れる順番が決まっているとか、恐ろしいことが書いてありますが、私レベルでは想像もつきません。目についた順に入れていくのが分相応と感じています。

posted by じゅうべい at 11:06| Comment(0) | メガミンクス