J式メガミンクスの ELL (edge permutation and orientation in the last layer)は Megaminx PLL & More の手順を採用していますが、分類は独自のものです。その ELL は、その場での向き替えを除いたら、三角正,縦平行,横平行の三種類に分類されます。それぞれの向き替えがないものを”〜平(たいら)”と表現しています。…”向き替えなし”だと文字数が長過ぎるので。
辺向き替えのときにお伝えした通り、手順の紹介は以下の図に従った J式の後、カッコ書きで WCA表記(一部独自表記)を示しています。
手順を理解しやすくするために J式では括弧で、WCA表記ではハイフンで分かち書きをしています。
三角正・平
e- t- (e t- e- t) t e
(R' U' - R U' R' U - U R)
”三角”は島内先生の本『ルービック・キューブと数学パズル』における”単純三角”を省略した表記です。”正”は時計周り、反時計回りの”反”に対する表現です。J式ELL では三角は E→S→W→E のみを意味します。他で発生していたら持ち替えるか上面を廻します。
この三辺の反時計回り、E→W→W→Eは”三角反”と表現しますが、t- (U') で三角正になるので覚えておきましょう。
この手順は途中に Y交換子(いわゆるスレッジハンマー)が入っていますが、覚えてしまったら最後の前は t2 (U2) と連続して廻してしまいますね。
ちなみに、以下の状況は三角正に変換できます。
交叉
t2 (U2) で三角正になるので覚えておきましょう。
縦平行・平
s- t- s t-2 s- t-2 s t-
(F' U' F U'2 F' U'2 F U')
S辺は移動せず、右側・左側がそれぞれ手前と奥で交換するという手順をまとめて”縦平行”と呼んでいます。”平行”はやはり島内先生の本で使われていた表現です。
縦平行は三角正とともに頻出し、また以下の状況も縦平行に変換できます。
鏃(やじり)・正時計
t (U) で縦平行になります。側面の中心色と合った辺を手前の S面 (F) に持ってきて手順を廻しましょう。
鏃・反時計
鏃も反時計なら t- (U') で縦平行になります。回転方向が一致していて、覚えやすくていいですね。
横平行・平
e t2 (t e- t- e)(t- e- t e) t-2 e-
(R U2 - U R' U' R - U' R' U R - U'2 R')
横平行はあまり出現しませんが、上面をどう廻しても横平行である状況が変わらないのが特徴です。それだけに、慣れてないとパニックに陥りますね。
途中、Y交換子→Z交換子が連続しますが、慣れてしまったら e t-2 (R U'2)〜で廻した方が良いのでしょうね。私はまとまりで覚えてしまったのでできませんが。
333 で廻したら隅がいろいろなところに置換して面白かったです。FMC に使える手順かもしれませんね。
スクエア1の成形で、茸−帆立に間違いがありました。お詫びして修正します。該当ページだけでなく、こちらにも修正後の絵と Excelシートを掲載しておきます。