あるツイートで
> R' F U2 F' R F R' U2 R F'
> Insertion Finder で出てきた謎の10手3点交換。どういう意味になるのだろうか…。
とあり、
「S0 を y2 したものですよ」
と思ったのですが、意外と世間ではこのようなものが知られてないのか、とやや意外に感じました。('23.5.2 表記を一部変更しました)
J式は cross→F2L→CLL→ELL という、世間の動向と逆行した化石的な解法ではありますが、隅(corner)と辺(edge)を分離して廻すので、
1. FMCや目隠しで謎の威力を発揮する。
2. 222 の上面手順にそのまま適用でき、新たに覚える必要がない。
3. (理論上は)444 でパリティが存在しない(パリティまでそのまま手順に組み込まれている)。
4. Roux にそのまま応用できる(島内先生に二層廻しと中層回しを禁じられているので、”そのまま”ではありませんが…)
という利点が考えられなくもありません(私が遅いので説得力はありませんが)。
使ってもらえる方がいるかもしれないので、CLL の一覧を Excel にまとめたものを置いておきます。
謎の記号が多くて申し訳ありません。以下に、どこを上面に向けるかの図も用意しました。向きが変わる隅が黒、上面を線で示してあります。
まず、島内先生の本の通り、移動は URB→UFR→UFL→URB の時計回りに固定してあります(右図参照)。
大分類の U, T, L, S, aS, H, Pi は Roux における CLL 分類と一緒で、A は向き替えなし(Already Oriented)です。
添え字は、0が基本の向き、字の形に合わせたので U は奥側を持ち上げるのが U0 になっています。L は筆記体と勘違いしたのもあり、また、島内先生の本の基本手順にもある”対隅向き替え”が FUL・RUBを上面に回転する手順だったのもあり、さらにはその方が解く時に向きを把握しやすいのもあって、それを L0 としています。Sune・anti Sune は移動しない隅が上面を既に向いているものを 0、aS0 が Niklas になりますね。
"–"はそこから反時計回り、"+"は時計周り、"2"は180°回転(90°×2)したものです。平行移動(左同士、右同士での奥と手前の隅の交換、対角交換と同じ)は”(上下矢印)”に近い基本的な文字として"1"で示しました。表の右に示したのが反転手順で、移動が反時計回りになります。
CLL は上面の辺の移動を気にしない手順ですが、いくつか”不変”のものがあり、FMCと目隠し競技では有効になると思います。B'(手順)B、さらには B' D' (手順)D B などで下段との共役手順を作るときにも、辺が崩れることを恐れずにすみます。一方で、上面の辺がどう動くかを把握できていたら、うまくキャンセルに持ち込むことも可能ですね。
何かのお役に立てれば幸いです。
「理解したいけど、理解できない」というときにはお問い合わせください。まぁ、手順を廻してみれば分かってしまうとは思います。