2025年03月21日

Crazy Mirror Cube 222の解法2:下段揃え

昨日は東京都大田区で大会があったのですね。6x6x6, メガミンクス, スキューブ, スクエア1だけとは、気合いが入った大会だなぁと思いました。カットオフが、スキューブの 30秒、スクエア1の 1分はともかく、メガミンクスが 1分30秒、6x6x6 が 4分とは恐ろしいものだなぁと思いました。制限時間も、メガミンクスが 2分ですか。私は 3分30秒も切ることは殆んどないので、行けたとしても参加は難しいですね。運営側としては、無制限に廻されても困るのは分かりますが…。

エジプトやグアテマラからも参加者があったのですね。みなさんで楽しまれたことでしょう。

まずは下段から。

回転記号は以下の島内先生由来の J式を用い、括弧書きか "/" のあとに WCA表記を併記しようと思います。
CrzMir22_notation.jpg
いつも通りですが、そのままなら時計廻しに 90°回転、反時計90°廻しは t- のように "-" を(本来は右肩付き)で、180°回転は t2 のように "2" を(これまた本来は右肩付き)で添えることで示します。面を示す場合は大文字で表記します。

一部の手順で、背面(S面の対面)回転を n・n-・n2 で、左面(E面の対面)回転を w・w-・w2 で示すことがあります。
notationLletter_ew.jpgnotationLletter_sn.jpgnotationLletter_tb.jpg

どこを持って、どこに意識をおいて廻すか、において左面・背面を廻す方が、少なくとも私にとっては分かりやすい場合があるので、どうぞご容赦を。

同一手順を繰り返す場合は、括弧で括って、3回繰り返しなら、J式なら ^3(これも本来は上付きの 3 )、WCA表記では x3 で繰り返す数を示します。

まずは内円が外隅に対して全く移動しない隅(以下、固定隅と呼びます)を探してください。これを把握していないと、このパズルは解くことができません。

続いて、1. 固定隅に隣接する下段の内円を揃えます。正しい位置かは、内円の出っ張り具合で確認しましょう。いろんな手順を駆使して、入れる内円を入れるべき面に持ってきます。

固定隅(薄青)を左前、入れる内円(青)が右側で、上段から縦に降ろす場合は
CrzMir22AlowCirRst.jpgs e- s- e / F R' F' R

上段から斜めに降ろす場合は
CrzMir22AlowCirRcr.jpgt2 e2 / U2 R2

固定隅を右前、入れる内円が左側で、上段から縦に降ろす場合は
CrzMir22AlowCirLst.jpgs- w s w- / F' L F L'

上段から斜めに降ろす場合は
CrzMir22AlowCirLcr.jpgt2 w2 / U2 L2

同梱の手順書では縦降ろしは、右 : U' B' R B / 左 : U B L' B' となっていますが、前面回転(s, s- / F, F')の方が状況を把握しやすく感じています。

つづいて 2. 下段隅を入れます。ただその前に、その次に揃える下面の内円が上面にあるといろいろ厄介なので、上面にある内円が下面にあるべきものかを、e2 / R2 または w2 / L2 と廻して下段に合わせてみて、固定隅の内円と出っ張り具合を比較することで確認しておきましょう。上面にあってしまった場合は、e- t e / R' U R などで上段側面に降ろしておきましょう。

さて下段隅については、Mirror ではなく六色版であれば、色でどこにどの向きで入れればいいかを把握できるのですが、このパズルの場合はまずは廻してみて、固定隅と合うかどうかを確認した上で、戻して手順で入れ直す必要があります。この面倒くささがこのパズルの醍醐味とも言えますね。

固定隅(薄青)が左前、入れる下段隅(青)が右側で、上段から縦に降ろす場合、

e- / R' で揃う場合は
CrzMir22BlowCRst.jpgt e t- e- / U R U' R'

前面の出っ張り具合が揃っていて、対角に位置する場合、つまり s / F で揃う場合は
CrzMir22BlowCRrd.jpge t e- / R U R'

前面の出っ張り具合が揃っていて、固定隅の真上に位置する場合は
CrzMir22BlowCRcr.jpgt- (e t e- t- )^3 / U' (R U R' U')x3

この最後の場合だけ特に長手数で面倒ですが、逆に他に影響が出にくい手順なので安心して廻せます。揃うかどうか、自信が持てない場合は、なんとなくこの手順で入れてみることが良くあります。違ったらまた 3回繰り返し部分だけ廻し直して上段に戻せます。

固定隅(薄青)が右前、入れる下段隅(青)が左側で、上段から縦に降ろす場合、

w / L で揃う場合は
CrzMir22BlowCLst.jpgt- w- t w / U' L' U L

前面の出っ張り具合が揃っていて、対角に位置する場合、つまり s- / F' で揃う場合は
CrzMir22BlowCLrd.jpgw- t- w / L' U' L

前面の出っ張り具合が揃っていて、固定隅の真上に位置する場合は
CrzMir22BlowCLcr.jpgt (w- t- w t )^3 / U (L' U' L U)x3

特に最後の手順は左手廻しに慣れてない方には廻しにくいとは思いますが、意外にすぐ慣れて廻せるようになるので、まずは試してみていただければと思います。

続いて底面の内円を入れていきますが、かなり面倒です。それはまた次回に。

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posted by じゅうべい at 17:20| Comment(0) | 球・円柱・12面体以上

2025年03月19日

Crazy Mirror Cube 222の解法1:概要

ブログ記事「ルービックキューブを自力で解いた時の思考回路」読みました。よく考えつくなぁと感心してしまいました。私は自力では一面すら完成できなかった記憶があります。できたとしても、二段目、中段入れは、島内 剛一先生の『ルービック・キューブと数学パズル』で世界一周と結びを知るまで、本当に手の打ちようがありませんでした。

さらには上面合わせ手順を自力で作り出してしまうとは、頭の論理性の素晴らしさだけでなく、丁寧に根気強く、様々なことを試していっていたのでしょう。それもまた素晴らしい力ですね。

私にはそのどちらの力も欠けているので、無理せずに行きます。

CrazyMirror222.JPG CrazyMirror222scr.JPG
についてですが、ようやくどうにか安定して揃えられるようになってきました。

不正常魔術方塊研究中心” でこの二階魔中魔魔方(鏡面、ではありませんが)については 1. 内円を揃えてから外郭を,2. 外郭を揃えてから内円を,3. 下層から上層へ、と三種類の動画が紹介されていましたが、私にはどれも合わなかったので、同梱されていた解説通りに揃えていっています。ただ、それだけではちょっといろいろやりにくかったので、自分流の手順も加えています。

まずこのパズルは Crazy で表されるパズル群の一種です。外郭は正方形の立体柱ですが、内部に円があり、
CrzMir22CenterFix.JPG
外郭を廻しても内円が固定されている面と、

CrzMir22CenterFollow.JPG
外郭の回転に内円が従って回転する面とがあります。

Dayan製 の Crazy 2x2x2 は内円固定面 0 と内円従属面 1 が、000, 001, 011 というように用意されている三種類の製品があります。1 の面は勝手に回ってしまうようですね。

Crazy Mirror Cube 2x2x2ShengShou(聖手)製で、内円固定面がある頂点に接する三面、内円従属面は内円固定面のそれぞれ対面にある、という構造になっています。

そして、内円が外郭と絶対に外れない隅が一つあります。それを固定隅と私は呼んでいます。固定隅を左奥下に置くと、前面・右面・上面が内円固定面、左面・奥面・下面が内円従属面となります。

上記の写真は、上が上面で内円固定面、下が下面で内円従属面を示しています。

固定隅を左奥下に置いて、たとえば F U2 R2 F2 U' R F' R' U' でスクランブルすると、
CrzMir22Scramble.JPG

となります。内円の位置合わせを分かりやすくするためにか、内円側面には溝が掘ってあり、その数で出っ張り度合いを測れなくもありません。私は 90° か場合によっては 180° 廻して、高さが合うかどうかを確認するようにしています。

このパズルの解き方は順に、

1. 固定隅を左前下に置いたときの、下段の前面の
CrzMir22Solve1LowerCircle.JPG
右前内円と左面の左奥内円(写真で青テープで 3, 6)を正しい位置に揃える。下段の左面及び奥面の内円はこの過程で勝手に揃ってしまいます。

2.
CrzMir22Solve2LowerCorner.JPG
下段の右前隅と左奥隅を揃える。続いて、右奥隅も持ち替えた上で揃える。

3.
CrzMir22Solve3BaseCircle.JPG
下面の内円を揃える。この過程で、上面の内円は勝手に揃ってしまいます。

4.
CrzMir22Solve4TopOrient.JPG
上段隅の向きを揃える。

5.
CrzMir22Solve5TopPermute.JPG
上段隅の位置を揃える。

6. 上段側面の内円を揃えられたら完成です。

3. で底面の内円が上面にある場合は R U' R' などで上段側面に降ろさなければなりません。その場合は一旦揃った下段隅が崩れてしまいますが、めげずにまた揃え直しましょう。

内円の動きは意外と制限されているので、気付いたら揃ってしまっていることも良くあります。6. の上段側面の内円も、揃わないときには手順をどれだけ廻しても揃わず、それなのに、ふとしたことで揃ってしまったりもします。

回転が甘くても頑張って廻ってくれます。廻してみると楽しいですよ。

それぞれの詳細はまたの機会に。

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posted by じゅうべい at 16:56| Comment(0) | 立方体と曲線

2025年03月12日

HTR、すごすぎて分かりません

いかのおすし さんが、最少手数競技(Fewest Moves Challenge, FMC)の技法の一つ、Half Trun Reduction について、ブログ記事、「HTRガイド(〜3QT編)」を書いて下さっていましたね。

1万字超えの超大作と言うだけでもすごいのですが、すみません、内容が高度すぎて全く理解できませんでした。

そこで紹介されている "HTR Theory" も動画付きの超大作ですが、動画の方はちょっと声が聞き取りにくくて残念でした。まずは Tom Nelson さんの"HTR Tutorial for FMC" から見た方が良いのかもしれません。…私にはちょっと理解力の上でも時間の上でも、視聴するのは難しいのですが。

これほどの技術と知識が無いと取り組めないのなら、私はもう最少手数競技には手を出さない気がしています。大変な時代になりましたね。いえ、競技として、面白いとは思うのですが…。

そういえば、Square 2x2x4 が再発売されていましたね。Kemi さんのサイトで解法を見たとき、やはり何が何だか分からず、頭が全然受け付けなかったのを覚えています。一方、ShengShou の新作パズルハノイミンクスと一緒、つまりは Gem 8 で、みなさん、この形のパズルがお好きなんだなぁって思いました。もちろん(?)、私は持っていません。

CrazyMirror222.JPG CrazyMirror222scr.JPG
はだいぶ解けるようになってきました。解法が同梱されているのにこれだけ時間が掛かるのが私ですね。これについては、そろそろいろいろ紹介できたら、と思っているところです。
posted by じゅうべい at 11:49| Comment(0) | FMC